超伝導遷移端カロリメータによるトリウム229アイソマーエネルギーの測定

Energy measurement of the lowest isomer level in Th-229 by transition edge sensors

山口 敦史*; 村松 はるか*; 林 佑*; 満田 和久*; 湯浅 直樹*; 前畑 京介*; 中村 圭佑  ; 滝本 美咲  ; 菊永 英寿*

Yamaguchi, Atsushi*; Muramatsu, Haruka*; Hayashi, Tasuku*; Mitsuda, Kazuhisa*; Yuasa, Naoki*; Maehata, Keisuke*; Nakamura, Keisuke; Takimoto, Misaki; Kikunaga, Hidetoshi*

トリウム229は、基底状態からわずかエネルギー8eV程度のところに第1原子核励起状態(アイソマー状態と呼ばれる)をもつことが知られている。本研究の目的は、基底状態からアイソマー状態への原子核遷移の共鳴周波数を基準とする光周波数標準の実現をめざし、この核遷移の遷移エネルギーを精密に測定することである。本研究ではアイソマー状態のエネルギー(約8eV、(a))の測定のため、トリウム229原子核のエネルギー29.19keVの第2励起状態を利用する。先行研究で、基底状態から第2励起状態のエネルギー(b)は精度0.07eVで測定されている。本研究では、ウラン233がトリウム229に崩壊する際に放出される、第2励起状態からアイソマー状態の間のエネルギー29.19keV(c)の線を超伝導遷移端カロリメータで精密に測定し、(a)=(b)-(c)によりアイソマー状態のエネルギーを測定する。

no abstracts in English