FT3L金属磁性体コアのシャントインピーダンスに対する考察
Study of shunt impedance of the FT3L magnetic alloy core
野村 昌弘 ; 山本 昌亘 ; 島田 太平 ; 田村 文彦 ; 大森 千広*; 戸田 信*; 長谷川 豪志*; 原 圭吾*; 吉井 正人*
Nomura, Masahiro; Yamamoto, Masanobu; Shimada, Taihei; Tamura, Fumihiko; Omori, Chihiro*; Toda, Makoto*; Hasegawa, Katsushi*; Hara, Keigo*; Yoshii, Masahito*
J-PARCの2つのシンクロトロン(RCS, MR)では高い加速電圧を発生させるために、加速空胴に金属磁性体コア(FINMET)を採用している。更に大強度の陽子ビームを加速するためには、この金属磁性体コアのシャントインピーダンスを高めることが重要である。Ring RFグループでは磁場中熱処理を行うことにより、高いシャントインピーダンスを持った加速器用の大型の金属磁性体コア(FT3L)の開発に成功している。磁場中熱処理を行うことにより磁化過程が主に磁化回転となることは知られており、FT3L金属磁性体コアのシャントインピーダンスは磁化過程が磁化回転となることにより高くなっている。本発表では理想的な磁化回転の場合のコアのシャントインピーダンスに対する考察を行う。具体的には、シャントインピーダンスで表されるコアの等価回路の損失と磁化回転の場合のコアの損失の計算を対応させることにより、シャントインピーダンスに対応する物理量を考察する。更にその結果から、シャントインピーダンスのコアを構成しているリボンの板厚及び透磁率依存性を示す。
We are successful in increasing the shunt impedance of the MA cores by applying a transverse magnetic field during annealing. In this paper, we discuss the effects of transverse field annealing on the MA core shunt impedance by comparing two kinds of MA cores, those are the FT3M core that is annealed without any magnetic fields and the FT3L core that is annealed with a transverse magnetic field. We also discuss the shunt impedance of the MA core when the magnetization processes are governed by ideal magnetization rotations. To understand the ribbon thickness and the permeability dependences of the shunt impedance intuitively, we represent the shunt impedance as the resistance of the closed rectangular loop through which the eddy current flows.