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Loarte, A.*; Lipschultz, B.*; Kukushkin, A. S.*; Matthews, G. F.*; Stangeby, P. C.*; 朝倉 伸幸; Counsell, G. F.*; Federici, G.*; Kallenbach, A.*; Krieger, K.*; et al.
Nuclear Fusion, 47(6), p.S203 - S263, 2007/06
被引用回数:859 パーセンタイル:98.25(Physics, Fluids & Plasmas)1999年にNuclear Fusion誌に出版されたITER物理基盤以来、ITERの設計及び運転に必要な周辺プラズマ及びプラズマ相互作用における現在のトカマク装置の研究成果がまとめられた。大きく進展した実験分野として、境界層及びダイバータにおける熱・粒子輸送,第一壁と周辺プラズマとの相互作用,ELM熱流の輸送と壁相互作用,非接触プラズマと中性粒子の輸送,高Z及び低Z材料の損耗と輸送及び堆積,トリチウムの対向材への吸着とその除去方法等が挙げられる。これらの進展と同時に、周辺プラズマ及びプラズマ材料相互作用のモデリングも大きく進展した。現状のデータをもとにITERにおいて期待されるダイバータ性能や対向材料の寿命などについて議論した。
Lipschultz, B.*; 朝倉 伸幸; Bonnin, X.*; Coster, D. P.*; Counsell, G.*; Doerner, R.*; Dux, R.*; Federici, G.*; Fenstermacher, M. E.*; Fundamenski, W.*; et al.
Proceedings of 21st IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2006) (CD-ROM), 8 Pages, 2007/03
国際トカマク物理活動(ITPA)スクレイプオフ層(SOL)及びダイバータ物理トピカルグループが、各国のトカマク実験データを検討した成果を発表する。(1)ELMによりSOLへ排出されたプラズマが極性ドリフトにより第一壁方向へ輸送されるモデルを、リミターでの熱負荷計測結果に基づき提案した。この場合、ITERにおいてELMによるリミターが受ける熱負荷は損失エネルギーの10-20%と考えられる。(2)ディスラプション時のダイバータへの熱負荷について最近のデータをまとめた。高密度ディスラプションでは、熱崩壊時以前に最大80%のエネルギーが放射損失により失われること,熱崩壊時は熱流束の幅が広がることなどが実験データベースから明らかとなった。ITERにおけるダイバータへの熱負荷は以前の予測よりも減少した。ただし、内部輸送障壁の崩壊や垂直変異イベントでは大きな熱負荷と考えられる。また、不純物のガスジェット及びペレット入射による熱負荷の緩和結果についても述べる。ほかに(3)ITERにおけるトリチウムの蓄積量の予測,(4)タングステンタイル、及び炭素タイルにおける複合プラズマ材料相互作用に関してもまとめる。
Roth, J.*; Kirschner, A.*; Bohmeyer, W.*; Brezinsek, S.*; Cambe, A.*; Casarotto, E.*; Doerner, R.*; Gauthier, E.*; Federici, G.*; 東島 智; et al.
Journal of Nuclear Materials, 337-339, p.970 - 974, 2005/03
被引用回数:96 パーセンタイル:98.54(Materials Science, Multidisciplinary)国際トカマク物理活動(ITPA)の「スクレイプ・オフ層及びダイバータの物理」トピカルグループでは、新たに較正・検討した化学スパッタリング率のデータを持ち寄り、イオンの入射エネルギー,材料の表面温度で規格化して整理した。これにより、ITERのダイバータ条件に近い高粒子束の領域では、化学スパッタリング率が粒子束の増加とともに減少し、その割合が粒子束の-0.54乗であることを明らかにするとともに、入射粒子のエネルギー,材料の表面温度,粒子束の関数としてまとめた。さらにこの結果をもとに、ITERの定常運転シナリオのプラズマパラメータに対してEROコードを用いてITERダイバータにおける炭素の損耗・再堆積の計算を行い、表面温度に強く依存するものの、損耗率は過去に評価した1.5%に比べて一桁小さいとの結果を得た。
Roth, J.*; Preuss, R.*; Bohmeyer, W.*; Brezinsek, S.*; Cambe, A.*; Casarotto, E.*; Doerner, R.*; Gauthier, E.*; Federici, G.*; 東島 智; et al.
Nuclear Fusion, 44(11), p.L21 - L25, 2004/11
被引用回数:94 パーセンタイル:91.38(Physics, Fluids & Plasmas)イオンビーム照射装置やトカマク装置では、ITERのダイバータ条件への外挿を目指し、化学スパッタリング率の粒子束依存性を測定して来た。しかし、取得データのパラメータが各測定で異なっていたため、従来のデータベースには大きなばらつきが見られた。国際トカマク物理活動(ITPA)の「スクレイプ・オフ層及びダイバータの物理」トピカルグループでは、参加する各装置から新たに較正・検討したデータを持ち寄り、イオンの入射エネルギー,材料の表面温度で規格化してデータの見直しを行った。これにより、ITERのダイバータ条件に近い高粒子束の領域では、化学スパッタリング率は粒子束の増加とともに減少し、その割合は粒子束の-0.54乗であることを明らかにした。
赤木 浩; 乙部 智仁; Staudte, A.*; Shiner, A.*; Turner, F.*; Villeneuve, D. M.*; Doerner, R.*; Corkum, P. B.*
no journal, ,
高強度・超短パルスレーザーによって生じる強い光電場で、分子中の電子がトンネルイオン化することが知られている。非対称2原子分子に対し、円偏光レーザーを照射して生成する電子及び解離イオンを同時計測することで、トンネルイオン化の分子座標系角度分布の測定に初めて成功した。本研究で取り上げたHCl分子のトンネルイオン化では、H原子側からのイオン化が有利であり、一方、分子軸に垂直な方向ではイオン化確率に極小を持つことがわかった。また、実験で得られた角度分布は、静電場中HCl分子の分子軌道計算で予測される角度分布と特徴がよく似ていることがわかった。
赤木 浩; 乙部 智仁; Staudte, A.*; Shiner, A.*; Villeneuve, D. M.*; Corkum, P. B.*; Turner, F.*; Doerner, R.*
no journal, ,
小分子に短パルスレーザーを照射して引き起こされるトンネルイオン化の分子座標系角度分布を測定することで、イオン化の起きる分子軌道の形状に関する詳細な情報が得られる、と考えられる。本研究では、超短パルスレーザーを照射して生成する電子と解離イオンを同時計測することで、非対称2原子分子での測定に初めて成功した。HCl分子のトンネルイオン化はおもに分子軸方向に、特にH原子側から起きており、分子軸に対して垂直な方向には、イオン化の極小が現れることがわかった。これらの特徴は、トンネルイオン化の起きるHCl分子のHOMO-1の形状にも見られることから、トンネルイオン化の角度分布は、分子軌道の形状に関する情報を与えることが示された。