Hard X-ray photoelectron spectroscopy study of Pt/YFeO
硬X線光電子分光によるPt/YFeOの電子状態観測
小畠 雅明 ; 吉井 賢資 ; 福田 竜生 ; 川崎 郁斗 ; 岡根 哲夫 ; 山上 浩志; 矢板 毅; 針井 一哉; 家田 淳一 ; 岡安 悟 ; 日置 友智*; 吉川 貴史*; 齊藤 英治
Kobata, Masaaki; Yoshii, Kenji; Fukuda, Tatsuo; Kawasaki, Ikuto; Okane, Tetsuo; Yamagami, Hiroshi; Yaita, Tsuyoshi; Harii, Kazuya; Ieda, Junichi; Okayasu, Satoru; Hioki, Tomosato*; Kikkawa, Takashi*; Saito, Eiji
スピンゼーベック効果を示す系として注目されているPt/YFeO(YIG)系に対し、放射光を用いた硬X線光電子分光(HAXPES)により表面及び界面の電子状態測定を行った。本系ではスピンゼーベック効果のほかに特異な性質を示すことが報告されている。例えば、外部磁場が存在しない状況でもホール効果を発現する。この起源として、YIG中のFeイオンがPt膜に染み出し、磁性を持つ金属間化合物を生成している可能性が提案されている。そこでHAXPESの分析深さを利用し、界面近傍の鉄イオン等の電子状態を測定した。Ptの厚みが2nm, 5nm, 8nm, 10nmの試料を測定したところ、2nmと5nmの試料において鉄イオンの分析を行うことができた。Fe 1s光電子スペクトルからは、鉄イオンが3+のものと金属的な0価に近い2つの状態が存在することが判明し、上記の可能性を支持する結果が得られた。Pt 4fやO 1sスペクトルなども測定しており、詳しい結果は当日報告する。
High energy X-ray photoelectron spectroscopy (HAXPES) measurements were carried out for the Spin Seebeck system Pt/YFeO(YIG). This system was found to show anomalous Hall effect, possible due to the formation of intermetallic compounds between Fe and Pt. To reveal this possibility, we have measured the Fe 1s photoelectron peaks by using HAXPES. It was found that the Fe ions consist of Fe in YIG and metallic Fe. The formation of the metallic state is consistent with the proposed origin of the anomalous Hall effect. Other spectra such as Pt 4f will be presented at the conference.