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1号機由来不溶性セシウム粒子の多面的分析による生成シナリオの解明

Elucidation for production scenario of insoluble Cs particles from Unit 1 using multifaceted analysis

佐藤 志彦   ; 小畠 雅明  ; 岡根 哲夫  ; 末木 啓介*; 松尾 一樹*; 石井 達也*; Martin, P.*; Scott, T.*

Satou, Yukihiko; Kobata, Masaaki; Okane, Tetsuo; Sueki, Keisuke*; Matsuo, Kazuki*; Ishii, Tatsuya*; Martin, P.*; Scott, T.*

福島第一原子力発電所事故では不溶性セシウム粒子と呼ばれる放射性粒子が放出したことが知られている。特に1号機から放出した粒子(Type B)は1粒子に含まれる放射能量が多いことから、廃炉作業において偶発的な放出が発生した場合、周辺環境に与える影響は大きく、不測の事故を防止する観点からも生成した場所の特定が急がれる。しかしType Bの生成過程は、ケイ酸の由来が原子炉建屋内で使用されていた断熱材の可能性が指摘されているだけで、生成場所を含む詳細情報は明らかになっていない。そこで本研究ではこれまで外観の観察や、放射光の透過による分析が中心的に行われてきたType Bに対し、実験室X線CTおよびシンクロトロン放射光トモグフィー(SR-XRT)による非破壊の内部分析、および硬X線光電子分光(HAXPES)による表面を構成する元素の電子状態を取得し、Type Bの保持する基本情報から生成シナリオを検討した。結果、X線CTで粒子内部に無数の空洞が存在することを確認した。またX吸収量を強調したCT像からは粒子の表面層に高吸収の領域が見られた。さらにSR-XRTによる元素分布CT像からはケイ素以外のCs, Fe, Znなどの元素が粒子の表面付近に多く存在することを認めた。加えてHAXPESでFeなどの一部元素が低い価数で存在する結果を得た。これらの結果から、従来は断熱材の不純物として考えられていたFe, Zn等は、実際にはケイ酸の溶融中、あるいは粒子形成中に固体物として付着したと推定され、水素爆発前に断熱材の溶融が発生していた可能性が示唆された。

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