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チベット高原における雷雲からの高エネルギー放射線の観測

Observation of high-energy radiation emitted from thunderclouds on the Tibetan plateau

土屋 晴文 ; 日比野 欣也*; 川田 和正*; 大西 宗博*; 瀧田 正人*; 宗像 一起*; 加藤 千尋*; 霜田 進*

Tsuchiya, Harufumi; Hibino, Kinya*; Kawata, Kazumasa*; Onishi, Munehiro*; Takita, Masato*; Munakata, Kazuoki*; Kato, Chihiro*; Shimoda, Susumu*

地上や高山における雷雲に伴って放射線(雷雲放射線)が観測されており、その生成メカニズムの解明を目指した研究が国内外で進んでいる。これまでの研究から、雷雲放射線は雷雲内の強い電場によって高エネルギーに加速された電子が放つ制動放射線であると考えられているが、その観測地点の高度によって継続時間や発生時期が大きく異なることが分かってきた。実際、北陸地域においては雷雲放射線は冬にのみ観測され、典型的に1分ほど継続する。一方、標高3000mを超える地点においては雷雲放射線は夏の雨季の時期にのみ捉えられ、10分ほど続くことが報告されている。この差異の解明には、さまざまな高度での雷雲放射線のデータが必須である。そこで、高度4300mのチベット高原において1998年から稼働している宇宙線観測装置で捉えられた雷雲放射線の時間特性と、雷や降雨の時間特性を比較した。この比較により、チベット高原の雷雲放射線は雷が発生しやすい雨季の5月-9月においてよく観測されていることが分かった。また、一般的には雷雲が衰退する夜の時間帯である18時-6時に雷雲放射線が多く発生している傾向も見られた。これは、雷雲放射線の発生には、従来考えられていたほど強い電場が必要ない可能性を示す。さらに、チベット高原で観測された雷雲放射線の年ごとの発生頻度が周期的に変動する兆候が見られた。この周期変動を11年周期を持つ太陽活動の変動と比較した結果、雷雲放射線の発生は太陽活動の影響を受けているかもしれないことが示唆された。

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