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中性子捕獲断面積とその不確かさ

Neutron capture cross sections and their uncertainties

岩本 信之  

Iwamoto, Nobuyuki

天体における鉄より重い元素の合成過程の一つであるs過程では、特にkeV領域の中性子捕獲断面積が重要である。原子力においてもs過程に関わる核分裂生成物の中性子捕獲断面積は非常に重要であり、また、必要となる中性子エネルギー範囲はs過程のエネルギー範囲と比べてかなり広い。このような類似性もあることから、評価済核データライブラリの天体での元素合成計算への利用のために、JENDLでもマックスウェル平均断面積(MACS)が整備されてきた。s過程で古くから利用されてきたMACSデータ(KADoNiSなど)に比べて、原子力利用に向けて開発された評価済核データライブラリの信頼性は高いが、評価済核データ間にはまだ大きな差異が見られるケースが存在する。この差異の原因の一つに、共鳴領域より高いエネルギーでの断面積と共鳴断面積との接続に対する不確かさがある。この不確かさにより特に、MACSにおいて100keVより高い温度領域では差異が目立つ場合が多くある。また、軽核においては、断面積が小さいため、共鳴断面積に加えて、直接捕獲による断面積の寄与が影響してくる場合があり、この寄与の入れ方に不確かさがあるため、断面積の差異が大きくなる一因となっている。本講演では、評価済核データや従来のKADoNiSなどによるMACSデータとの比較を示すことで、現状を概観する。

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