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小松 一樹*; 岩崎 亜美*; 村田 康輔*; 山城 秀昭*; Goh, V. S. T.*; 中山 亮*; 藤嶋 洋平*; 小野 拓実*; 木野 康志*; 清水 良央*; et al.
Reproduction in Domestic Animals, 56(3), p.484 - 497, 2021/03
被引用回数:9 パーセンタイル:87.04(Agriculture, Dairy & Animal Science)福島第一原子力発電所事故後、野生アライグマは長期的な低線量率被ばくを受けた。捕獲したオスの野生アライグマの精巣の形態的特徴と、凍結保存精子の体外受精能力を調べたところ、長期的・低線量率被ばくはアライグマの生殖特性および機能に悪影響を及ぼしていないことがわかった。
小崎 完*; 澤口 拓磨; 藤島 敦; 佐藤 正知*
Physics and Chemistry of the Earth, 35(6-8), p.254 - 258, 2010/00
被引用回数:21 パーセンタイル:54.44(Geosciences, Multidisciplinary)モンモリロナイトを主成分とする圧縮ベントナイトは、高レベル放射性廃棄物の地層処分において緩衝材の候補材とされている。処分場において想定されるベントナイトの変質の一つとして交換性陽イオンであるNaのCaへの部分的な置換が考えられる。Caはセメント系材料から溶出し、緩衝材内に拡散する。本研究では、ベントナイト緩衝材の性能を低下させる可能性のある上記変質を評価するため、種々のCaイオン当量分率に調整したNa/Ca混在型モンモリロナイトを用いた非定常一次元拡散試験を行い、HTOとCaイオンの見かけの拡散係数を決定した。乾燥密度1.0Mg mにおけるHTOの見かけの拡散係数はCaイオン当量分率が増加するに従い、わずかに増加した。しかしながら、同乾燥密度におけるCaの見かけの拡散係数及び拡散の活性化エネルギーはCaイオン当量分率に依存しなかった。この結果より、おもに間隙水中を拡散すると想定されるHTOとは異なり、Caイオンの拡散は層間で支配的に起こっていると考えられる。
阿部 寛信; 高橋 一晴*; 藤島 敦
JAEA-Data/Code 2009-007, 35 Pages, 2009/07
幌延深地層研究計画においては、地質・地質構造に関する調査の一環として、研究所設置区域及びその周辺地域における岩盤の地質学的不均質性及び物質の移動経路として重要な構造(断層など)を把握するための調査を実施している。本研究ではその研究の一環として、構造を推定するための手法の一つとしてのガス測定が有効であるかを検討するため、研究所設置地区である幌延町北進地区を中心にメタンガス・二酸化炭素ガス量の測定を行い、ガス量の分布と大曲断層の分布との関係について検討した。その結果、大曲断層の推定位置周辺で二酸化炭素ガス量が多い傾向が認められた。
梅田 浩司; 大井 貴夫; 大澤 英昭; 大山 卓也; 小田 治恵; 亀井 玄人; 久慈 雅栄*; 黒澤 英樹; 小林 保之; 佐々木 康雄; et al.
JAEA-Review 2007-050, 82 Pages, 2007/12
本報告書は、2006年度(平成18年度)の地層処分技術に関する各々のプロジェクトにおける研究開発の現状とトピック報告を示した年度報告書である。
中山 雅; 入矢 桂史郎*; 藤島 敦; 三原 守弘; 畑中 耕一郎; 栗原 雄二*; 油井 三和
Materials Research Society Symposium Proceedings, Vol.932, p.159 - 166, 2006/00
数千年以上の半減期の核種を含む放射性廃棄物を処分するにあたって、セメント系材料を使用することが検討されている。しかし、普通セメントを用いた場合には、処分施設周辺環境が高アルカリ性となり、バリア材料として用いられるベントナイトや周辺の岩盤が超長期的に変質する可能性がある。この変質を低減させるために、ポゾラン材料を普通セメントに多量に混合することにより、普通セメントに比べ、浸出水のpHが低いセメントを開発した。本研究では,その浸出水のpHが11程度であること、締め固め不要コンクリートや吹付けコンクリートとして構造物への適用が可能であることを示した。
守屋 俊文; 藤島 敦
JNC TN1400 2002-014, 15 Pages, 2002/09
核燃料サイクル開発機構が幌延町で実施している幌延深地層研究計画は、「原子力の研究、開発及び利用に関する長期計画(平成6年6月)」(以下、「原子力長計」とする)に示された深地層の研究施設計画の一つであり、堆積岩を対象に深地層の研究を行うものです。深地層の研究施設は、平成12年11月の「原子力長計」においても、今後の地層処分技術の信頼性の確認や安全評価手法の確立に向けての研究開発を進めていく上での主要な施設であることや、国民の研究開発に対する理解を得ていく場としての意義を有していることが示されています。また、「総合資源エネルギー調査会原子力部会‐原子力の技術基盤の確保について‐(平成13年6月)」の「高レベル放射性廃棄物処分のための研究開発」においては、サイクル機構の役割について、「深地層の研究施設、地層処分放射化学研究施設などを活用し、深地層の科学的研究、実測データの着実な蓄積とモデル高度化による地層処分技術の信頼性向上と安全評価手法の高度化に向けて研究開発を着実に推進することが必要である」としています。幌延深地層研究計画では、ここで示された「深地層の科学的研究」については「地層科学研究」、また「地層処分技術の信頼性向上」と「安全評価手法の高度化」については、「地層処分研究開発」として進めています。本報告は、「幌延深地層研究計画平成13年度調査研究計画(平成13年4月)」に基づき、平成13年度に実施した調査研究の成果をまとめたものです。
鈴木 覚; 藤島 敦; 上野 健一; 市川 康明*; 河村 雄行*; 藤井 直樹*; 柴田 雅博; 佐藤 治夫; 北山 一美*
粘土科学, 41(2), p.43 - 57, 2001/12
高レベル放射性廃棄物の地層処分における、緩衝材の核種移行遅延特性と微細構造の関係を理解するために、圧縮成形されたNa型ベントナイトの微細構造について電子顕微鏡観察およびX線回折測定を行い、微細構造をモデル化した。微細構造モデルを使用してトリチウム水の拡散過程の理論解析を行い実験値と比較した。
鈴木 覚; 藤島 敦; 上野 健一; 市川 康明*; 河村 雄行*; 藤井 直樹*; 柴田 雅博; 佐藤 治夫
JNC TY8400 2001-003, 66 Pages, 2001/05
放射性廃棄物の地層処分における多重バリアシステムの性能評価における、緩衝材特性(膨潤性、透水性、核種移行遅延特性等)と微細構造の関係を理解するために、圧縮成形されたNa型ベントナイトの微細構造について電子顕微鏡観察およびX線回折測定を行った。乾燥粉末状態のベントナイトに含まれるスメクタイトの団粒は、板状で底面方向の大きさは100m程度、厚さは10m程度であるが、圧縮成型後、含水飽和させるとより小さなスメクタイトの粒子に分離する。これらの小さな粒子は数層かそれ以上のスメクタイト単層(幅100-10000nm程度、厚さ1nm程度)から構成されており、その粒子を積層体と呼ぶ。積層体-積層体間の間隙(外部間隙)のサイズ、間隙率は、層間の選択的水和のため、積層体の膨潤によりコントロールされている。含水ベントナイトのXRDプロファイルには、底面間隔で3.52, 1.88, 1.56nmに相当する回折ピークが観察され、積層体により底面間隔が異なることを示唆する。低い乾燥密度(0.8-1.0Mg/m3)では3.52nmまたは1.88nmの底面間隔を持つ積層体が混在するが、乾燥密度の増大とともに前者が相対的に減少し、乾燥密度が1.2Mg/m3の条件では後者の積層体のみが存在するようになる。乾燥密度0.9Mg/m3の条件で含水させる溶液のNaCl濃度を0.0-0.5Mまで変化させたところ、塩濃度が0.3M以上では3.52nmの底面間隔のピークは観察されなかった。これに対して、1.88nmの底面間隔は塩濃度によらず一定であった。このことは、高い塩濃度の条件では、積層体の底面間隔が1.88nmに保たれたまま、積層数が増加していることを示唆する。以上の観察に基づいて、微細構造モデルを考案し、外部間隙サイズLを積層体の積層数nおよび底面間隔d(001)の関数として理論的に定式化した。ここで、は端面方向の間隙サイズを表すパラメーター、はスメクタイト単層の厚さ(1nm)、Pclay, Pdryはそれぞれスメクタイトの結晶密度(2.88Mg/m3)およびベントナイトの乾燥密度である。この式は積層数とともに外部間隙サイズが増加することを示しており、塩濃度が高くなると外部間隙サイズが増加すると考えられる。また、乾燥密度が高くなるに従い、外部間隙サイズは急速に小さくなる。
加藤 智子; 藤島 敦; 上野 健一; 佐々木 康雄; 能登屋 信; 園部 一志
JNC TN8450 2001-003, 205 Pages, 2001/01
地層処分基盤研究施設(ENTRY)、地層処分放射化学研究施設(QUALITY)の見学における来訪者の理解の促進を図るため、東海事業所環境保全・研究開発センター処分研究部では、平成10年度から平成12年度にかけて、パンフレット等作成ワーキンググループを編成し、ENTRY、QUALITY並びに処分研究部の業務の紹介用パンフレット、試験設備等の紹介用展示パネルなど一連の情報普及素材を作成した。特に展示パネルについては、ENTRY、QUALITYに設置されている主要な設備毎に仕様等の情報を一元的にデータベースとしてまとめた。これにより、今後は設備改造などにより設備側の情報に修正が生じた場合、対応するデータベース上で該当情報を容易に修正することが可能となり、展示パネルの修正にも効率よく対応できるものと期待される。本報告書は、ワーキンググループにおいて作成した素材のうち、パンフレット及び展示パネルの原型となった主要な試験設備等のデータベースについて掲載したものである。
藤島 敦; 鈴木 覚; 上野 健一; 舘 幸男; 澁谷 朝紀
Spring-8 User Experiment Report No.5 (2000A), 0 Pages, 2001/00
地層処分の性能評価において、緩衝材への放射性核種の吸着メカニズムの解明が重要である。核種の吸着挙動は、溶液中の溶存化学種の違いによって変化すると考えられ、本研究では、モンモリロナイトに吸着したSmのEXAFS測定・解析を行うことにより、Smの吸着構造について検討した。その結果、Smはモンモリロナイトの層間に水を配位した状態で吸着していることが示唆された。
岡 壽崇; 高橋 温*; 小荒井 一真; 小野 拓実*; 田巻 廣明*; 木野 康志*; 関根 勉*; 清水 良央*; 千葉 美麗*; 鈴木 敏彦*; et al.
no journal, ,
福島第一原子力発電所事故によって環境中に放出された放射性核種は、ヒトや動物に放射線影響を与えると考えられ、詳細な線量評価が求められている。我々はESR装置で歯の炭酸ラジカルを測定することでヒトや動物の外部被ばく線量を推定しようとしているが、従来のESR法の検出限界は146mGyとされており、検出限界の引き下げが必要であった。本研究では、新規エナメル質抽出方法を開発し、炭酸ラジカル強度と線量の関係(検量線)を詳細に作成したところ、検出限界を43mGyにまで引き下げることができた。この検量線を用いて、福島県で捕獲されたニホンザルの外部被ばく線量の推定を行った結果を報告するとともに、アライグマについての検量線の作成と外部被ばく線量の推定の取り組みも報告する。
岡 壽崇; 高橋 温*; 小荒井 一真; 光安 優典*; 小野 拓実*; 田巻 廣明*; 木野 康志*; 関根 勉*; 清水 良央*; 千葉 美麗*; et al.
no journal, ,
福島原子力発電所事故によって放出された放射性物質によって野生動物は長期的な低線量率被ばくを受ける。通常は個々の野生動物の捕獲地点の空間線量率を元に外部被ばく線量を推定するが、野生動物は生息域が広いために見積もった外部被ばく線量には不確定要素が大きく、生物影響と明確な相関が得られないことが多い。そこで我々は、電子スピン共鳴(ESR)線量推定法を利用し、歯から外部被ばく線量を直接推定することにした。本研究では、比較的高い空間線量率を示す地域で捕獲した野生ニホンザルとアライグマの歯を用いて、個体の外部被ばく線量を推定した。
岡 壽崇; 光安 優典*; 高橋 温*; 小荒井 一真; 木野 康志*; 関根 勉*; 奥津 賢一*; 山下 琢磨*; 清水 良央*; 千葉 美麗*; et al.
no journal, ,
東京電力福島第一原子力発電所事故で環境中に放出された放射性物質によって野生動物は長期的な低線量被ばくを受ける。野生動物の外部被ばく線量は、通常、捕獲した地点の線量率を元に計算で推定するが、生息域の履歴がわからないため推定した被ばく線量には不確定要素が大きい。そこで、環境からの放射線によって歯のエナメル質に誘起される炭酸ラジカルの強度から被ばく線量を推定することを試みている。ESR測定を妨害する元素を歯のエナメル質から除去する前処理法を検討し、捕獲した個体の被ばく線量の推定を行った。
藤嶋 洋平*; 鈴木 正敏*; Goh, V. S. T.*; 有吉 健太郎*; 葛西 宏介*; 中田 章史*; 木野 康志*; 岡 壽崇; 篠田 壽*; 清水 良央*; et al.
no journal, ,
東京電力・福島第一原子力発電所事故後、周辺環境は放射性核種で汚染された。現在、空間線量率は低下しているものの、野生動物に対する慢性的な低線量被ばくは続いている。ヒトの低線量放射線のリスクの検討のために、放射線感受性が人間に近いニホンザルの放射線影響を調べた。染色体転座頻度は、宮城県の対照群と比較して、福島県の群で有意に高かった。さらに、染色体転座頻度は外部被ばく線量や内部被ばく線量率と相関する傾向があった。しかし、染色体転座頻度は年々減少しており、これは空間線量率の低下や除染活動など、環境の回復を反映していると考えられる。
岡 壽崇; 高橋 温*; 光安 優典*; 小荒井 一真; 木野 康志*; 奥津 賢一*; 山下 琢磨*; 関根 勉*; 清水 良央*; 千葉 美麗*; et al.
no journal, ,
東京電力福島第一原子力発電所事故で環境中に放出された放射性物質により、ヒトや動物は長期的な低線量・低線量率被ばくを受ける。ヒトや動物への放射線影響を正確に調べるためには、個体がどれだけの被ばくを受けたかを定量する必要がある。我々は電子スピン共鳴(ESR)線量計測法で個体の外部被ばく線量を計測することを試みており、本研究では、我々のこれまでの取り組みと、実際に野生動物の外部被ばく線量を行った結果を報告する。