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バーネット効果を用いた回転系における磁性ナノ粒子の自発的回転効果の観測

Observation of spontaneous rotation of magnetic nanoparticles in a rotating frame using Barnett effect

埋田 真樹 ; 中堂 博之 ; 今井 正樹  ; 松尾 衛*; 佐藤 奈々   ; 前川 禎通*; 齊藤 英治*

Umeda, Maki; Chudo, Hiroyuki; Imai, Masaki; Matsuo, Mamoru*; Sato, Nana; Maekawa, Sadamichi*; Saito, Eiji*

ブラウン運動は熱揺らぎによって生じる巨視的な物理量が不規則に変化する現象であり、例えば有限温度の液体中に浮かぶ微粒子に媒質の分子が衝突することで生じる。従来、標準的なブラウン運動に基づく確率変数としての物理量の平均は0であり、主に拡散やエネルギー散逸の観点から議論されてきた。一方、非慣性系上で運動する物体には慣性力であるコリオリ力が働くため、時間反転対称性の破れが実現する。よって回転する系のブラウン運動は、有限の統計平均値を示す物理量を伴うことが期待される。本発表ではバーネット効果を用いた回転液体中の微粒子の角速度の観測について報告する。バーネット効果は力学的に回転する物体中の電子スピンに慣性磁場(バーネット磁場)が働くことで磁化する現象であり、バーネット磁場の大きさから液中の微粒子の角速度を見積もることができる。試料には液体溶媒中に磁性ナノ粒子がコロイド状に懸濁した機能性材料である磁性流体を用いた。初めにエポキシ樹脂のカプセルに試料を封入し、液状の磁性流体を従来の固体試料と同程度の角速度で高速回転させることに成功した。次に試料中の電子スピンに働くバーネット磁場を換算したところ、溶媒を除いた粉末固体と比較して約2倍の大きさのバーネット磁場が働いていることを発見した。この結果は液中の磁性ナノ粒子が試料の回転に対して付加的な角速度をもつことを示唆する。この付加的回転の起源について、系統測定の結果を交え慣性力と流体力学の観点から議論を行う。

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