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森林源流域から進行する窒素飽和メカニズムの解明と森林炭素蓄積能力への影響評価

Field observation for mechanisms of nitrogen saturation in forest watershed and its impact on carbon storage

堅田 元喜*; 福島 慶太郎*; 小嵐 淳   ; 山口 高志*; 渡辺 誠*; 舘野 隆之輔*

Katata, Genki*; Fukushima, Keitaro*; Koarashi, Jun; Yamaguchi, Takashi*; Watanabe, Makoto*; Tateno, Ryunosuke*

地球規模で問題となっている大気中の反応性窒素の生態系への過剰負荷による窒素飽和は、自然の窒素循環を乱して富栄養化をもたらすだけでなく、森林の炭素蓄積機能にも影響を及ぼす。しかし、森林への窒素負荷をもたらす窒素沈着量は、集水域内でも空間的ばらつきが極めて大きく、従来のように限られた一地点でのモニタリングから窒素負荷の影響を評価することは難しい。本プロジェクトでは、源流域から窒素飽和が進んでいる森林集水域において、大気・土壌・植生・河川を包括した窒素・炭素循環の多地点同時観測を行い、大気から森林への窒素負荷の空間分布を評価する。さらに、窒素負荷と渓流水質の関係に基づいて窒素飽和の進行メカニズムを解明し、窒素負荷の度合いに応じて樹木や土壌の炭素蓄積機能がどのように変化するかを明らかにすることを目指す。発表では、北海道東部の京都大学フィールド科学教育研究センター標茶研究林にある放牧地に隣接した森林集水域での大気アンモニア濃度・林内雨・渓流水質の多地点観測の結果を示すとともに、林内と放牧地に面する林縁部における違いを議論する。

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