検索対象:     
報告書番号:
※ 半角英数字
 年 ~ 
 年

金属酸化物中の原子空孔誘起強磁性効果の研究

Investigation of vacancy-induced ferromagnetism in metal oxides

河裾 厚男; 前川 雅樹; 境 誠司

Kawasuso, Atsuo; Maekawa, Masaki; Sakai, Seiji

粒子線照射などにより、非磁性の金属酸化物・窒化物が強磁性体に変化する現象が見いだされている。その原因として原子空孔が挙げられているが、直接的な証拠は未だに得られていない。スピン偏極陽電子消滅法を用いて原子空孔に存在する磁気モーメントが検出できれば、より直接的な原子空孔誘起強磁性の証拠になると考えられる。そこで、イオン照射した酸化亜鉛に対してスピン偏極陽電子消滅測定を行った。水熱合成したn型のZnO(0001)に、室温において100keVの酸素イオンを照射(照射量は1E+14-1E+17 ions/cm$$^{2}$$)することで原子空孔を導入した。超伝導量子干渉デバイス測定により、照射前後における強磁性を確認した。試料に最大$$pm$$1Tの面直磁場を印加した状態で縦スピン偏極陽電子を注入し、高純度ゲルマニウム検出器を用いて二光子消滅のドップラー拡がり測定を行った。その結果、カチオン(Zn)空孔が主な陽電子捕獲中心であり、そのドップラー拡がりスペクトルが、磁場反転に対して非対称性を示すことが見いだされた。正負磁場間の差分ドップラー拡がりスペクトルは、カチオン空孔を想定した第一原理計算の結果とよく一致していること、アニオン空孔を想定した計算では正負磁場間の差はないことが分かった。以上より、カチオン空孔に磁気モーメントが存在しており、それが強磁性の原因となっていることが明らかになった。

no abstracts in English

Access

:

- Accesses

InCites™

:

Altmetrics

:

[CLARIVATE ANALYTICS], [WEB OF SCIENCE], [HIGHLY CITED PAPER & CUP LOGO] and [HOT PAPER & FIRE LOGO] are trademarks of Clarivate Analytics, and/or its affiliated company or companies, and used herein by permission and/or license.