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杉本 雅樹; 森田 洋右; 田中 茂; 瀬口 忠男; 伊藤 正義*; 岡村 清人*
IAEA-SM-365/7, p.35 - 40, 2003/09
放射線を用いたSiC繊維強化SiC複合材料の合成方法に関する研究を行った。SiC繊維へSiC微粉末を混合したケイ素高分子を含浸し放射線で不融化して焼成する方法により、1回の含浸-焼成の工程でセラミック複合材の合成が可能となった。また、セラミック基材に適した新規なケイ素系高分子を用いることで、セラミック複合材の破壊挙動を改善できた。
八巻 徹也; 浅野 雅春; 前川 康成; 森田 洋右; 諏訪 武; Chen, J.*; 坪川 紀夫*; 小林 和博*; 久保田 仁*; 吉田 勝
Radiation Physics and Chemistry, 67(3-4), p.403 - 407, 2003/08
被引用回数:76 パーセンタイル:97.02(Chemistry, Physical)固体高分子型燃料電池用電解質膜に応用するため、線架橋(340,60~240kGy)して得られたポリテトラフルオロエチレン膜にスチレンを線グラフト、次いでスルホン化によって導電性基を導入した。スチレンのグラフト率は、グラフト重合に必要な線量,温度,時間を変化させることにより、5~120%の範囲で制御できた。このグラフトスチレン鎖にスルホン基を導入し、イオン交換容量を測定したところ、0.5~3.3meq/gの値を得た。スルホン基を含むグラフトスチレン鎖の膜内における分布状態を調べるため、イオウ元素をX線分析した結果、膜の内部にまで均一に分布していることが確かめられた。これらの結果を学会で発表し、論文投稿する予定である。
八巻 徹也; 浅野 雅春; 森田 洋右*; 諏訪 武*; 吉田 勝
Proceedings of 9th International Conference on Radiation Curing (RadTech Asia '03) (CD-ROM), 4 Pages, 2003/00
放射線架橋ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)膜にスチレンを放射線グラフト重合した後、スルホン化することによってイオン交換膜を合成した。スチレンのグラフト率は、PTFE基材の架橋密度とグラフト反応条件によって制御可能であった。グラフト率30%以上では、スルホン酸基が内部にまで均一に分布したイオン交換膜を合成することができた。得られた膜のイオン交換容量は、ナフィオンのような市販パーフルオロスルホン酸膜の性能を大きく上回る2.9meq gという高い値であった。このことは、われわれのイオン交換膜が燃料電池膜として応用可能であることを示している。
諏訪 武; 森田 洋右
放射線と産業, (93), p.22 - 28, 2002/03
現在固体高分子型燃料電池(PEFC)に使用されているナフィオン等パーフルオロスルホン酸(PFS)膜の現状、さらに高性能で低コスト化を目指した高分子電解値膜(イオン交換膜)の開発状況,特に放射線グラフト法による膜に焦点をあてて紹介する。最後に、われわれの進めている架橋PTFEを基材に放射線グラフト法で作製したイオン交換膜の特徴を紹介する。イオン交換容量は0.5~3meq/g,含水率は20~150wt%,25における導電率は50~200mS/cmである。また、アルコール類に対する膨潤性は、ナフィオン膜に比較して小さく非常に安定である。
出崎 亮; 成澤 雅紀*; 岡村 清人*; 杉本 雅樹; 田中 茂; 森田 洋右; 瀬口 忠男; 伊藤 正義*
Journal of Materials Science, 36(23), p.5565 - 5569, 2001/12
被引用回数:39 パーセンタイル:77.85(Materials Science, Multidisciplinary)ポリカルボシラン(PCS)とポリビニルシラン(PVS)のポリマーブレンドから、繊維径が市販品の約1/2の非常に細い炭化ケイ素(SiC)繊維を合成した。この細いSiC繊維は、ポリマーブレンドの組成、及び紡糸温度を最適化することによって得られる。これらの条件を最適化するため、ポリマーブレンドの温度と溶融粘度の関係を調べた。その結果、最適な紡糸温度範囲は溶融粘度が5-10Pa・sとなる温度範囲であることを明らかにした。さらに、PVSをPCSにブレンドすることにより、PCSのみの場合よりも低い温度で溶融紡糸が可能になり、また、ポリマー系の紡糸性が改善されてより細いポリマー繊維を得ることができた。PVSの最適なブレンド量は15-20wt%であった。
大島 明博; 宇田川 昂; 森田 洋右
Radiation Physics and Chemistry, 60(4-5), p.467 - 471, 2001/03
被引用回数:12 パーセンタイル:64.73(Chemistry, Physical)連続した炭素繊維の織布を強化繊維として複合化したポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を高温(335)酸素不在下(アルゴンガス中)で電子線照射を行い、架橋させた。得られた繊維強化架橋PTFE複合材料の積層体は、従来の短繊維充填PTFE材(充填材5~20wt%)に比べ、曲げ強度などの機械特性は大幅に改善され、しかも摩擦摩耗特性については、PTFE樹脂単体の場合に比べ数千倍、架橋PTFE樹脂及び未架橋の短繊維充填材に比べ5倍改善された材料特性を示した。
出崎 亮*; 成澤 雅紀*; 岡村 清人*; 杉本 雅樹; 森田 洋右; 瀬口 忠男; 伊藤 正義*
Journal of Materials Science, 36(2), p.357 - 362, 2001/01
被引用回数:15 パーセンタイル:53.54(Materials Science, Multidisciplinary)ポリカルボシランとポリビニルシランをブレンドしたポリマーから真空中での電子線不融化を用いて炭化ケイ素(SiC)繊維を合成した。得られたSiC繊維は、平均繊維径が8.5mと非常に細く、また、アルゴンガス中1673Kで熱処理後に3.2GPaの高い引張り強度を示した。しかしながら、このSiC繊維は、1773K以上の温度で熱処理すると、繊維中に取り込まれた酸素に起因する、繊維表面での-SiCの粒成長が起こり、引張り強度が低下した。
大島 明博; 宇田川 昂; 森田 洋右
Radiation Physics and Chemistry, 60(1-2), p.95 - 100, 2001/01
被引用回数:8 パーセンタイル:52.36(Chemistry, Physical)本報告は、放射線プロセスによる炭素繊維強化ポリテトラフルオロエチレンの開発について述べたものである。連続した炭素繊維を強化繊維とし、ポリテトラフルオロエチレンが均一に分散した系で含浸させた後、350で焼成した一方向のプリフォームを準備した。用意したプリフォームをArガス中で高温電子線照射を行うことで、マトリクスを架橋させて、複合材料を得た。得られた材料の諸特性を評価した結果、曲げ強度370MPa、曲げ弾性率64GPa、耐放射線性12MGyの良好な値を示した。したがって、放射線環境下で使用可能な、フッ素系複合材料を開発できた。
出崎 亮; 杉本 雅樹; 田中 茂; 森田 洋右; 成澤 雅紀*; 岡村 清人*; 伊藤 正義*
High Temperature Ceramic Matrix Composites, p.35 - 40, 2001/00
セラミック複合材料の代表的な強化繊維であるSiC繊維は、ポリカルボシラン(PCS)を出発物質として、溶融紡糸,不融化,焼成の過程を経て合成される。その繊維径は10-15mである。強化繊維は、通常2次元,3次元の織物に製織されるが、10 m以上の繊維径、高弾性率を有するSiC繊維では、3次元的な複雑形状の織物を作製することが困難である。より複雑な形状の織物を作製するためには、より細く、しなやかなSiC繊維を開発する必要がある。そこで本研究では、出発物質の紡糸性を改善するため、PCSにポリビニルシラン(PVS)を紡糸助剤としてブレンドした。PVSをブレンドすることにより、PCSのみの場合(約600K)よりも低い、約490Kでの溶融紡糸が可能になり、さらに出発物質の紡糸性を改善することができることを明らかにした。PVSのブレンド量は20wt%が最適で、この時最も細い、平均8mのポリマー繊維が得られた。その後、電子線不融化,焼成の処理を行い、このPCS-PVSポリマーブレンド繊維から平均繊維径6mのSiC繊維が得ることができた。
小原 建治郎; 多田 栄介; 小泉 興一; 八木 敏明; 森田 洋右
Proceedings of Radiation Effects on Components and Systems (RADECS 2000), p.214 - 218, 2000/09
ITERの炉内遠隔保守装置(RH)は、約10kGy/hの線環境下で長時間使用される。したがって、RHの健全性を管理するうえで、RHの積算線量をモニタすることはきわめて重要である。しかしながら既存の線量計の測定限界は1MGy程度でありRHの線量計には適さない。開発を進めている着色アルマイト線量計(以下線量計)は、酸化アルミニウム皮膜中に浸透させた染料が、線の照射料に比例して退色することを利用したもので、退色はマンセルの色立体を基準とする色相/彩度,明度の変化をして分光式色素計にて測定される。線量率10kGy/hでの積算線量10MGyまでの試験の結果、アゾ染料系の赤色線量計は、青,緑色線量計に比べ線に対する感度、再現性に優れ、照射後の表面損傷、腐食も認められず、高線照射下での線量計として使用可能であることが判明した。
出崎 亮*; 成澤 雅紀*; 岡村 清人*; 杉本 雅樹; 森田 洋右; 瀬口 忠男; 伊藤 正義*
Proceedings of International Symposium on Prospect for Application of Radiation towards the 21st Century, p.139 - 140, 2000/03
これまでに、ポリカルボシランとポリビニルシランをブレンドしたポリマーから、電子線不融化を用いて、細径SiC繊維が合成されることが明らかになっているが、その際のSiC収率がポリカルボシランから合成されるものよりも低いという問題があった。そこで、このブレンドポリマーに高線量の電子線を照射して不融化すると、SiC収率が増加することが明らかになった。また、電子線照射後、ESR測定・ガス分析を行い、照射時に起こる反応について考察した。
大島 明博; 宇田川 昂; 森田 洋右
Proceedings of International Symposium on Prospect for Application of Radiation towards the 21st Century, p.83 - 84, 2000/00
放射線架橋ポリテトラフルオロエチレン(RX-PTFE)を繊維強化複合材料の母材とする材料を試作し、その特性を評価した。基材繊維には、東レのT-300炭素繊維の平織りの織物を用いた。得られた炭素繊維強化RX-PTFEの三点曲げ強度ならびに弾性率は、それぞれ138MPa,28.4GPaであった。
大島 明博*; 宇田川 昂; 森田 洋右
Conference Proceeding RadTech Asia'99, p.507 - 512, 1999/08
テフロンの商品名で知られるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を繊維強化複合材料のマトリクスとするFRPの開発を行った。連続した炭素繊維を強化繊維として、PTFE分散媒で含浸した。その後、350Cで焼成しプリフォームを作った。プリフォームをHeガス・340Cで電子線照射し、複合材料を得た。得られた試料について曲げ試験を実施した結果、曲げ強度で350MPa、曲げ弾性率で55GPaの材料が得られた。PTFEの放射線架橋反応を利用することで、従来、製造することができなかったフッ素系のFRPが得られることが明らかになった。
伊藤 彰*; 小原 建治郎; 多田 栄介; 森田 洋右; 八木 敏明; 佐藤 大*
JAERI-Tech 99-029, 36 Pages, 1999/03
核融合実験炉(ITER)の炉内遠隔保守装置に使用される電気コネクタには、10KGy/hの線環境下で、積算線量100MGy以上の耐放射線性が要求される。また、遠隔保守装置の保守時には遠隔操作による着脱性も伴わせて要求される。そのため、本コネクタは絶縁材にセラミックスを使用し、プラグにはボールベアリングを取り付け、ロボットによる着脱が容易となるよう配慮した。汎用ロボット及び6軸力センサを組合せた着脱試験の結果、円滑な着脱性が確認できた。また、線による絶縁抵抗劣化の原因は、試料表面洗浄後の絶縁抵抗測定及びEPMA法による表面元素定性分析結果から、(1)セラミックス中不純物の拡散もしくは価数測定、(2)セラミックス表面での炭素の付着のいずれかと推測された。今後、詳細に検討を実施する予定である。
大島 明博*; 宇田川 昂; 森田 洋右
JAERI-Tech 99-012, 15 Pages, 1999/02
高分子複合材料のマトリクスとして評価するため、短繊維を充填したポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の放射線架橋を検討した。PTFEは、330C~350Cで無酸素雰囲気下において放射線照射すると架橋するが、繊維の存在が架橋反応を妨害することはなく、同じ効率で架橋することがわかった。架橋したPTFEは、繊維との界面で接着性はないが、PTFEのモルフォロジーが変化することで、繊維の補強効果が現れることがわかった。
小原 建治郎; 角舘 聡; 岡 潔; 田口 浩*; 伊藤 彰*; 小泉 興一; 柴沼 清; 八木 敏明; 森田 洋右; 金沢 孝夫; et al.
JAERI-Tech 99-003, 312 Pages, 1999/02
【本報告書は、諸般の事情により、全文ファイルの公開を取りやめています。】ITER(国際熱核融合実験炉)の工学R&Dにおいて、日本ホームチームが分担し、進めてきた遠隔保守装置用機器・部品の線照射試験の結果と耐放射線性機器の現状について述べる。試験された機器・部品の総数は約70品目で、その仕様は市販品、市販品を改良・改質した機器、及び新規に開発した機器に分類され、高崎研究所の線照射施設を使用して実施された。その結果、セラミック被覆電線によるACサーボモータ、耐放射線性ペリスコープ、CCDカメラが開発された他、高線照射下で使用可能なITER用遠隔保守装置用機器・部品の開発が着実に進展した。
森田 洋右; 八木 敏明; 池原 潤一郎*
電気学会誘電・絶縁材料研究会資料; DEI-99-12, p.23 - 26, 1999/02
原子炉用電線ケーブル絶縁材の放射線と熱劣化を光音響法で調べた。波長を選択すれば、光音響法で高分子材料の劣化を検出することができた。これを電線ケーブルの劣化診断に応用した。
森田 洋右; 八木 敏明; 池原 潤一郎*
電気学会誘電・絶縁材料研究会資料; DEI-99-13, p.27 - 30, 1999/02
原子炉用電線ケーブル絶縁材の放射線と熱劣化を発生ガス分析及び酸素消費量から解析した。この結果、100C以下の低い温度領域での劣化の活性化エネルギーを精度よく求めることができた。活性化エネルギーは14~20kcal/molであり、従来知られていたものより低い値を示した。
森田 洋右; 小原 建治郎
電気学会誘電・絶縁材料研究会資料; DEI-99-18, p.55 - 58, 1999/02
ITER遠隔装置用イメージファイバの耐放射線化を図るため、水素気流中でイメージファイバの照射試験を行った。水素気流中照射によりイメージファイバの耐放射線性は顕著に向上し、通常のファイバの10,000倍以上の耐放射線性の向上が見られた。照射ファイバの波長特性を調べた。
G.Wu*; 勝村 庸介*; 工藤 久明; 森田 洋右; 瀬口 忠男
J. Polym. Sci., Part A, 37(10), p.1541 - 1548, 1999/00
高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンを、真空中において、室温~220C、室温~360Cの間で線照射し、架橋とガス発生の温度依存性を調べた。300Cまでは、架橋が優先し、ゲル化線量は高温になるにつれて低下した。架橋の確率の増加は、2重結合へのラジカルの付加が促進するためと考えられた。300Cを越えると、同一線量でゲル分率を比較すると、温度とともにゲル分率は低下し、360Cではゼロになった。分子量分布測定の結果、切断が促進されていることが示された。ガス発生の主成分は水素で、水素発生のG値は温度とともに大きくなり、発生量は線量に対して飽和する傾向にあった。C~C炭化水素の組成は、側鎖の構造に依存し、高温にすると不飽和炭化水素の生成が増大した。