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2024年度論文賞受賞について

On receiving the paper award 2024

津田 泰孝   ; 吉越 章隆 ; 小川 修一*; 坂本 徹哉*; 高桑 雄二*

Tsuda, Yasutaka; Yoshigoe, Akitaka; Ogawa, Shuichi*; Sakamoto, Tetsuya*; Takakuwa, Yuji*

Siのドライ酸化は、現在においても先端半導体デバイスにおけるゲートスタックの作製に不可欠な反応である。SiO$$_2$$膜厚の時間発展をよく記述するモデルとして広く受け入れられているDeal-Groveモデルは30nm以下で適用できないことから、近年求められる~1nmレベルの極薄膜領域におけるSiO$$_2$$/Si界面でのO$$_2$$の反応を説明可能な反応モデルの構築が必要とされている一方、有効なモデルは確立されていなかった。Deal-GroveモデルではSiO$$_2$$膜表面から取り込まれたO$$_2$$が膜中を拡散した後、SiO$$_2$$/Si界面で直接反応することを仮定しているが、このような界面での直接反応の活性化障壁は大きく反応の進行は困難である。我々はSiO$$_2$$成長で発生した歪みにより界面に生成する欠陥の未結合手に注目した。Si清浄表面において、不対電子により活性な未結合手へ分子状吸着した後にバリアレスでO$$_2$$は解離するが、界面欠陥における4つの未結合手の準位は格子歪みにより縮退を解き、電子対を形成し安定である。界面欠陥は、キャリア供給により不対電子を生成することで活性となる。以上の議論から、界面欠陥が多数キャリア捕獲により活性化された後、その欠陥サイトへのO$$_2$$分子状吸着を経て界面反応が進行する反応モデルを提案した。界面で生成したSi-O-Si結合による局所歪みは、新たな欠陥発生を引き起こし、反応ループが形成される。ここで、界面欠陥へのキャリア捕獲による電荷を中性に戻すため、上記反応ループのO$$_2$$解離過程において過剰少数キャリアの捕獲が必要であることをこれまでに示した。反応ループの律速段階は少数キャリア捕獲であると考えられるため、界面欠陥での分子状吸着O$$_2$$の量と膜厚の成長速度の間には直線的相関が得られるはずである。このことを確かめるために本研究では、Si単結晶試料におけるO$$_2$$ガスの反応過程をSPring-8の放射光を用いたリアルタイム光電子分光測定により追跡した。放射光を用いることで、界面分子状吸着状態を検出することが可能である。その結果、分子状吸着O$$_2$$の量と、膜厚成長速度との間に非常に良い線形相関があることを見出し、我々のモデルの妥当性を示した。

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