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LA-ICP-MSによるアパタイトのSr同位体分析技術の開発

Development of Sr isotope analysis for apatite by LA-ICP-MS

鏡味 沙耶   ; 横山 立憲   ; Chang, Q.*; 湯口 貴史*; 笹尾 英嗣   

Kagami, Saya; Yokoyama, Tatsunori; Chang, Q.*; Yuguchi, Takashi*; Sasao, Eiji

地下水の流動経路の変遷を把握することは、高レベル放射性廃棄物の地層処分において重要であり、そのためには岩盤中の割れ目の頻度分布を評価する技術が必須である。花崗岩に見られる割れ目の頻度分布は、岩体の冷却速度および花崗岩を構成する鉱物の組み合わせ(マグマの化学組成)に関連することが報告されている。全岩の初生Sr同位体比は、物質の起源推定に用いられることがあり、マグマの組成の違いを表す指標として有効である。また、アパタイトは花崗岩など火成岩に普遍的に存在する鉱物で、化学的特徴としてRbが不適合元素であるため、そのSr同位体組成は、マグマの初生的な組成を示す。本研究では、初生Sr同位体比によって花崗岩を形成したマグマの化学組成を把握することを目指し、アパタイトの局所Sr同位体分析手法を開発した。先行研究では、脱溶媒した溶液と固体試料をICPへ導入する手法(dual inlet system)によって斜長石を対象としたSr同位体分析が実施されており、本研究では、この手法をアパタイトのSr同位体分析に応用した。日本原子力研究開発機構東濃地科学センター所有のLA-ICP質量分析装置を用い、酸化物の干渉や分析中の元素分別効果を抑制するため、酸化物生成率を抑えたロバストな条件下で分析を実施した。脱溶媒装置を用いてRb, Er, Ybの標準液を分析することで、それぞれの同重体およびダブルチャージの干渉を補正した。フィッション・トラック法や(U-Th)/He法による年代測定の標準試料として用いられるアパタイトDurango, Mud Tank, Fish Canyon Tuff (FCT)を対象とし、本研究の分析手法を評価した。その結果、分析誤差が大きい(0.04-0.1%)ものの、先行研究と整合的な結果が得られ、再現性は0.2-0.3%(FCT: 0.9%)であった。今後は、感度の向上など分析条件の最適化を試み、補正法の妥当性について検証を進める。

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