Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
末吉 哲郎*; 榎畑 龍星*; 日高 優夏*; 入江 将大*; 藤吉 孝則*; 奥野 泰希*; 石川 法人
Physica C, 582, p.1353824_1 - 1353824_5, 2021/03
被引用回数:1 パーセンタイル:8.34(Physics, Applied)高温超電導体YBaCuOyにおいて、イオン照射法を利用して三次元に配置された柱状欠陥を導入した。その際に、柱状欠陥の導入角度 (=45, 60, 80)を変化させたときの臨界電流密度の磁場角度依存性を系統的に調べた。その結果、が大きい時には、磁場角度にピークが現れるものの、全体の大きな向上が見られなかった。柱状欠陥の導入角度が大きい場合には、磁束線のチャネルフローの影響が大きく、Jc向上につながりにくい、と説明できる。一方で、が小さい時には、広い磁場角度領域にわたって顕著なの上昇が見られた。
末吉 哲郎*; 上滝 哲也*; 古木 裕一*; 藤吉 孝則*; 千星 聡*; 尾崎 壽紀*; 坂根 仁*; 工藤 昌輝*; 安田 和弘*; 石川 法人
Japanese Journal of Applied Physics, 59(2), p.023001_1 - 023001_7, 2020/02
被引用回数:6 パーセンタイル:39.72(Physics, Applied)GdBaCuOy (GdBCO)コート超伝導体に対して、80MeV Xeイオンを異なる方向から照射することにより、異なる方向の柱状欠陥を一つの試料に対して導入した。その結果、45方向から照射することで導入される柱状欠陥は連続形状でかつ直径が大きく、一方でc軸方向(0方向)から照射することで導入される柱状欠陥は不連続形状でかつ直径が小さい、ということが分かった。柱状欠陥の形態が導入方向に依存することを利用すると、臨界電流密度を効果的に向上させることができる、ということが分かった。
末吉 哲郎*; 上滝 哲也*; 浦口 雄世*; 末永 桃太郎*; 牧原 隆博*; 藤吉 孝則*; 石川 法人
Physica C, 530, p.72 - 75, 2016/11
被引用回数:9 パーセンタイル:41.46(Physics, Applied)重イオン照射法により向上した超伝導状態のYBCO薄膜における磁束ピニング特性を、さらに向上させるためにBaSnOナノドットを薄膜内に導入し、その効果を調べた。その結果、ナノドットを導入した場合、単に重イオン照射した試料よりも、特に磁場方向が軸方向に近い方向の条件で、顕著な磁束ピニング特性の向上が見られた。重イオン照射欠陥とナノドットを組み合わせることにより、全方位的な磁場方向条件での磁束ピニング特性の向上が達成できる可能性を示すことができた。
末吉 哲郎*; 西村 太宏*; 藤吉 孝則*; 光木 文秋*; 池上 知顯*; 石川 法人
Superconductor Science and Technology, 29(10), p.105006_1 - 105006_7, 2016/10
被引用回数:8 パーセンタイル:38.08(Physics, Applied)YBaCuOy(YBCO)薄膜において、イオン照射によって3方向に角度を分散させた柱状欠陥を導入することによって、超伝導磁束のピニング特性の変化を系統的に調べた。具体的には、輸送電流方向に対して垂直な面内に3方向を設定したA条件と、平行な面内に3方向を設定したB条件とで比較した。もともとのYBCOの臨界電流密度の異方性が、それぞれの柱状欠陥の導入条件によってどのように変化するかが焦点である。その結果、B条件の方が特に高い臨界電流密度を示すことが分かった。この結果は、柱状欠陥の磁束ピニング特性の向上効果は、それぞれの柱状欠陥の向上効果の単純な和ではないことを示した。また、その向上効果を最大化するためには、柱状欠陥の数だけでなくその方向の条件を工夫することによって達成可能だということを明らかにした。
古木 裕一*; 末吉 哲郎*; 甲斐 隆史*; 岩永 泰弥*; 藤吉 孝則*; 石川 法人
Physica C, 518, p.58 - 62, 2015/11
被引用回数:4 パーセンタイル:19.47(Physics, Applied)一次元的な磁束ピン止めセンターが交差した場合の酸化物超伝導体の臨界電流密度への影響を明らかにするために、高エネルギー重イオン照射法を利用して、交差角度の変化に対応した臨界電流密度の変化を系統的に調べた。ここで、柱状欠陥は、印加電流方向に平行な交差面内に導入され、c軸に対して対称な方向()に交差させた。このような2方向の柱状欠陥をGdBaCuO酸化物超伝導体に導入し、臨界電流密度の磁場角度依存性を測定した。その結果、交差角度が=15の場合には、磁場角度=c軸方向の周りに1つの鋭い臨界電流密度ピークが現れた。交差角度が=45の場合には、そのピークが、単純にブロードになった。さらに、交差角度を広げて=75にすると、低い交差角度の結果とは大きく異なり、臨界電流密度の増加が見られるが磁場角度依存性が弱くなる方向に働き、3次元的な点状欠陥を導入した場合の結果と似通った結果を示すことが分かった。
末吉 哲郎*; 上滝 哲也*; 古木 裕一*; 浦口 雄世*; 甲斐 隆史*; 藤吉 孝則*; 嶋田 雄介*; 安田 和弘*; 石川 法人
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 25(3), p.6603004_1 - 6603004_4, 2015/06
被引用回数:11 パーセンタイル:50.77(Engineering, Electrical & Electronic)GdBCOコート線材に導入した不連続柱状欠陥による磁束ピン止め特性への影響を、連続柱状欠陥による影響と比較することによって明らかにした。具体的には、270MeV Xeイオン照射効果と80MeV Xeイオン照射効果を比較した。前者の場合、連続的な柱状欠陥を導入することができ、後者の場合不連続的な柱状欠陥が形成されることを、透過型電子顕微鏡観察により確認した。それぞれのイオン照射による臨界電流密度(Jc)の上昇を比較した結果、以下のことが分かった。前者の場合、柱状欠陥の導入方向と同じ方向に磁場が向いているときに、最もJcの上昇が顕著にみられ、磁場角度依存性曲線において未照射試料に見られなかったJcピークが現れた。この傾向は、後者の不連続柱状欠陥の場合にも同様に見られた。ただし、後者の場合には、柱状欠陥の導入方向以外の磁場角度においても、平均的なJcの上昇傾向がみられた。この傾向は、点状欠陥の場合でも見られており、不連続な柱状欠陥は、連続的な柱状欠陥と点状欠陥の影響を合わせ持つような効果を与えることが分かった。超伝導体の応用面からは、ある磁場角度に偏らない形でJcの大きな向上を図ることが望ましいため、不連続な柱状欠陥の導入は、材料設計上優れた手法であることが分かった。
末吉 哲郎*; 上滝 哲也*; 藤吉 孝則*; 光木 文秋*; 池上 知顯*; 石川 法人
Physica C, 494, p.153 - 157, 2013/11
被引用回数:5 パーセンタイル:25.3(Physics, Applied)YBaCuO酸化物超伝導体の電力ケーブル等への応用のためには、高磁場,高温環境でも臨界電流密度が高いことが要求される。そのためには、磁束をピン止めする強いピニングセンターを導入すること、さらに磁束が容易に移動できるダブルキンク機構を抑制するために点状不純物と(磁束と平行な)柱状不純物を適切に導入する必要がある。本研究では、点状欠陥を3次元的に分散させるためにBaZrOナノ粒子を含んだYBaCuO多層膜を作成した。さらに、イオン照射によって強いピン止め中心である柱状欠陥を導入し、最終的に点状不純物と柱状欠陥が混在するハイブリッドピニングセンターを実現した。この試料の評価の結果、BaZrOナノ粒子の寸法が大きい方が臨界電流密度が高くなること、イオン照射により形成された柱状欠陥がBaZrOナノ粒子を上回るピン止め効果を示したこと、膜作成条件によっては照射後試料で高磁場(3Tesla),高温(77.3K)においても高いピン止め効果が働くことを実験的に示した。
末吉 哲郎*; 古木 裕一*; 田中 瑛貴*; 藤吉 孝則*; 光木 文秋*; 池上 知顯*; 石川 法人
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 23(3), p.8002404_1 - 8002404_4, 2013/06
被引用回数:8 パーセンタイル:42.26(Engineering, Electrical & Electronic)YBaCuO(YBCO)酸化物超伝導体の電力ケーブル等への応用のためには、どの磁場角度においても臨界電流密度が高いレベルであることが要求されるが、もともとYBCOは、その結晶構造の異方性のために軸方向の磁場に弱いという欠点がある。その欠点を克服するために、高エネルギー重イオンを軸方向から及び斜め(off-軸)方向からイオン照射し、どの照射角度条件のときに最適な臨界電流密度の磁場角度依存性を示すかを調べた。その結果、どの照射条件のときも、磁場が軸方向のときの臨界電流密度が改善した。幾つかの照射条件の中でも、照射方向が、60のものが最も良好な角度依存性を示し、柱状欠陥を広角に交差させることによって臨界電流密度をすべての磁場角度において、まんべんなく向上させることができることがわかった。
石川 法人; 末吉 哲郎*; 岩瀬 彰宏; 知見 康弘; 藤吉 孝則*; 宮原 邦幸*; 木須 隆暢*
Physica C, 357-360(Part.1), p.505 - 508, 2001/09
レーザーアブレーション法により作ったYBaCuO薄膜に、200MeV Auイオンを-45°の方向から照射し、傾いた柱状欠陥を試料中に導入した。照射前後に臨界電流密度の磁場角度依存性をその場測定し、さらにその磁場依存性を調べた。その結果、1~3Tの磁場領域においては磁束1本1本がそれぞれ柱状欠陥にピニングされるという描像よりむしろ磁束のbundleが柱状欠陥によってピニングされていると解釈した方がよいと結論づけることができる。