検索対象:     
報告書番号:
※ 半角英数字
 年 ~ 
 年

単相バルクセメンタイトの圧縮変形挙動および水素透過挙動

Compressive deformation and hydrogen permeation behaviors of bulk single phase Cementite

足立 望*; 戸高 義一*; 諸岡 聡  ; 徐 平光   

Adachi, Nozomu*; Todaka, Yoshikazu*; Morooka, Satoshi; Xu, P. G.

セメンタイトは、鉄鋼材料における基本的な構成相の一つであるが、溶性法による単相試料の作製が困難である。したがって、従来技術で得られるセメンタイト単相試料は、鋼材から抽出した微小サンプルや、物理蒸着法で作製した薄膜など、$$mu$$mスケールの微小試験片に限られており、諸特性の理解は不十分である。われわれは、メカニカルボールミリング(BM)と放電プラズマ焼結(SPS)を組み合わせたプロセスによりバルク形状の単相セメンタイトを作製する技術を有している。伸線加工したパーライト鋼は、耐水素脆性に優れることが知られており、セメンタイトの変形挙動や水素挙動の理解が高い耐水素脆性を有する材料開発に重要であると考えられる。本研究では、単相バルクセメンタイト試料を用いてセメンタイトの圧縮変形挙動を調査した。また、電気化学的水素透過試験によりバルクセメンタイト中の水素透過挙動についても検討した。BMおよびSPSにより、セメンタイトの体積割合96%のバルク試料が得られた。試料中には4vol.%程度のフェライト粒が均一分散している。EBSD観察により焼結後のバルクセメンタイトは、結晶粒径約0.6$$mu$$mの等軸粒を有しており、方位はランダムであることが分かった。一方、圧縮変形を加えた試料におけるセメンタイト粒は、円柱半径方向に伸長した。また、[010]が圧縮方向に配向した(010)繊維集合組織を形成していた。この傾向は、バルク平均情報が得られる中性子回折によっても同様であった。一般に、圧縮変形において主すべり面はひずみの増加に伴って圧縮軸に対して垂直に配向することが知られている。したがって、本研究によって得られたセメンタイトの変形集合組織は、(010)がセメンタイトの主すべり面であることを示唆している。セメンタイトは、Fe-Fe原子間は金属結合であるが、Fe-C原子間の結合は共有結合的であり結合力がFe-Fe結合と比較して強いと考えられている。(010)は、Fe-C結合が横切らない唯一の結晶面であることから、(010)が主すべり面となったと考えられる。

no abstracts in English

Access

:

- Accesses

InCites™

:

Altmetrics

:

[CLARIVATE ANALYTICS], [WEB OF SCIENCE], [HIGHLY CITED PAPER & CUP LOGO] and [HOT PAPER & FIRE LOGO] are trademarks of Clarivate Analytics, and/or its affiliated company or companies, and used herein by permission and/or license.