高速重イオン照射したサファイア単結晶の結晶格子間隔変化

Change in lattice spacing of sapphire single crystal irradiated with swift heavy ions

石川 法人   ; 近藤 啓悦  ; 藤村 由希; 喜多村 茜

Ishikawa, Norito; Kondo, Keietsu; Fujimura, Yuki; Kitamura, Akane

セラミックスへ100MeV以上の高速重イオンを試料に照射すると、イオンとターゲット材料の電子との間の非弾性衝突(いわゆる電子的阻止能に相当)が支配的に照射損傷の形成に関与することが知られている。これまで多くの照射損傷メカニズム研究が行われてきたが、耐照射性の高いセラミックスの場合には、照射影響が小さいために、損傷を定量化すること自体が困難であり、照射損傷メカニズムを解明するためには照射損傷を定義することから始めなくてはならない。本研究では、サファイア(AlO)を対象材料として選定し、高速重イオン照射に伴う格子間隔変化を空間マッピング分析した結果、(照射領域は均一に照射したにもかかわらず)結晶格子間隔の変化が照射/未照射境界の付近で顕著に現れることを明らかにしたので、その結果を報告する。

When ceramic materials are irradiated with swift heavy ions, radiation damages are created. In this study, AlO is irradiated with ions, and change in lattice spacing is analyzed for visualizing spatial mapping of the lattice change. As a result, the effect appeared near the boundary between irradiated are and unirradiated area, although the homogeneous irradiation is performed.