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伊藤 主税; 野瀬 正一; 原野 英樹; 有馬 聡宏*
JNC TN9400 2004-007, 44 Pages, 2004/01
燃料破損時のプラント運転における安全性と信頼性のさらなる向上を目的として、レーザ共鳴イオン化質量分析法(RIMS)を用いた高速炉用破損燃料位置検出システムの開発を進めている。これまでに、天然組成の極微量のXeおよびKrガスを含むArガスを用いてシステムの性能を評価し、定量下限がXe原子1核種あたり2.2ppt,Krについては100pptと超高感度を有することを確認した。本研究では、照射技術への応用として、高速炉燃料被覆管材料の炉内クリープ強度特性を評価するための炉内照射クリープ試験に本システムを用い、その適用性を評価した。炉内照射クリープ試験は、「常陽」MK-II炉心第29サイクルから第32サイクルにおいて、照射試料毎に同位体組成比を変えたXe、Krの混合ガス(タグガス)を封入した照射試料を温度制御型材料照射装置(MARICO)にて炉内照射し、破断に至るまでの時間を測定した。照射試料の破断により放出したタグガスは炉内カバーガス空間に移行し、Krの核種濃度で3150ppbに希釈される。試料破断後、カバーガスをサンプリングして破断により放出されたタグガスをRIMS装置にて分析した。照射試料に封入したタグガス組成を基に、カバーガス中に放出されたタグガスの同位体組成を計算し、分析結果と比較して、放出されたタグガスの種類を推定した。その結果、試料破断により放出されたタグガスを1種類に絞り込むことができ、内圧を変化させて設定した試料ごとの目標破断時間と組み合わせることにより、破断試料を1つに絞り込むことができた。この結果は、試料破断時に試料から放出される気泡の通過に伴う熱電対の温度信号の揺らぎを検出する方法による同定結果と一致し、また、温度信号の揺らぎが検出できなかったケースについても、RIMSにより破断した試料の種類を同定できた。これらより、RIMS装置を用いてカバーガス中に含まれる極微量のタグガスを分析することにより、炉内照射クリープ試験における破断試料の同定手段に適用できる見通しを得た。
原野 英樹; 伊藤 主税; 有馬 聡宏*; 山口 勝行*
JNC TN9400 2003-009, 25 Pages, 2003/03
高速炉プラントのアルゴンカバーガス分析において、大気圧イオン化質量分析法によりアルゴン中のクリプトンを分析する際に問題となる同重体干渉を抑制することを目的として、衝突励起解離のクラスター分解効果について調べた。 クラスターイオンは、比較的圧力の高い領域にて電場により加速され、中性粒子との多重衝突を通して分解される。本研究では、加速電圧を変えることにより、この過程を制御した。加速電圧を増加させることで同重体干渉の原因であるアルゴンのニ量体イオンの影響を1/60,000程度まで低減できることを確認した。また、衝突励起解離法が単量体イオンの検出感度向上にも寄与することを見出し、本法適用により同重体干渉を受けないクリプトン核種についてサブpptレベルの定量分析が可能になることを示した。
原野 英樹; 伊藤 主税; 有馬 聡宏*; 山口 勝行*
JNC TN9400 2002-003, 54 Pages, 2002/03
燃料破損を迅速に検知し (FFD:Fuel Failure Detection)、破損燃料集合体を正確に同定すること(FFDL:Failed Fuel Detection and Location)は、高速炉プラントの安全性や信頼性、さらには稼働率の向上の観点から極めて重要である。このFFDLの高度化策として、カバーガス中に含まれる極微量Kr、Xeの検出にレーザ共鳴イオン化質量分析法(RIMS:resonance Ionization Mass Spectrometry)を適用する方法が提案され、東大院工原施のRIMS装置を用いて実施した基礎検討により、運転中の実時間モニタリングの可能性を示唆する数々の優れた特性が報告されている。このような状況を踏まえて、本方式をベースとしたレーザ法FFDLシステムを開発し、高速実験炉「常陽」への導入について検討を進めている。「常陽」に本システムを導入することで、安定同位体を含め高感度でカバーガス中のFPガスやタグガスを同位体分析することが可能となる。これにより、例えば照射試験として実施している被覆管材料の破断試験においてオンパワーで破断資料が特定でき、あるいは、破損燃料集合体の同定においてFP核種の同位体組成比から燃焼度を推定することにより破損燃料の絞込みが可能となる等、照射技術の高度化や破損燃料同定までの大幅な時間短縮が期待できる。本報告では、「常陽」用レーザ法FFDLシステムの基本設計結果及び実機への適用性評価を含む性能評価試験について報告する。
伊藤 和寛; 佐井川 拓也*; 枡井 智彦*; 有馬 聡宏*
JNC TN9410 2001-014, 26 Pages, 2001/03
高速実験炉「常陽」は、昭和57年に、照射用炉心(MK-II炉心)として初臨界を迎えて以来35サイクルの定格出力運転と特殊試験のための短期間運転を行ってきた。「常陽」は、これまでに燃料破損は一度もなく、これに伴う1次冷却系統への汚染はないが、定常時のバックグランドを確認するため、1次系統中に不純物として存在するFPの濃度を測定してきた。MK-II炉心の運転終了を期に、燃料破損検知技術の向上や今後予定されているRTCB(Run to Cladding Breach)試験のため、これらFP濃度データについて、データ集としてまとめた。1次カバーガス中のFP濃度は、各サイクルにおいて、合計324回ガスサンプリングし、定量を行った。さらに、平成3年9月の第23'''サイクル以降は、オンラインによるカバーガス中FP濃度の測定も併せて実施した。また、1次ナトリウム中の137Cs濃度は、平成6年3月以降合計10回ナトリウムサンプリングして定量を行った。このうち、平成7年3月27日から4月15日には、セシウムトラップを運転し、その前後で1次ナトリウム中の137Csの定量を行った。その他、平成6年8月に開始した第29サイクルから平成10年2月に終了した第32サイクルまで、タグガス放出実験を実施した。この間、オンラインで、1次カバーガス中に放出されたタグガスの放射化物を測定した。これらのデータは、ユーザが利用しやすいようにCD-ROMに収録した。
伊藤 主税; 服部 和裕; 青山 卓史; 有馬 聡宏*
no journal, ,
レーザ共鳴イオン化質量分析法(RIMS)を用いて、燃料破損時に高速炉のカバーガス中へ放出される核分裂生成物(FP)ガスの同位体比を分析し、放射性核種と安定核種の比から破損燃料の燃焼度を推定して被疑破損燃料を絞り込む手法への適用性を検討した。「常陽」で実施した燃料破損模擬試験において、試験燃料から放出されたガスをサンプリングし、RIMSにより、1010pptレベルの極微量のキセノン(Xe)FPガスを濃縮することなく、高分解能(M/M=600)かつ測定誤差412%の精度で、放射性のXeと安定Xeの同位体比が分析できた。燃焼計算コードORIGEN2を用いてFP生成量を計算し、Xeに対する安定Xeの同位体比を求め、RIMSによる分析値と比較した結果、Xe, Xe, Xeの計算値と測定値の差は3割程度であり、これらの同位体を安定核種の指標に用いることにより、被疑破損燃料の燃焼度が推定できることを示した。
有馬 聡宏*; 伊藤 主税; 青山 卓史; 諸橋 裕子; 宇佐美 晋; 原野 英樹*
no journal, ,
レーザ共鳴イオン化質量分析(RIMS)法による高速炉カバーガス分析法について、「もんじゅ」のFFDLで要求される濃度7pptのKr検出感度を向上させるため、非共鳴イオンAr, Arの妨害を抑制する改良を行った。ここでは、Arに由来する妨害イオンを低減するため、ブリュースター角のレーザ光出射窓の採用,レンズ等への塵の付着防止による散乱光の低減を図った。改良した装置で定量下限を評価した結果、Xeは2ppt、KrはKrを除いて5pptであった。また、「常陽」のカバーガス中に含まれるバックグラウンドレベルのXe, Krの濃度を定量した結果、Xeについては、予測どおり元素濃度約310pptで、天然組成の同位体比が得られた。一方、Krについては、元素濃度約210pptが得られたが、Krの信号近傍にArの信号が干渉する影響が見られたため、今後、妨害となるArの影響をさらに低減させてKr同位体比の分析精度を改善させる予定である。
青山 卓史*; 伊藤 主税; 有馬 聡宏*
no journal, ,
もんじゅのFFDLであるタギング法は、破損燃料からカバーガスに放出され、数pptの濃度に希釈されたタグガス(Xe, Kr)を質量分析計の前段階で濃縮する。本研究では、検出感度の高いRIMSを用いることによる時間短縮を目指して、もんじゅ用FFDL条件におけるRIMSのKrタグガス分析誤差を評価した。その結果、タグガスの燃焼やFPの生成,タグガスの製造誤差及びカバーガス中のバックグラウンドの変動による影響を考慮しても、RIMSの分析誤差(信頼度68%)でタグガスを識別可能であることを示し、RIMSがもんじゅのFFDLに適用できることを確認した。