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熱年代法を用いた断層運動と山地形成の関係に関する研究

Thermochronological studies on the relationship between fault movements and mountain building

末岡 茂   

Sueoka, Shigeru

本稿では、著者らのグループが進めてきた、日本列島の山地における熱年代研究の概要と最前線を紹介する。日本列島は、太平洋プレートとフィリピン海プレートの沈み込み帯に形成された島弧群で、主に鮮新世後期$$sim$$第四紀の東西圧縮応力によって、山地が隆起してきたと考えられている。プレートの定常沈み込みによる変形を直接被る前弧域を除くと、日本列島の山地の多くは活断層で形成された断層地塊山地とみなされてきた。しかし、近年の熱年代法による検討に基づくと、火山弧のような地温が高い地域を中心に、地形的に明瞭な長大活断層を伴わず、山地全体がドーム状に盛り上がるように隆起している山地が存在することが明らかになってきた。すなわち、断層でポップアップ隆起している山地では、山頂側から山麓側(断層側)に向かって年代が減少する(削剥速度が増加する)のに対し、いくつかの山地では山麓側から山頂側に向かって年代の減少がみられる。具体的には、奥羽山脈南部、関東山地、飯豊山地、飛騨山脈などが、このようなドーム状の隆起をしている可能性がある。このような特異な隆起パターンが生じる原因としては、火成活動に伴う熱や流体による作用で地殻強度が弱化することで、広域応力に起因する変形が地温の高い地域に局在化していることが考えられる。この時、脆性地殻中の変形は、明瞭な地表地震断層を伴わない、一回り小さな断層活動(地震活動)で解消されている可能性がある。このような作業仮説を検証するため、著者らは、熱年代法を中心として、地質温度圧力計、地形解析、地下構造探査、小断層の方位解析(応力解析)などを用いた複合的なアプローチを展開中である。

no abstracts in English

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