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陽極酸化皮膜を用いたガスケット絶縁技術の開発

Development of technique on electrically insulation of metallic gasket using anodic oxide coating

長壁 豊隆  ; 加藤 義博*; 桑原 慶太郎*

Osakabe, Toyotaka; Kato, Yoshihiro*; Kuwahara, Keitaro*

強相関系物質の圧力誘起相臨界領域で発現する新奇物性を構造-磁性-伝導の相関の視点から研究するため、ハイブリッドアンビル(HA)を用いた高圧力下の中性子回折と電気抵抗の同時測定技術の開発を行っている。HAでは、軟質ではあるが中性子透過率に優れるアルミ合金(JIS2017P)をガスケットとして使用している。同時測定を実現する上で、特に、軟質なガスケット表面にいかに強固な絶縁層を形成できるかが鍵となる。本開発では、電解液に特殊樹脂を添加する陽極酸化法によりガスケット表面に厚い皮膜(ミタ二ライト)を形成し、これを絶縁層として利用するという、これまでにない方法を発案した。この手法で形成した80$$mu$$m厚のミタ二ライト絶縁層付きガスケットを使用し、金線をリード線として配線して加圧試験を行った結果、皮膜なしの場合に比べて加圧効率が落ちることなく、また、リード線の断線やショートを起こさずに最高5.5GPaの圧力発生に成功した。一般的なエポキシ接着剤を使用する絶縁層に比べてミタ二ライト絶縁層は水素を含まないため、中性子回折実験においてバックグラウンドが上昇する心配がなく、また、絶縁層形成の手間が少ないなど利点がある。

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