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草野 完也*; 一本 潔*; 石井 守*; 三好 由純*; 余田 成男*; 秋吉 英治*; 浅井 歩*; 海老原 祐輔*; 藤原 均*; 後藤 忠徳*; et al.
Earth, Planets and Space (Internet), 73(1), p.159_1 - 159_29, 2021/12
被引用回数:6 パーセンタイル:51.19(Geosciences, Multidisciplinary)PSTEPとは、2015年4月から2020年3月まで日本国内の太陽・地球惑星圏に携わる研究者が協力して実施した科研費新学術領域研究である。この研究枠組みから500以上の査読付き論文が発表され、様々なセミナーやサマースクールが実施された。本論文では、その成果をまとめて報告する。
筒井 智嗣; 東中 隆二*; 中村 頼人*; 藤原 孝将*; 中村 仁*; 小林 義男*; 伊藤 孝; 依田 芳卓*; 加藤 和男*; 新田 清文*; et al.
Hyperfine Interactions, 242(1), p.32_1 - 32_10, 2021/12
被引用回数:1 パーセンタイル:84.42(Physics, Atomic, Molecular & Chemical)Sm synchrotron-radiation-based Mssbauer spectroscopy was performed in Sm-based intermetallics having a cubic crystal structure, SmGe, SmB, SmBe, and SmAl ( = transition metals). In spite of the difference of the local structure around the Sm sites, the observed Mssbauer spectra consist of a single line at 300 K. On the other hand, Sm L-edge X-ray absorption spectra consist of two components, suggesting Sm and Sm states. Difference of the number of the spectral components between the Mssbauer spectroscopy and X-ray absorption spectroscopy is caused by the difference of the time window in the scattering process of these measurements. Correlation between the isomer shifts in the Mssbauer spectroscopy and average Sm valence states estimated from the X-ray absorption spectroscopy exhibits a linear correlation.
芝野 幸也; 阿部 勝男; 政 和男*; 細金 達哉; 茅野 雅志; 角 美香; 藤原 英城*; 山口 和哉*; 本木 知佳*
第41回日本核物質管理学会年次大会会議論文集(インターネット), 4 Pages, 2020/11
LSDスパイクは、同位体希釈質量分析法によるU, Puの計量分析に使用する標準物質である。LSDスパイクはU, Puの混合溶液を調製後、バイアル瓶に分取し、乾固して調製される。LSDスパイクは、乾固直後、バイアル瓶の底に張付いた状態であるが、保管期間の経過に伴いバイアル瓶の底から剥がれるなど徐々に劣化し、分析結果に影響を与える恐れがある。本研究では、日本原燃から委託を受け調製したLSDスパイクを用いて、約2年間静置状態で保管し、LSDスパイクの経時変化を評価した。
田代 孝二*; 塙坂 真*; 山元 博子*; Wasanasuk, K.*; Jayaratri, P.*; 吉澤 功徳*; 田中 伊知朗*; 新村 信雄*; 日下 勝弘*; 細谷 孝明*; et al.
高分子論文集, 71(11), p.508 - 526, 2014/11
被引用回数:6 パーセンタイル:22.37(Polymer Science)高分子結晶構造の詳細を、水素原子位置まで含めて明らかにすることを目的とし、高エネルギーX線および中性子回折データの収集ならびにそれらの解析結果を、さまざまの結晶性高分子を例として総合的に記述した。まず、最近にまで至る高分子構造解析手法の発展について概要を述べるとともに、それらの各段階における問題点について考察した。斜方晶型ポリエチレン、アタクティックポリビニルアルコール、ポリ乳酸およびそのステレオコンプレックスなど、いろいろの意味で重要な高分子について、これまでに提案されてきた構造を再吟味するとともに、新たに提案した構造について記述した。水素原子位置についても精確に決定された場合は、それらの構造情報に基づく極限力学物性の定量的予測を行った。さらにはポリジアセチレンの場合について、X線および中性子構造解析によって得られた精密な電子密度分布および原子位置座標の情報にいわゆるX-N法を適用し、主鎖骨格に沿った結合電子密度分布についての導出についても言及した。構造物性相関解明における高分子結晶構造解析の今後の展開についても言及した。
田代 孝二*; 塙坂 真*; 大原 高志; 尾関 智二*; 北野 利明*; 二宗 隆*; 栗原 和男; 玉田 太郎; 黒木 良太; 藤原 悟; et al.
Polymer Journal, 39(12), p.1253 - 1273, 2007/12
被引用回数:18 パーセンタイル:49.67(Polymer Science)固相重合反応によって得られた水素化及び重水素化ポリオキシメチレン(POM)について、X線及び中性子の2次元繊維回折測定に成功した。これらの測定データを用い、POMの3次元構造を水素,重水素原子の位置も含めて決定することを試みたところ、(9/5)へリックス構造と(29/16)へリックス構造の2種類の構造モデルが提唱された。これに対して回折パターンを再検討したところ、前者では消滅側に相当する反射が観察されていたことから、POMの3次元構造は(29/16)へリックス構造であることが示唆された。
高村 秀一*; 門 信一郎*; 藤井 隆*; 藤山 寛*; 高部 英明*; 足立 和郎*; 森宮 脩*; 藤森 直治*; 渡辺 隆行*; 林 泰明*; et al.
カラー図解,プラズマエネルギーのすべて, P. 164, 2007/03
核融合並びにプラズマに興味を持ってもらい、またその有用性,将来性を広く理解してもらうための一般向け解説書として、プラズマ・核融合学会の企画(日本実業出版社から出版予定)に共同執筆で出版するものである。読者の対象範囲は、理科に興味を持つ高校生,大学生・一般社会人,ある種のプラズマに仕事で関連している人で、他分野からのヒントを求める人など、広い層に読んでもらえることを想定している。(目次:はじめに/プラズマってなんだ?/プラズマ技術のひろがり/実験室の超先端プラズマ/核融合プラズマエネルギーとは?/プラズマエネルギーへの道/核融合プラズマエネルギー発電所を目指して/プラズマエネルギーと未来社会)
二宮 博正; 秋場 真人; 藤井 常幸; 藤田 隆明; 藤原 正巳*; 濱松 清隆; 林 伸彦; 細金 延幸; 池田 佳隆; 井上 信幸; et al.
Journal of the Korean Physical Society, 49, p.S428 - S432, 2006/12
現在検討が進められているJT-60のコイルを超伝導コイルに置き換える計画(トカマク国内重点化装置計画)の概要について述べる。本計画はITER及び原型炉への貢献を目指しているが、その位置づけ,目的,物理設計及び装置設計の概要,今後の計画等について示す。物理設計については、特に高い規格化ベータ値を実現するためのアスペクト比,形状因子及び臨界条件クラスのプラズマや完全非誘導電流駆動のパラメータ領域等について、装置については物理設計と整合した設計の概要について示す。
菊池 満; 玉井 広史; 松川 誠; 藤田 隆明; 高瀬 雄一*; 櫻井 真治; 木津 要; 土屋 勝彦; 栗田 源一; 森岡 篤彦; et al.
Nuclear Fusion, 46(3), p.S29 - S38, 2006/03
被引用回数:13 パーセンタイル:41.76(Physics, Fluids & Plasmas)トカマク国内重点化装置(NCT)計画は、大学における成果を取り込みつつJT-60Uに引き続き先進トカマクを進めるための国内計画である。NCTのミッションは発電実証プラントに向けて高ベータ定常運転を実現するとともに、ITERへの貢献を図ることである。高ベータ定常運転を実現するために、装置のアスペクト比,形状制御性,抵抗性壁モードの帰還制御性,電流分布と圧力分布の制御性の機動性と自由度を追求した。
土屋 勝彦; 秋場 真人; 疇地 宏*; 藤井 常幸; 藤田 隆明; 藤原 正巳*; 濱松 清隆; 橋爪 秀利*; 林 伸彦; 堀池 寛*; et al.
Fusion Engineering and Design, 81(8-14), p.1599 - 1605, 2006/02
被引用回数:1 パーセンタイル:9.98(Nuclear Science & Technology)JT-60定常高ベータ装置(トカマク国内重点化装置)は、経済的な核融合炉の実現を目指した定常高ベータプラズマ運転の実証が重要なミッションの一つである。現在、プラズマ形状及びアスペクト比について広いパラメータ領域で研究を行えるように、装置の物理的・技術的設計検討を進めている。本装置の目標とする高ベータプラズマは、自由境界MHD安定性限界を超えた領域にあるため、電子サイクロトロン加熱による新古典テアリングモードの抑制に加えて、安定化板及び容器内コイルを用いた壁不安定性モードの抑制など、さまざまなMHD不安定性の制御手法を駆使する必要がある。それらを踏まえて、今回は、高ベータと臨界条件クラスのプラズマを同時に達成できるプラズマパラメータの解析評価、及び自由境界MHD安定性限界を超えた高ベータプラズマの非誘導電流駆動制御シナリオの検討結果について報告する。また、広いパラメータ領域で定常高ベータプラズマ運転を実現させるための装置設計の現状に関して、超伝導コイル及び放射線遮へい材を中心に報告する。
和田 隆太郎*; 西村 務*; 中西 智明*; 中山 武典*; 阪下 真司*; 藤原 和雄*; 建石 剛*
JNC TJ8400 2005-001, 224 Pages, 2004/02
高レベル放射性廃棄物処分おけるオーバーパック候補材料のうち,高耐食性金属として位置づけられているチタンおよびニッケル基合金の腐食挙動を検討した。チタンについては水素吸収挙動に及ぼす環境因子と材料因子の影響を実験的に検討した。ニッケル基合金については腐食挙動について既往の研究の文献調査を行った。
和田 隆太郎*; 西村 務*; 増田 薫*; 藤原 和雄*; 今北 毅*; 建石 剛*
JNC TJ8400 2004-017, 71 Pages, 2004/02
TRU核種を含む廃棄物処分環境下における硝酸塩の金属との相互作用による変遷に関して、研究した。
和田 隆太郎*; 西村 務*; 増田 薫*; 藤原 和雄*; 今北 毅*; 建石 剛*
JNC TJ8400 2004-016, 194 Pages, 2004/02
TRU核種を含む廃棄物処分環境下における硝酸塩の金属との化学的相互作用による変遷に関して、研究を実施した。
和田 隆太郎*; 西村 務*; 中西 智明*; 藤原 和雄*; 井上 隆夫*; 建石 剛*; 舛形 剛*
JNC TJ8400 2003-092, 246 Pages, 2003/02
高レベル放射性廃棄物の処分容器材料として、耐食性に優れたチタンが検討されている。しかしながら、チタンは還元性環境において水の還元反応により生じた水素を吸収し、水素脆化を生じる恐れがある。そこで、還元性環境におけるチタンの水素吸収挙動を評価するために、チタンの腐食・水素吸収に関して実験的検討を行った。また、水素吸収によるチタンオーバーパック破壊挙動を評価するため、破壊力学的な観点から破損モデルを検討した。(1) 低酸素雰囲気において、溶液に浸漬したチタン試験片表面の一部を機械的に除去するスクラッチ試験を実施し、既存皮膜の変化および新生皮膜の成長現象を観察した。(2) 低酸素雰囲気を維持できるアンプル容器を用いて長期反応試験を行い、水素ガス発生量および吸収量の分析および生成皮膜の評価を行った。(3) 低酸素雰囲気下にて、チタン試験片に1000 年間の腐食量に相当するカソード電荷を印加する電気化学的加速試験を実施し、水素吸収、表面皮膜への影響を評価するとともに、自然状態での水素吸収挙動を予測した。(4) 既往の研究を調査から、溶接によるチタンオーバーパックの最大残留応力およびき裂進展挙動を評価した。また、破壊現象のモデル化の可能性を検討し、今後の課題を抽出した。
和田 隆太郎*; 西村 務*; 増田 薫*; 藤原 和雄*; 今北 毅*; 建石 剛*
JNC TJ8400 2003-080, 153 Pages, 2003/02
TRU廃棄物中には硝酸イオンが塩として含まれる廃棄体が存在する。この硝酸イオンは処分場環境で金属などの還元性物質により、亜硝酸イオンやアンモニア等に変遷し、処分場環境変化や核種移行パラメータに影響を及ぼす可能性がある。そこで、金属と硝酸イオン共存溶液との反応に伴う硝酸イオン変遷反応速度及びガス発生速度を正確に把握するためにガラス密封容器を用いた長期反応試験を実施した。また、低酸素環境下での硝酸イオンと金属との反応速度パラメータを評価するために電気化学試験を実施した。(1) 低酸素環境下で、高アルカリ降水系模擬地下水条件下でアンプルを用いた浸漬試験を実施し、金属(炭素鋼,ステンレス鋼及びジルイカロイ)と硝酸イオンとの反応生成物(亜硝酸イオン,アンモニア,水素ガスなど)に関する長期反応生成量データを取得した。また、従来と同一条件下でアンプル試験を実施し、繰り返し精度はほぼ平均値10%にあり、信頼性の高い方法であることを確認した。(2) 溶液pH,温度及び硝酸イオン,亜硝酸イオン濃度をパラメータとした定電位保持試験を中心とした電気化学試験の実施により、硝酸イオン変遷反応への影響を評価した。さらに、JNCで開発された"NEON"のアルゴリズムに準拠したモデルに従い解析を実施し、炭素鋼表面での硝酸イオン変遷挙動解析に見通しを得た。
和田 隆太郎*; 西村 務*; 増田 薫*; 藤原 和雄*; 今北 毅*; 建石 剛*
JNC TJ8400 2003-079, 252 Pages, 2003/02
TRU核種を含む廃棄物処分環境下における硝酸塩の金属との相互作用による変遷に関する研究を実施した。TRU廃棄物中には硝酸イオンが塩として含まれる廃棄体が存在する。この硝酸イオンは処分場環境で金属などの還元性物質により、亜硝酸イオンやアンモニア等に変遷し、処分場環境変化や核種移行パラメータに影響を及ぼす可能性がある。そこで、金属と硝酸イオン共存溶液との反応に伴う硝酸イオン変遷反応速度及びガス発生速度を正確に把握するためにガラス密封容器を用いた長期反応試験を実施した。また、低酸素環境下での硝酸イオンと金属との反応速度パラメータを評価するために電気化学試験を実施した。(1) 低酸素環境下で、高アルカリ降水系模擬地下水条件下でアンプルを用いた浸漬試験を実施し、金属(炭素鋼、ステンレス鋼およびジルイカロイ)と硝酸イオンとの反応生成物(亜硝酸イオン、アンモニア、水素ガスなど)に関する長期反応生成量データを取得した。また、従来と同一条件下でアンプル試験を実施し、繰り返し精度はほぼ平均値10%にあり、信頼性の高い方法であることを確認した。(2) 溶液pH、温度および硝酸イオン、亜硝酸イオン濃度をパラメータとした定電位保持試験を中心とした電気化学試験の実施により、硝酸イオン変遷反応への影響を評価した。更に、JNCで開発された"NEON"のアルゴリズムに準拠したモデルに従い解析を実施し、炭素鋼表面での硝酸イオン変遷挙動解析に見通しを得た。
和田 隆太郎*; 山口 憲治*; 西村 務*; 藤原 和雄*; 建石 剛*
JNC TJ8400 2003-007, 86 Pages, 2003/02
オーバーパックには長期健全性が期待されており、これまでオーバーパックの腐食挙動モデルが構築されてきた。そのモデルの妥当性、保守性を検証するために、本研究ではオーバーパックの候補材料である炭素鋼の水素脆化に関わる水素吸収量の測定を圧縮ベントナイト共存系で実施した。また、超長期試験として今後実施すべき重要性の高いテーマについて研究計画を具体化した。(1) 緩衝材(圧縮ベントナイト)中における炭素鋼の腐食に伴う侵入水素量を測定するための水素透過量測定装置の設計を行った。(2) 緩衝材中における炭素鋼の腐食に伴い発生する水素のうち、炭素鋼中への侵入量を測定した。(3) 今後実施すべき超長期試験テーマとして、室内試験:4 テーマ、原位置試験:3テーマについて研究計画を策定した。
和田 隆太郎*; 西村 務*; 増田 薫*; 藤原 和雄*; 今北 毅*; 建石 剛*
JNC TJ8400 2003-077, 156 Pages, 2002/02
TRU廃棄物中には硝酸イオンが塩として含まれる廃棄体が存在する。この硝酸イオンは処分場環境で金属などの還元性物質により、亜硝酸イオンやアンモニア等に変遷し、処分場環境変化や核種移行パラメータに影響を及ぼす可能性がある。そこで、処分場環境を想定した低酸素環境下での硝酸イオンと金属との化学的相互作用に関する研究を実施した。(1) 低酸素、高pH硝酸イオン共存溶液下で炭素鋼の電気化学試験を行い、硝酸イオンおよび亜硝酸イオン還元反応に関し、反応速度定数を取得した。(2) 低酸素、高pH地下水環境下で浸漬試験を実施し、金属(炭素鋼、ステンレス鋼、ジルイカロイ)と硝酸イオンとの反応生成物(アンモニア、水素ガス等)に関する長期データを取得した。炭素鋼共存中における硝酸起源物質濃度の経時変化より、硝酸イオン還元反応はNO3- NO2- NH3 の逐次反応の可能性が高いことを確認した。(3) 平衡計算の領域での反応モデルの適用性を探るため、汎用物質移行計算コード(PHREEQC)の硝酸還元部分とバルクでの平衡計算を切り離したモデルを検討し、実験結果との整合性を確認した。
和田 隆太郎*; 西村 務*; 増田 薫*; 藤原 和雄*; 今北 毅*; 建石 剛*
JNC TJ8400 2003-076, 300 Pages, 2002/02
TRU廃棄物中には硝酸イオンが塩として含まれる廃棄体が存在する。この硝酸イオンは処分場環境で金属などの還元性物質により、亜硝酸イオンやアンモニア等に変遷し、処分場環境変化や核種移行パラメータに影響を及ぼす可能性がある。そこで、処分場環境を想定した低酸素環境下での硝酸イオンと金属との化学的相互作用に関する研究を実施した。(1) 低酸素、高pH硝酸イオン共存溶液下で炭素鋼の電気化学試験を行い、硝酸イオンおよび亜硝酸イオン還元反応に関し、反応速度定数を取得した。(2) 低酸素、高pH地下水環境下で浸漬試験を実施し、金属(炭素鋼、ステンレス鋼、ジルイカロイ)と硝酸イオンとの反応生成物(アンモニア、水素ガス等)に関する長期データを取得した。炭素鋼共存中における硝酸起源物質濃度の経時変化より、硝酸イオン還元反応はNO3- NO2- NH3 の逐次反応の可能性が高いことを確認した。(3) 平衡計算の領域での反応モデルの適用性を探るため、汎用物質移行計算コード(PHREEQC)の硝酸還元部分とバルクでの平衡計算を切り離したモデルを検討し、実験結果との整合性を確認した。
和田 隆太郎*; 栗本 宣孝*; 藤原 和雄*; 安倍 睦*; 建石 剛*; 舛形 剛*
JNC TJ8400 2002-002, 111 Pages, 2002/02
高レベル放射性廃棄物の地層処分では、オーバーパックには1000年の核種閉じ込め性が要求される。候補材料の一つであるチタンでは、地下深部本来の環境とされる還元性雰囲気での水素脆化挙動が寿命予測の課題である。本研究では電解化学試験によってチタンに水素吸収処理を行い、吸収水素量をパラメーターとして機械的強度の劣化を引張試験、曲げ試験および衝撃試験で調べた。動的な応力を負荷(衝撃試験)した場合では、1000ppmの水素吸収量で明らかに水素脆化による機械特性の劣化が認められたものの、静的な応力を負荷(引張試験および曲げ試験)した場合では、ミクロ組織レベルで水素化物由来の割れが観察されたが、水素脆化による機械特性の顕著な劣化は認められなかった。また、低酸素濃度条件でのチタン試験片の浸漬試験で水素発生型腐食による発生水素量とチタン材の水素吸収量を比較した結果、水素ガス発生量から求めた腐食速度が10 SUP-4 m/年オーダーに対して、水素吸収量から求められた腐食速度は10 SUP-2 m/年と見積られ、発生する水素はほとんどチタンに吸収されると考えられた。チタン複合オーバーパックの強度部材である炭素鋼の腐食速度は、腐食生成物のマグネタイトが堆積することにより加速されると考えられるが、その腐食速度の加速に対する水素ガス発生反応の寄与率は約60パーセントと見積られた。
和田 隆太郎*; 山口 憲治*; 西村 務*; 栗本 宣孝*; 西村 智明*; 竹内 靖典*; 藤原 和雄*
JNC TJ8400 2002-001, 71 Pages, 2002/02
オーバーパックには長期健全性が期待されており、これまでオーバーパックの腐食挙動モデルが構築されてきた。そのモデルの妥当性、保守性を検証するために、本研究ではオーバーパック材料の数十年規模の超長期試験に関する研究を実施した。(1)処分開始直後を想定した環境下でのオーバーパック候補材料である炭素鋼の腐食挙動と緩衝材中の環境を長期間モニタリング可能な試験装置の設計を行った。(2)炭素鋼の長期浸漬試験を溶液交換等のメンテナンスなく実施できる試験容器を検討し、試作した。(3)今後の地層処分事業や安全規制に資する超長期試験(20年程度)を抽出した。(4)超長期試験に関する記録を試験期間(20年)にわたり管理、保存する方法を調査した。