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Ochs, M.*; Lothenbach, B.*; Christl, I.*; 油井 三和; 柴田 雅博; 神徳 敬
JNC TN8400 2003-012, 28 Pages, 2003/06
JNCの熱力学データベースで考慮された配位子のリストには、NH3は含まれていなかったが、軟らかい酸となる金属に対し、その重要性から、Pdに対しては評価されている。最近硝酸塩が含まれる日本のTRU廃棄物処分環境下において、硝酸塩がNH3に還元される可能性が示唆され、その影響が注目されている。本報告は、処分場のニアフィールドだけでなく、一般的に重要とされている性能評価の安全機能を評価するために特に重要であるNH3に関する放射性元素の熱力学データに関するものである。そこで、Pb、Sn、Bi、Nb、SbとNH3との相互作用に対する広範な調査および評価を実施したが、有用な結果は得られず、これらの元素に対して推奨できる熱力学データは得られなかった。しかし、入手したデータを用い、NH3 . H2O . Metal系で、概略的な安定度定数の比較評価を行った。その結果、NH3がその希釈溶液においてSn(IV)、Bi、Nb、Sb(V)に対し重要な配位子になりそうもないことを示した。Pbについては、高濃度でのNH3との錯形成の関連性を示した。さらに、NiとCoに対してNH3は関連性があること、ある程度NH3との相互作用が研究されていることが分かり、試験データの編集を実施した。なお、データの信頼性については現在検討中である。地下水中および処分場環境下でのNH3の関わりについて概略的な見解を得るため、Niについて計算を実施した。その結果、NH3が非常に高い濃度では、溶液中のNi濃度の著しい増加が見られた。このことは、NH3に対して同程度またはより高い親和力を持つ他の元素(例えば、Co、Pd、おそらくPb、その他の元素も)に対しても適用でき、日本のTRU処分場で起こりうる高いNH3濃度やHLW処分場における地下水中のNH4+/NH3の存在については今後、考慮を要するものであ