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鉄系高温超伝導体母相の磁気形状因子の異方性

Anisotropic magnetic form factor in parent compound of iron-based superconductor

樹神 克明   ; 石角 元志*; 脇本 秀一  ; 木方 邦宏*; Lee, C.-H.*; 伊豫 彰*; 永崎 洋*; 社本 真一  

Kodama, Katsuaki; Ishikado, Motoyuki*; Wakimoto, Shuichi; Kiho, Kunihiro*; Lee, C.-H.*; Iyo, Akira*; Eisaki, Hiroshi*; Shamoto, Shinichi

鉄系高温超伝導体の母相の反強磁性斜方晶相ではa, b軸の違いと比べて非常に大きな面内異方性をもつ電子物性が観測されている。磁性の面内異方性の起源としては、磁性に寄与するFe3d電子の異方的な空間分布が予想される。それに対しこれまでの単結晶を用いた中性子回折実験からは、反強磁性相における磁気形状因子はほぼ等方的と報告されていた。しかし過去の実験では双晶を含む単結晶を用いていたために、$$h$$0$$l$$反射の磁気散乱強度しか見積もっておらず、磁気形状因子の面内異方性を詳細に調べることは困難であった。そこで我々は一軸圧力によって非双晶化したBaFe$$_2$$As$$_2$$単結晶を用いた中性子回折実験を行い、$$h$$0$$l$$反射だけでなく$$hkh$$反射の磁気散乱強度も調べた。その結果、磁気モーメントがa-b面内でa軸から10度傾いたストライプ構造をもち、さらに磁気モーメントの40%が3dyz軌道の電子からなり、他の4つの3d軌道の電子が15%ずつ磁気モーメントに寄与すると考えると、実験で得られた磁気構造因子と磁気形状因子をよく説明できることが分かった。この結果は磁性に寄与する3d電子の空間分布が面内異方性をもつことを示しており、鉄系高温超伝導体の母相で観測される異方的な磁性の理解に重要な情報を与えるものと考えられる。

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