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論文

Production of nano-sized platinum-particle films using low energy electron beams

箱田 照幸; 山本 春也; 有谷 博文*; 吉川 正人

JAEA-Review 2013-059, JAEA Takasaki Annual Report 2012, P. 127, 2014/03

放射線還元法は水中の貴金属イオンを還元析出させて微粒子を作製できる方法である。われわれは、これまでに試みられたことのなかった低エネルギー電子線を用いて、エタノールを含む水中の貴金属イオンの放射線還元を試行したところ、その水溶液表面に貴金属微粒子からなる薄膜が形成されることを初めて見いだした。本研究では、この薄膜の原子組成,生成量,化学組成をラザフォード後方散乱法で、その構造を電子顕微鏡により調べ、薄膜の形成条件、原子組成や構造の解明を目指した。1mmol/Lの塩化白金酸イオンとOHラジカル捕捉剤である0.5-20v%のエタノールを含む水溶液に、電子の水中飛程が20$$mu$$mの低エネルギー電子線を2kGy照射して得た薄膜を調べた結果、薄膜形成には低濃度エタノールが不可欠であった。また、得られた薄膜が2-5nmの金属Pt粒子が互いに接合して連なった網目状構造物であることが初めてわかった。このことから、低エネルギー電子線による放射線還元法が、蒸着法でしか形成できなかった薄膜状貴金属の新規作製法となる可能性があることがわかった。

論文

Gasochromic property of dehydrogenation-catalyst loaded tungsten trioxide

箱田 照幸; 五十嵐 英寿*; 五十住 幸大*; 山本 春也; 有谷 博文*; 吉川 正人

Journal of Physics and Chemistry of Solids, 74(2), p.200 - 204, 2013/02

 被引用回数:3 パーセンタイル:16.8(Chemistry, Multidisciplinary)

水素の輸送・貯蔵媒体として期待されているシクロヘキサン等の有機ハイドライドに接触すると着色する光学検知材料として、脱水素触媒を担持した三酸化タングステン(WO$$_{3}$$)粉体の開発を進めてきた。光学検知材料の着色性能を決定する脱水素触媒とその担持量を得るため、脱水素触媒として白金(Pt),パラジウム、及びロジウムを、WO$$_{3}$$粉体に重量比で0.1, 0.5, 1.0wt%担持させた試料を作製し、5v%のシクロヘキサンに対する脱水素反応生成物の量や着色開始温度を比較した。その結果、Ptを担持させたWO$$_{3}$$粉体が、最も低い温度で脱水素反応が起こり着色した。また0.5wt%のPt担持量のときに最大の着色変化率が得られたことから、0.5wt%のPt担持量が適切であることを見いだした。この紛体を130$$^{circ}$$Cに加熱すると、爆発限界値以下(1.3v%)のシクロヘキサンに対しても十分な着色変化を示すことから、光学検知材料として十分な性能を有することがわかった。

論文

低エネルギー電子線を用いた白金ナノ粒子の生成と触媒反応への応用

五十住 幸大; 箱田 照幸; 山本 春也; 有谷 博文*; 吉川 正人

Radioisotopes, 61(6), p.289 - 296, 2012/06

触媒能を有する貴金属ナノ粒子の作製方法として、貴金属イオン水溶液の表面に高密度電子層を誘発する低エネルギー電子線を用いた放射線還元法の有効性を調べた。高線量率照射が実現できる55keVの電子線を用いて、酸化種の補足剤であるエタノールを含む0.5mMの白金(Pt)イオン水溶液10mLを照射し、Ptイオンの還元、Pt粒子の生成、得られた粒子の触媒能を調べた。その結果、電子線照射により水溶液表層でしか還元反応が進行しないにもかかわらず、水溶液全体でPtイオンの還元反応が進行し、一次粒子として2から5nmの白金ナノ粒子が生成することがわかった。このPtナノ粒子を三酸化タングステン粉体に担持させて1%水素に接触させると、青く変色してガスクロミック性能を示した。このことから、得られたPtナノ粒子には、水素を解離する触媒能があることが確かめられ、低エネルギー電子線によりPtイオン水溶液の表層に形成された高密度電子層を利用した放射線還元法が、水素解離能を有する5nm未満の白金ナノ粒子を再現性よく作製する技術として有効であることがわかった。

口頭

有機ハイドライドの脱水素触媒反応に関する研究

五十住 幸大; 鈴木 竜太*; 箱田 照幸; 吉川 正人; 有谷 博文*

no journal, , 

有機ハイドライドは水素を安全に運搬・貯蔵する物質として着目されているが、可燃性を有することから漏えいした有機ハイドライドの発火防止のための光学式センサー開発が求められている。現在、ガスクロミック材料であるWO$$_{3}$$薄膜に脱水素金属触媒を分散・固定(担持)したセンサー材料が試作されているが、WO$$_{3}$$基材は水素を吸蔵するため脱水素金属触媒上の脱水素反応メカニズムが必ずしも明らかとなっていなかった。そこで本研究では、ガスクロミック作用を有しないアルミナ,シリカ等の基材とWO$$_{3}$$基材に数種の脱水素金属触媒を担持して試料を作製し、シクロヘキサンに対する脱水素能の比較から脱水素反応メカニズムを調べた。その結果、Pt微粒子が最も低温で脱水素反応を引き起こす触媒金属であり、この脱水素反応によりシクロヘキサンからベンゼンと水素だけが生成することを明らかにした。またWO$$_{3}$$基材上のPt微粒子は125$$^{circ}$$C以上で熱凝集して表面積が減少し脱水素反応速度が減少することを見いだした。

口頭

低エネルギー電子線を用いた白金ナノ粒子の生成

五十住 幸大; 箱田 照幸; 山本 春也; 有谷 博文*; 吉川 正人

no journal, , 

触媒能を有する微細な貴金属粒子の作製方法の一つとしての低エネルギー電子線を用いる放射線還元法の有効性を求めるため、本研究では高線量率照射が実現できる低エネルギー電子線加速器を用いて、酸化種の補足剤であるエタノールを含む5mMの白金(Pt)イオン水溶液10mLを照射し、白金イオンの還元,粒子の生成,この粒子の触媒能について調べた。その結果、全線量でエタノール濃度が10vol%で白金微粒子の析出量が最も多くなった。それらの白金粒子は粒径サイズが2-5nmであり、一部は凝集して粗大化していることがわかった。この白金微粒子を三酸化タングステン(WO$$_{3}$$)粉体に担持させた試料に、1%水素を接触させると、青く変色してガスクロミック性能を示した。このことから、得られた白金微粒子には、水素解離能を有する触媒能があることが確かめられ、放射線還元法が触媒金属の微粒子形成技術として有効であることがわかった。

口頭

数十keV電子線を用いた白金ナノ粒子の生成及び触媒反応への応用

箱田 照幸; 五十住 幸大*; 山本 春也; 有谷 博文*; 吉川 正人

no journal, , 

触媒能を有する貴金属ナノ粒子の作製方法として、貴金属イオン水溶液の表面に高密度電子層を形成できる照射効果を持つ低エネルギー電子線を用いる放射線還元法の有効性を調べた。高線量率照射が実現できる数十keVの電子線を用いて、OHラジカルの捕捉剤であるエタノールを含む0.5mmol/Lの白金(Pt)イオン水溶液10mLを照射し、Ptイオンの還元、Pt粒子の生成を行うとともに、得られた粒子の触媒能を調べた。その結果、水溶液全体でPtイオンの還元反応が進行し、一次粒子として2から5nmの白金ナノ粒子が生成することがわかった。また、このPtナノ粒子には水素解離能及び酸素還元能があることを確認したことから、数十keVの電子線を用いた放射線還元法が、触媒作用を有する5nm未満の白金ナノ粒子を再現性よく作製する技術として有効であることがわかった。

口頭

低エネルギー電子線を用いた白金ナノ平面構造の生成

箱田 照幸; 山本 春也; 下山 巖; 有谷 博文*; 吉川 正人

no journal, , 

放射線還元法は水中の貴金属イオンを還元析出させて微粒子を作製できる方法である。われわれは、これまでに試みられたことのなかった低エネルギー電子線を用いて、エタノールを含む水中の貴金属イオンの放射線還元を試行したところ、その水溶液表面に貴金属微粒子からなる薄膜が形成されることを初めて見いだした。本研究では、この薄膜の原子組成,生成量,化学組成をラザフォード後方散乱法やX線光電子分光法で、その構造を電子顕微鏡等により調べ、薄膜の形成条件、原子組成や構造の解明を目指した。1mmol/Lの塩化白金酸イオンとOHラジカル捕捉剤である0.5-20v%のエタノールを含む水溶液に、電子の水中飛程が10-20$$mu$$mの低エネルギー電子線を2kGy照射して得た薄膜を調べた結果、薄膜形成には低濃度エタノールが不可欠であった。また、得られた薄膜が2-5nmの金属Pt粒子が互いに接合して連なった網目状構造物であることが初めてわかった。このことから、低エネルギー電子線による放射線還元法が、蒸着法でしか形成できなかった薄膜状貴金属の新規作製法となる可能性があることがわかった。

口頭

数十keV電子線を用いた白金ナノ粒子の生成及び触媒反応への応用

箱田 照幸; 山本 春也; 吉川 正人; 五十住 幸大*; 有谷 博文*

no journal, , 

触媒能を有する貴金属ナノ粒子の作製方法として、貴金属イオン水溶液の表面に高密度電子層を形成できる照射効果を持つ低エネルギー電子線を用いる放射線還元法の有効性を調べた。高線量率照射が実現できる数十keVの電子線を用いて、OHラジカルの捕捉剤であるエタノールを含む0.5mmol/Lの白金(Pt)イオン水溶液10mLを照射し、Ptイオンの還元、Pt粒子の生成を行うとともに、得られた粒子の触媒能を調べた。その結果、水溶液全体でPtイオンの還元反応が進行し、一次粒子として2から5nmの白金ナノ粒子が生成することがわかった。また、このPtナノ粒子には水素解離能及び酸素還元能があることを確認したことから、数十keVの電子線を用いた放射線還元法が、触媒作用を有する5nm未満の白金ナノ粒子を再現性よく作製する技術として有効であることがわかった。

口頭

数十keV電子線還元法により作製した白金ナノ粒子膜の触媒性能

箱田 照幸; 山本 春也; 下山 巖; 有谷 博文*; 吉川 正人

no journal, , 

水中に溶存した白金(Pt)イオンに300keV以下の低エネルギー電子線を照射すると、多量の電子が存在する(放射線)還元雰囲気が水溶液表面にのみ形成され、そこにPtナノ粒子が薄膜状に析出する現象を、筆者らは初めて見いだした。この特徴を活かしたPtナノ粒子膜の生成に関する技術指針を得るため、これまでに塩化白金酸イオンとエタノールを含む水溶液に数十keVの低エネルギー電子線を照射した結果、水溶液表面に主成分がPtである浮遊物が再現性よく生成し、薄膜を形成することが分かった。その薄膜は、0.5-1v%のエタノール共存下で生成しやすく、その構造は2-5nmのPt由来粒子が互いに接合して連なった網目状の構造を有することを見いだした。さらに、このPtナノ粒子膜の化学結合状態をX線光電子分光法により調べその触媒性能を定量したところ、生成したPtナノ粒子膜の一部がわずかに酸化されてはいるものの、還元及び酸化触媒として作用することが確認された。これらのことから、数十keVの電子線による還元現象が、貴金属ナノ触媒粒子層の新たな作製技術として使用でき、例えば水素検知材料などの触媒層の新たな作製法として応用できる可能性が拓けた。

口頭

低エネルギー電子線を用いた白金ナノ粒子膜の生成

箱田 照幸; 山本 春也; 下山 巖; 吉川 正人; 有谷 博文*

no journal, , 

放射線還元法は水中の貴金属イオンを還元析出させて微粒子を作製できる方法である。我々は、これまでに試みられたことのなかった低エネルギー電子線を用いて、エタノールを含む水中の貴金属イオンの放射線還元を試行したところ、その水溶液表面に貴金属微粒子からなる薄膜が形成されることを初めて見いだした。本研究では、この薄膜の原子組成,生成量,化学組成をラザフォード後方散乱法で、その構造を電子顕微鏡により調べ、薄膜の形成条件,原子組成や構造の解明を目指した。1mmol/Lの塩化白金酸イオンとOHラジカル捕捉剤である0.5-20v%のエタノールを含む水溶液に、電子の水中飛程が20$$mu$$mの低エネルギー電子線を2kGy照射して得た薄膜を調べた結果、薄膜形成には低濃度エタノールが不可欠であった。また、得られた薄膜が2-5nmの金属Pt粒子が互いに接合して連なった網目状構造物であることが初めてわかった。このことから、低エネルギー電子線による放射線還元法が、蒸着法でしか形成できなかった薄膜状貴金属の新規作製法となる可能性があることがわかった。

口頭

数十keV電子線還元法を用いた多孔質基板表面への白金粒子生成

箱田 照幸; 山本 春也; 有谷 博文*; 吉川 正人

no journal, , 

水溶液中で貴金属ナノ粒子を生成する方法である放射線還元法において、多孔質基板表面への適用技術の開発を目指し、数十keVの低エネルギー電子線を用いて多孔質基板の極表層への貴金族触媒粒子の生成・固定を試みた。その結果、塩化白金酸水溶液を含浸したアルミナ多孔質基板表面に数十keVの電子線を照射することにより、アルミナ基板の極表層に白金粒子を生成・固定できることを確認した。また、X線光電子分光分析結果からこの白金粒子の約70w%は金属状の白金成分であり、一酸化炭素を二酸化炭素に酸化できる触媒性能を有することが分かった。これらの結果から、低エネルギー電子線を用いた放射線還元法が新たな触媒作製技術になりうる可能性を示すことができた。

口頭

電子線還元法による白金ナノ粒子膜の作製および触媒性能

菅原 利史*; 有谷 博文*; 箱田 照幸; 吉川 正人

no journal, , 

300keV以下の低エネルギー電子線は水中での電子の飛程小さく、その領域内に高線量率でエネルギーを付与できる。この特徴を放射線還元法で活かすことにより水溶液表面に貴金属ナノ粒子膜を生成できる可能性がある。そこで、本研究では、塩化白金酸(IV)イオンと還元促進剤であるエタノールを含む水溶液に、加速エネルギーが数十keVの低エネルギー電子線を照射して、白金ナノ粒子膜の生成を試みるとともに、生成した膜の構造や化学組成や触媒性能の有無を調べた。その結果、エタノール濃度が0.5%程度の低い場合では、電子線照射により水容器表面に平均粒径が2-5nmの粒子が互いに接合した構造の膜が生成した。エタノール濃度の増加に伴い、白金粒子が凝集・粗大化すると同時に水溶液中に分散し、貴金属ナノ粒子膜の生成が抑制された。水溶液表面に生成した白金ナノ粒子膜の燃料電池触媒性能を調べた結果、酸素還元能を有していることを確認し、数十keVの電子線還元法を用いた触媒層の新たな作製法としての可能性を見出した。

口頭

前駆体高分子材料を用いた白金代替燃料電池用触媒の開発

吉澤 怜奈*; 菅原 利史*; 有谷 博文*; 島田 明彦; 出崎 亮; 箱田 照幸; 杉本 雅樹; 吉川 正人

no journal, , 

固体高分子型燃料電池の白金代替カソード触媒の候補の一つに、高分子を高温で焼成することにより得られる炭素骨格を有する材料(炭素触媒)がある。本研究ではこの炭素触媒を作製する際に、前駆体高分子に金属元素含有物質を添加することによって、得られる炭素触媒の酸素還元活性への影響を調べた。具体的には、カルボキシメチルセルロース(CMC)に金属(Co又はFe又はCu)を含むフタロシアニン(Pc)又はPcを5wt%添加し、精製水を加え、ゲル状のPc-CMC混合物を調製した。これに電子線で100kGyの照射を行い、脱水後、800$$^{circ}$$Cで1h、窒素雰囲気で焼成することで炭素触媒を得た。この触媒の電気化学測定を行い、その結果から酸素還元電位を求めた。するとCoを含むPcを添加したCMCから作製した炭素触媒は、他の金属を含むPcを添加したCMCやPcを添加したCMCから作製した炭素触媒に比べて酸素還元電位が0.1V程度高くなることが分かった。これはCMCの代わりに別の高分子を用いて作製した炭素触媒の結果と同様の傾向であった。Coを前駆体高分子に添加することにより、得られる炭素触媒の酸素還元活性が高くなることが示唆された。

口頭

低エネルギー電子線還元法による白金ナノ粒子膜の作製および触媒性能

菅原 利史*; 高橋 絢香*; 有谷 博文*; 島田 明彦; 箱田 照幸; 杉本 雅樹; 吉川 正人

no journal, , 

白金(Pt)イオンを含む水溶液に数十keVの低エネルギー電子線を照射することにより、水溶液表面に白金のナノ粒子膜が生成することが分かっている。本研究では、白金ナノ粒子膜の生成に関して、添加するアルコール濃度の影響を調べるとともに、生成した膜の燃料電池触媒性能について定量した。その結果、アルコール濃度が0.5%の低濃度条件においてナノ粒子膜の生成が促進され、高濃度になるに従いナノ粒子が凝集し粗大化した不均一な粒径の膜が生成することが分かった。また、生成したナノ粒子膜は、0.6V(vs. NHE)の酸素還元電位を有することを確認し、低エネルギー電子線によりナノ粒子の触媒層を形成できることを明らかにした。

口頭

基材フリーの金ナノ粒子膜の作製

高橋 絢香*; 菅原 利史*; 島田 明彦; 箱田 照幸; 杉本 雅樹; 有谷 博文*; 吉川 正人

no journal, , 

通常は触媒としての活性を示さない金は、ナノ粒子化することによりCO酸化触媒として働くことが知られている。触媒の代表的な作製方法である含浸法は、浸漬、撹拌しながらの脱水、乾燥、高温焼成といった複数の工程から成り、また焼成温度、雰囲気を制御する必要がある煩雑な製法である。金ナノ粒子の膜を単独で作製することが出来れば、触媒を基材に転写するのみで触媒を作製することが可能となる。本研究では、塩化金酸水溶液に電子線照射を行う放射線還元法により、金のナノ粒子の作製を試みた。0.5-20%のエタノールを含む1mmol/Lの塩化金酸水溶液の表面に加速電圧55keVの電子線を照射したところ、溶液表面に赤い膜状の浮遊物(膜)が形成された。この膜をコロジオンメッシュに付着させることでTEM観察を、またグラッシーカーボンに付着させることでXPS測定を行った。TEM観察の結果、粒径約5nmの金ナノ粒子を観察することができた。XPS測定結果を解析したところ、膜に含まれる金のほとんどは金属状の金として存在することが分かった。以上のことから塩化金酸水溶液を出発物質とした放射線還元法による金のナノ粒子膜の作製が可能であることが明らかとなった。

口頭

電子線誘起極表層プラズマ反応場を利用した金ナノ粒子膜の生成

箱田 照幸; 高橋 絢香*; 島田 明彦; 山本 春也; 有谷 博文*; 八巻 徹也

no journal, , 

水溶液へ300keV以下の低エネルギー電子線を照射することで液表層にプラズマが形成され、それを反応場とした塩化白金酸イオンの還元によって白金ナノ粒子膜が生成する現象を見出した。本研究では、このプラズマ反応場の特徴を活かした貴金属ナノ粒子膜の作製指針を得るため、塩化金酸イオンを用いたときのナノ粒子膜生成について調べた。その結果、白金同様、金(Au)でも水溶液表面に膜状生成物が生じることを確認し、塩化金酸イオンと共存させるアルコールとしてエタノールよりも2-プロパノールの方がより均一粒径(5-20nm)で高密度な粒子膜を生成した。また、X線光電子分光分析により、粒子膜を構成しているAuの85%が金属Au(0)まで還元されていることがわかった。TiO$$_{2}$$基板に転写したAuナノ粒子膜を200$$^{circ}$$Cに加熱しながら1000ppmの一酸化炭素を含む空気を流通すると二酸化炭素の生成が見られたことから、その触媒作用が確認できた。以上の結果から、電子線誘起の極表層プラズマ反応場を用いた新たな触媒作製技術の可能性を拓いた。

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