モンテカルロシミュレーションで評価したMRI磁場による炭素線ビームの軌道と線量分布への影響

Monte-Carlo simulations for evaluation of the influence on the range and dose distribution of carbon ion beam by MRI magnetic field

角田 紫音*; 岩井 岳夫*; 門叶 冬樹*; 佐藤 達彦   

Kakuta, Shion*; Iwai, Takeo*; Tokanai, Fuyuki*; Sato, Tatsuhiko

粒子線がん治療における照射精度を向上させる方法として、MRI(核磁気共鳴画像法)を用いた照射中リアルタイム人体イメージングの実現可能性が検討されている。従来は陽子線治療に対してのみ検討が行われていたが、本研究では、粒子・重イオン輸送計算コードPHITSを用いて重粒子線治療に対する検討を実施した。具体的には、3.0Tの磁場をかけた状態の水ファントムに様々なエネルギーの炭素イオンを照射した際のビーム軌道をPHITSで計算し、Bethe-Blochの式とローレンツ力により近似したビーム軌道と比較した。その結果、両者はよく一致することが分かり、本検討にPHITSを用いる妥当性が確認できた。

Influence on the range and dose distribution of carbon ion beam by MRI magnetic field was investigated using the PHITS code. The PHITS simulation results agree with the corresponding data obtained from an analytical method based on the Bethe-Bloch equation, indicating the accuracy of the simulation.