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論文

Spin-lattice instability to a fractional magnetization state in the spinel HgCr$$_{2}$$O$$_{4}$$

松田 雅昌; 植田 浩明*; 吉川 明子*; 田中 良和*; 勝又 紘一*; 鳴海 康雄*; 稲見 俊哉; 上田 寛*; Lee, S.-H.*

Nature Physics, 3(6), p.397 - 400, 2007/06

 被引用回数:104 パーセンタイル:93.28(Physics, Multidisciplinary)

フラストレート反強磁性体は、磁性と構造の自由度が相互に深くかかわり合い、興味ある現象を示すことが大きな特徴である。特にACr$$_{2}$$O$$_{4}$$(A=Hg, Cd)は磁場中の広い領域で磁化1/2のプラトー状態を示すことが磁化の研究から明らかになっている。この現象はスピン格子相互作用に起因していることが理論的研究から示唆されていたが、実験はまだ行われていなかった。われわれは、HgCr$$_{2}$$O$$_{4}$$粉末を用いて磁場中での中性子回折実験とX線回折実験を行った。その結果、プラトー状態ではP4$$_{3}$$32の対称性を持つ磁気構造が安定になるように結晶構造もP4$$_{3}$$32の対称性を持つ構造に転移することを明らかにした。これは、フラストレート反強磁性体における強いスピン-格子相互作用をあらわす重要な結果である。

論文

Neutron diffraction study of $$alpha$$-Gd$$_{2}$$S$$_{3}$$

松田 雅昌; 吉川 明子*; 勝又 紘一*; 戎 修二*; 永田 正一*

Journal of the Physical Society of Japan, 74(5), p.1412 - 1415, 2005/05

 被引用回数:19 パーセンタイル:67.59(Physics, Multidisciplinary)

$$alpha$$-Gd$$_{2}$$S$$_{3}$$は、10K以下で反強磁性秩序を示すことが比熱や帯磁率測定の結果からわかっているが、転移点以下でも大きなエントロピーが残るのが特徴である。これは結晶構造(Gdが正方格子面と三角格子面を有する)に起因した幾何学的フラストレーションによるものと予想される。この物質における磁気相互作用を明らかにするために粉末試料を用い中性子回折実験を行った。その結果、磁気構造は単純な反強磁性構造であり(0Kに外挿したモーメントの大きさはGd$$^{3+}$$のフルモーメントの80%程度)、また転移点以上での大きな磁気揺らぎも観測されなかった。これは、$$alpha$$-Gd$$_{2}$$S$$_{3}$$では磁気フラストレーションがそれほど大きくないことを示唆する。

口頭

Neutron and X-ray diffraction studies of a frustrated spinel antiferromagnet HgCr$$_2$$O$$_4$$ in high magnetic field

松田 雅昌; 植田 浩明*; 吉川 明子*; 田中 良和*; 勝又 紘一*; 鳴海 康雄*; 稲見 俊哉; 上田 寛*; Lee, S.-H.*

no journal, , 

フラストレート反強磁性体は、磁性と構造の自由度が相互に深くかかわり合い、興味ある現象を示すことが大きな特徴である。特にACr$$_2$$O$$_4$$(A=Cd, Hg)は磁場中の広い領域で磁化1/2のプラトー状態を示すことが磁化の研究から明らかになっている。この現象はスピン-格子相互作用に起因していることが理論的研究から示唆されていたが、実験はまだ行われていなかった。われわれは、HgCr$$_2$$O$$_4$$粉末を用いて磁場中での中性子回折実験とX線回折実験を行った。その結果、プラトー状態では$$P4_332$$の対称性を持つ磁気構造が安定になるように結晶構造も$$P4_332$$の対称性を持つ構造に転移することを明らかにした。これは、フラストレート反強磁性体における強いスピン-格子相互作用をあらわす重要な結果である。

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