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Diffuse neutron scattering from AgBr; Application to Rietveld refinements

AgBrの散漫散乱; リートベルト解析への応用

佐久間 隆昭*; 中村 好夫*; 広田 雅樹*; 村上 明宏*; 石井 慶信

Sakuma, Takaaki*; Nakamura, Y.*; Hirota, M.*; Murakami, A.*; Ishii, Yoshinobu

AgBrは超イオン伝導体であり、熱振動振幅が非常に大きい物質である。この物質の回折パターンをリートベルト解析を行う場合には、原子の熱振動に由来する散漫散乱を考慮してリファイメントする必要がある。本論文は、この散漫散乱を理論的に考察し、散漫散乱を回折パターンの記述に必要な一つの関数であるバックグラウンド関数に繰り込んで、実験値と比較、検討した結果を報告したものである。実験はJRR-3Mに設置されたTAS-2中性子散乱装置を用いて行った。測定温度は、散漫散乱が無視できる温度、7Kと散漫散乱が優位に現れる290Kの二つの温度である。散漫散乱を積極的に取り入れて、測定データをリートベルト解析をした結果、測定データを精密にリファイメントでき、この手法により、結晶構造を記述する各種係数を正確に決定できることがわかった。超イオン伝導体など原子振動の大きい物質について、回折測定結果をリートベルト解析するには、散漫散乱を十分考慮して解析する必要がある。以上、中性子散乱実験結果の解析手段の向上及び超イオン伝導体に関する新たな知見を得たので報告する。

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分野:Chemistry, Physical

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