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JRR-3の新たな価値を求めて; 物質科学研究センター長就任のご挨拶

Role for JRR-3

元川 竜平   

Motokawa, Ryuhei

JRR-3は1990年の改造以降、物質・材料科学から生命科学、原子力材料、RI・半導体製造に至るまで幅広い分野を支えてきた研究炉である。2011年の東日本大震災で長期停止したが、関係者の尽力により2021年に再稼働し、その後は安定運転と利用の回復が続いている。しかし、再稼働は目的ではなく、現在の学術・社会の要請に応える新たな役割を果たすことこそが重要である。中性子科学を取り巻く環境はこの十数年で大きく変化し、J-PARCMLFの本格稼働やNanoTerasu、電子顕微鏡・データ科学の発展により、研究者は中性子源を使い分ける時代に入った。この中でJRR-3は研究炉としての強みを再定義する必要がある。装置利用には偏りが生じ、小角散乱やイメージングは逼迫する一方、パルス中性子源が優位な分野では利用が減少している。現実を踏まえ、重点分野に資源を集中する方針が求められている。具体的には、新SANS装置の建設やスピンエコー装置の高度化が進行中であり、これらは材料設計への貢献を通じて学術と産業の双方から国際競争力を高める改革である。また、京都大学研究用原子炉の停止や新試験研究炉計画など、国内の研究炉環境の変化もJRR-3の役割を一層重要なものにしている。JRR-3は過去の姿を再現するための炉ではなく、日本の中性子科学基盤を将来にわたり支えるために改革を進め続ける研究炉である。その将来像を関係者とともに考え、具体化していくことが期待されている。

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