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擬一次元反強磁性体Na$$_{2}$$CuSO$$_{4}$$Cl$$_{2}$$の磁性

Quantum magnetic properties in the quasi-one-dimensional antiferromagnet Na$$_{2}$$CuSO$$_{4}$$Cl$$_{2}$$

藤原 理賀 

Fujihara, Masayoshi

ジャロシンスキー-守谷(DM)相互作用は、一次元磁性体において、長距離磁気秩序の形成を促す。しかし、スピン鎖毎にDMベクトルの向きが反転し、さらに程よく弱い鎖間相互作用が共存する場合、スピンフラストレーションが発生する。擬一次元反強磁性体K$$_{2}$$CuSO$$_{4}$$ ${it X}$ $$_{2}$$ (${it X}$ = Cl, Br)は、その結晶構造の特徴から、DM相互作用が誘起するスピンフラストレーションを内包しうる系として研究されてきたが、スピンダイナミクスの詳細や磁気構造は未解明であった。我々は、K$$_{2}$$CuSO$$_{4}$$ ${it X}$ $$_{2}$$と同じ結晶構造を有する化合物Na$$_{2}$$CuSO$$_{4}$$Cl$$_{2}$$の合成に成功し、その純良巨大単結晶の育成にも成功した。そして中性子散乱および$$mu$$SR実験により、スピンダイナミクスの詳細を調査し、磁気構造を決定することに成功した。決定された磁気構造から、本化合物では磁気異方性(symmetric anisotropic exchange interaction)が存在する事が強く示唆され、その異方性軸はDMベクトルと同じ${it b}$軸方向である事が判明した。つまりNa$$_{2}$$CuSO$$_{4}$$Cl$$_{2}$$およびK$$_{2}$$CuSO$$_{4}$$ ${it X}$ $$_{2}$$では、その結晶構造の特徴から、DM相互作用が誘起するスピンフラストレーションの存在が期待できる一方、そのフラストレーションを緩和する磁気異方性が共存する事が明らかとなった。

no abstracts in English

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