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松田 修; 伊藤 政幸; 鈴木 伸武; 岡本 次郎; 団野 晧文; 田畑 米穂*
JAERI-M 5071, 19 Pages, 1972/12
これまでに、放射線重合法によるテトラフルオルエチレン・プロピレンエラストマーの合成プロセスの確立のために、塊状、溶液重合など均一反応系について検討し、その反応反応機構を明らかにしてきたが、溶媒などへの連鎖移動のために分子量6万以上のポリマーを得ることができなかった。そこで、本報では含フッ素乳化剤を使用して振盪撹拌方式による乳化重合の検討に着手し、その結果、分子量5~9.5万の高分子量のポリマーを室温、約30atmという穏かな反応条件で合成することに成功した。この重合反応の特徴は重合速度の線量率依存性が大きいのに対し、分子量が線量率に依存しないことである。重合のメカニズムとして、停止機構が1分子停止的な要素が強く、乳化重合のSmith-Ewart理論に従わない特異な系であることが明らかにされた。その結果、合成プロセスの確立に非常に有益な知見が得られる。