中性子過剰領域の中性子捕獲断面積の新しい計算アプローチ
A New calculation approach for neutron capture cross sections in neutron-rich region
湊 太志

Minato, Futoshi
中性子過剰核の中性子捕獲断面積は、星の中の元素合成プロセスの一つである
-processのメカニズム解明のために必要な情報である。しかし、中性子過剰核は短半減期の原子核であるため、その中性子捕獲断面積を測定することは難しい。そのため理論的なアプローチによる中性子捕獲断面積の予測が求められる。
-processのシミュレーションのために必要な中性子捕獲断面積データは、統計モデルを用いてこれまで導出されてきた。しかし統計モデルは、原子核の中性子反応の共鳴間隔が十分に狭く、平均的に扱うことができる入射エネルギー領域にならないと適用できないことが知られている。中性子過剰核は、安定核近傍の原子核よりもさらに高いエネルギーにならないと共鳴の平均的取扱いができないため、共鳴効果を考慮した断面積計算が実際には要求される。本発表では、原子核準位エネルギーの統計的な性質から仮想的に発生させる疑似共鳴を用いた中性子捕獲断面積を議論する。また、中性子捕獲反応計算で重要なガンマ線強度関数は、現象論的モデルが従来使われてきたが、微視的モデルに現れる低エネルギー側の強度や変形効果が無視できない。特に準直接捕獲反応において、微視的ガンマ線強度関数が、現象論的手法を用いた従来の結果と比較して、数MeV領域の捕獲断面積にも影響を与えていることが分かったことについて報告する。また本発表では、これまで研究を行ってきた乱雑位相近似法を用いた原子核のベータ崩壊半減期の計算の成果についても進捗報告をする。
no abstracts in English
- 登録番号 : BB20190171
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