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砕屑性ジルコンのU-Pb年代測定による下部-中部中新統田辺層群の堆積年代の制約

Depositional age of the Lower-Middle Miocene Tanabe Group constrained by detrital zircon U-Pb ages

安邊 啓明   ; 星 博幸*; 羽地 俊樹*; 佐藤 活志*; 仁木 創太*; 平田 岳史*; 岩野 英樹*; 檀原 徹*

Abe, Noriaki; Hoshi, Hiroyuki*; Haji, Toshiki*; Sato, Katsushi*; Niki, Sota*; Hirata, Takafumi*; Iwano, Hideki*; Danhara, Toru*

西南日本前弧域では15Ma頃に広域的な不整合が形成されたと考えられているが、ほとんどの堆積盆では堆積終了時期ないし現存する地層の堆積時期の上限が制約されていない。本研究は、田辺層群の堆積岩試料から分離した砕屑性ジルコンのU-Pb年代を測定し、堆積時期の上限を制約することを目的とする。8試料から分離し測定した330粒子のうち、221粒子からコンコーダントな年代値が得られた。最若粒子年代値は約19.4Maであり、田辺層群の堆積年代の上限はこの年代より若いと考えられる。しかしこの最若粒子年代値は、浮遊性有孔虫化石が示唆する堆積年代(約16.3Ma以降)より古く、かつ浮遊性有孔虫化石の産出層準より上位であることから、実際の堆積年代とは乖離していると考えられる。紀伊半島周辺では15Ma以降に噴出物を伴う火成活動が起こった。本研究で測定を行った試料中にこれら火成活動起源の中期中新世ジルコンが含まれなかったことは、現存する田辺層群が15Ma以前の堆積物であることを示唆する。砕屑性ジルコンの最若粒子年代値と浮遊性有孔虫化石の示唆する堆積時期が乖離している原因として、15Ma以前に紀伊半島周辺では火成活動が低調だったことが考えられる。本研究の結果は、砕屑性ジルコンの年代から推定された最大堆積年代が、その直後の後背地において火山活動が少ない場合には、実際の堆積年代と大きく乖離し得ることを示唆している。よって、砕屑性ジルコンから最大堆積年代を推定した際には、その直後の火山活動の状況を検討する必要がある。

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