河川水系での放射性セシウムの移動媒体は何か

What is the transport media of radiocaesium within river basin?

萩原 大樹  ; 小西 博巳*; 中西 貴宏   ; 藤原 健壮 ; 飯島 和毅  

Hagiwara, Hiroki; Konishi, Hiromi*; Nakanishi, Takahiro; Fujiwara, Kenso; Iijima, Kazuki

放射性セシウムを吸着した土壌粒子は、流水により土壌中の粘土鉱物等の細粒分, 有機物等に吸着し移動することが知られている。鉱物種と放射性セシウムの関係が明らかになれば、浜通り地域の河川水系における放射性セシウム分布の将来の移動予測や、鉱物と放射性セシウムの収脱着メカニズムの解明に資することができる。本研究では、河床土および底質の粒径毎の鉱物組成と放射性セシウムの存在量を把握することを目的とした現地調査を実施した。放射性セシウムは、砂分画に支配的に存在し、鉱物組成は上流から下流まで、60%以上が石英, 長石等の無色鉱物で構成されていた。砂分画では、雲母鉱物以外の有色鉱物や無色鉱物にも放射性セシウムを含むことが新たにわかった。これらの結果より、河川流域中の放射性セシウムの将来予測には、砂分画の放射性セシウムの存在量を把握することが重要であることがわかった。さらに砂分画の無色鉱物や雲母鉱物以外の有色鉱物についても、放射性セシウムの移行に寄与する可能性があることが示唆された。

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