AMS装置におけるE電離箱のパルス信号に及ぼす同重体干渉の影響

Influence of isobaric interference on pulse signals of a E ionization chamber in the AMS system

松原 章浩; 藤田 奈津子   ; 西澤 章光*; 三宅 正恭*

Matsubara, Akihiro; Fujita, Natsuko; Nishizawa, Akimitsu*; Miyake, Masayasu*

加速器質量分析ではBe, Cl等、希少核種をE電離箱で計数する。それらの安定同重体(Beに対してB, Clに対してS)の比電荷は希少核種のそれに等しくなるため、電磁界フィルターでは分別されず、希少核種と同様にE電離箱に入射する。この入射率は希少核種のそれに比べ著しく高いため、希少核種のパルス信号に同重体の信号が干渉し、希少核種の測定が妨害される。本研究では、希少核種と同重体の分別の向上を目指し、パルス信号に及ぼす同重体干渉の影響を調べた。その結果、同重体の入射エネルギーを増加させるとパルス高の変動幅が大きくなるとともにパルス高の平均値が計算値に比べ低くなることが分かった。この原因は、同重体の多重入射のため蓄積された正電荷により、電子ドリフトのための電界が遮蔽されたことにあると考えられる。

no abstracts in English