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論文

Magnetic structure and quadrupolar order parameter driven by geometrical frustration effect in NdB$$_4$$

山内 宏樹; 目時 直人; 綿貫 竜太*; 鈴木 和也*; 深澤 裕; Chi, S.*; Fernandez-Baca, J. A.*

Journal of the Physical Society of Japan, 86(4), p.044705_1 - 044705_9, 2017/04

 被引用回数:13 パーセンタイル:64.28(Physics, Multidisciplinary)

$$T_{rm 0}=17.2$$K、$$T_{rm N1}=7.0$$K、and $$T_{rm N2}=4.8$$Kで相転移を示すNdB$$_4$$の中間秩序相の磁気構造、および、秩序変数を決定するために、中性子回折実験を行った。II相($$T_{rm N1} < T < T_{rm 0}$$)で観測された回折パターンは、正方晶$$ab$$面内の静的磁気モーメントによる秩序構造を仮定することでよく説明できた。また、II相の磁気構造が二つのノンコリニアな反強磁性構造("all-in/all-out"型と"vortex"型)の線形結合で一意的に説明できることを見出した。この特異な磁気構造が実現する主要素として、我々は、「(1)磁気相互作用の優位性を抑制する幾何学的フラストレーションの効果、(2)ノンコリニアな磁気構造と四極子秩序を安定化させる四極子相互作用の重要性」の二つを提唱した。

論文

Nanoscopic structural investigation of physically cross-linked nanogels formed from self-associating polymers

関根 由莉奈; 遠藤 仁*; 岩瀬 裕希*; 竹田 茂生*; 向井 貞篤*; 深澤 裕; Littrell, K. C.*; 佐々木 善浩*; 秋吉 一成*

Journal of Physical Chemistry B, 120(46), p.11996 - 12002, 2016/11

 被引用回数:10 パーセンタイル:26.96(Chemistry, Physical)

コントラスト変調中性子小角散乱法を用いてコレステロール置換プルラン(CHP)が形成するナノゲルの内部微細構造の評価を行った。溶媒の重水分率の異なるCHPナノゲル水溶液の散乱強度を分離してCHPナノゲルを構成するプルラン、コレステロール、プルランーコレステロールのcross-termの部分散乱関数を求めて解析を行った。結果、プルラン鎖が形成するナノゲル骨格は半径8.1nmの大きさであった。また、CHPナノゲル内において、約3個のコレステロール分子から成る架橋点が19個形成され、フラクタル次元2.6で分布していることを明らかにした。また、架橋点と高分子鎖のcross-termを解析したところ、部分鎖の大きさは半径約1.7nmであった。以上の結果より、ナノゲルの内部微細構造を明らかにした。

論文

Neutron diffraction of ice and water in hydrogels

関根 由莉奈; 小林 理気*; Chi, S.*; Fernandez-Baca, J. A.*; 鈴谷 賢太郎; 藤崎 布美佳*; 池田 一貴*; 大友 季哉*; 深澤 倫子*; 山内 宏樹; et al.

JPS Conference Proceedings (Internet), 8, p.033009_1 - 033009_6, 2015/09

ハイドロゲル中の水の構造や特性を調べるため、100-300Kにおける低含水率のポリN,N,-ジメチルアクリルアミドハイドロ(PDMAA)ゲルの中性子回折パターンを測定した。低温下で観察されたブロードな回折パターンは昇温過程において変化し、220Kにおいて鋭いピークが観察された。これらの回折パターンを解析することにより、低含水率のゲル中には低温下でアモルファス氷が存在し、それらは昇温と共に立方晶氷, 六方晶氷に変化することを明らかにした。

論文

Dependence of structure of polymer side chain on water structure in hydrogels

関根 由莉奈; 高木 紀*; 須藤 小葉子*; 梶原 祐太郎*; 深澤 裕; 深澤 倫子*

Polymer, 55(24), p.6320 - 6324, 2014/11

 被引用回数:26 パーセンタイル:67.65(Polymer Science)

ハイドロゲルにおいて高分子側鎖が水の構造に及ぼす影響を調べるため、ポリアクリルアミドゲル(PAA)及びポリ$$NN$$ジメチルアクリルアミドゲル(PDMAA)のラマンスペクトルを測定した。PAAとPDMAAは側鎖以外は同じ化学構造を有するポリマーである。結果、水分子の振動を示すO-H伸縮振動はPAAの場合含水率の減少に伴い低波数側にシフトし、PDMAAの場合は高波数側にシフトした。これらの結果より、PAAゲルにはPAAの親水基と強い水素結合で結合した水分子が存在し、一方、PDMAAゲルには弱い水素結合でネットワーク化した水分子が存在することを明らかにした。PAAとPDMAAはほぼ同様の構造を持つにも関わらず、側鎖の違いにより水分子の構造を大きくことなることが分かった。これらの水と高分子に関する知見は、新たな高分子材料の開発に極めて重要である。

論文

Neutron diffraction of ice in hydrogels

関根 由莉奈; 深澤 倫子*; 相澤 守*; 小林 理気*; Chi, S.*; Fernandez-Baca, J. A.*; 山内 宏樹; 深澤 裕

Journal of Physical Chemistry B, 118(47), p.13453 - 13457, 2014/08

 被引用回数:2 パーセンタイル:3.74(Chemistry, Physical)

ハイドロゲル中に存在する水の構造や性質を明らかにすることを目的として、10-300Kにおける重水を含むポリ$$N$$,$$N$$,-ジメチルアクリルアミドハイドロ(PDMAA)ゲルの中性子回折パターンを測定した。250K以下において観察された回折ピークは、ゲル中に氷が存在することを示した。これらのピーク位置は、通常の六方晶の氷(Ice Ih)よりも低い角度であった。このピーク位置のシフトはゲル中の氷の構造における$$a$$軸, $$c$$軸の格子が通常のIce Ihよりも各々0.29, 0.3%大きいことを示す。この結果は、PDMAAゲル中に低密度の氷が存在することを示す。このような氷構造の歪みは、ゲル中における水分子と高分子鎖の相互作用によるものと考えられる。

論文

The Existence of memory effect on hydrogen ordering in ice; The Effect makes ice attractive

荒川 雅*; 鍵 裕之; Fernandez-Baca, J. A.*; Chakoumakos, B.*; 深澤 裕

Geophysical Research Letters, 38, p.L16101_1 - L16101_5, 2011/08

 被引用回数:15 パーセンタイル:39.44(Geosciences, Multidisciplinary)

水素の配置が秩序化した強誘電性の氷XIが宇宙に存在することは、その強いクーロン力の存在により、宇宙物理学や物理化学の分野の関心になっている。しかしながら、強誘電性氷が形成可能な温度領域が狭いことから、その宇宙全体への影響は限られていると考えられてきた。われわれは、中性子回折の実験から、微小な水素秩序領域が従来予測より高い温度で存在し、この秩序領域が氷XIを大きくバルク状に成長させることを発見した。この微小秩序領域は氷XIの残留構造であることから、これを氷の水素秩序化の「メモリー」と名付けた。このメモリーは少なくとも111Kまでは存在し、その影響により、太陽系の多くの氷が水素秩序化しており強誘電体でもあると推定される。この微小秩序領域は氷がかかわる宇宙化学的特性や進化の過程を支配している。

論文

Structure and properties of ferroelectric ice

深澤 裕; 荒川 雅*; 鍵 裕之; 山内 宏樹; Chakoumakos, B. C.*; Fernandez-Baca, J. A.*

Physics and Chemistry of Ice 2010, p.421 - 428, 2011/03

宇宙に存在する氷が強誘電体として存在するか否かは、その強い電気的な引力が宇宙での物質進化や水素結合にとって重要な要素であることから、大きな関心が寄せられている。われわれは、中性子回折と中性子散乱の実験から、カリウム,ナトリウム,リチウムといった不純物を混入させて秩序化の触媒として機能させた試料を育成し、その構造と物性を研究した。時間分割の回折実験は、水素秩序配置を有する強誘電性の氷XIが核生成し、約5日間、時間の経過に伴って成長することを示した。不純物を含有させた氷のうち、一度XIに変化した経験のある試料がそうではない試料に比べてより強い強誘電性を有することを見いだした。高圧下で強誘電性氷が存在することや、加圧下のアモルファス氷から強誘電性氷が発生することも示した。

論文

Neutron diffraction study of hydrogen-ordered ice XI; Annealing effect and memory effect

荒川 雅*; 鍵 裕之; Fernandez-Baca, J. A.*; Chakoumakos, B. C.*; 深澤 裕

Physics and Chemistry of Ice 2010, p.329 - 338, 2011/03

KOD, NaOD, LiOD, Ca(OD)$$_{2}$$及びND$$_{3}$$を含有させた氷の中性子回折を測定した。KOD及びNaODを含有させた氷試料においては、通常の氷(Ih)の水素秩序相である氷XIの存在が確認された。一方で、Ca(OD)$$_{2}$$及びND$$_{3}$$を含有させた氷試料では氷XIが発生しなかった。すべての試料に対してリートベルド解析を用いて試料中の氷XIの質量比($$f$$)を求めた。一度氷XIに変化した経験のある試料は、経験したことのない試料よりも高い$$f$$の値を有することがわかった。この結果は、微小な水素秩序領域が氷XIとIhの転移温度以上で存在することが示唆している。また、$$f$$に対する含有物の種類と量の影響を分析したところ、低濃度の場合に高い$$f$$の値を示すことも明らかになった。以上の結果は、太陽系などに存在する氷の天体に大量の水XIが存在していることを示している。さらに、この論文では微小な水素秩序領域と原始太陽系における氷粒子の進化について考察した。

論文

Crystal structure and nuclear density distribution of LiCo$$_{1/3}$$Ni$$_{1/3}$$Mn$$_{1/3}$$O$$_{2}$$ analyzed by Rietveld/maximum entropy method

井川 直樹; 田口 富嗣; 深澤 裕; 山内 宏樹; 内海 渉

Journal of the American Ceramic Society, 93(8), p.2144 - 2146, 2010/08

 被引用回数:17 パーセンタイル:66.1(Materials Science, Ceramics)

LiCo$$_{1/3}$$Ni$$_{1/3}$$Mn$$_{1/3}$$O$$_{2}$$のLi伝導経路を解明するため粉末中性子回折実験を行い、リートベルト法及び最大エントロピー法解析を行って、その結晶構造と原子核密度分布を求めた。リートベルト法によって、その結晶構造は基本的にはLiCoO$$_{2}$$と同じであり、Liと酸素は各々3${it a}$, 6${it c}$を占有し、Co, Ni, Mnはランダムに3${it b}$サイトを占めること、また、およそ4%のLiとNiがカチオン交換をしていることが明らかになった。最大エントロピー法解析の結果、Liは(001), (003), (00-3)面上の3${it a}$-9${it e}$-3${it a}$サイトを介して拡散していることがわかった。

論文

中性子ビームによる氷天体の構造解明; 強誘電性の発現と物質進化

深澤 裕

日本結晶学会誌, 52(4), p.219 - 225, 2010/08

粉末中性子回折の実験から、強誘電体の氷が発生する温度と圧力,成長に要する時間等を研究した。その結果に基づいて、冥王星などの氷の天体に、表面から内部にかけて強誘電体の氷が存在するとの仮説を提案した。この仮説の実証に必要な観測方法を考案している。強誘電性の氷の構造と性質は、物質の進化や惑星の形成と密接にかかわっている可能性があり、中性子ビームを用いてその全容の解明に取り組んでいる。現在、探査機が冥王星に近づいているが、大量の強誘電性氷が発見されることを期待している。

論文

CO$$_{2}$$ motion in carbon dioxide deuterohydrate determined by applying maximum entropy method to neutron powder diffraction data

井川 直樹; 田口 富嗣; 星川 晃範*; 深澤 裕; 山内 宏樹; 内海 渉; 石井 慶信*

Journal of Physics and Chemistry of Solids, 71(6), p.899 - 905, 2010/06

 被引用回数:10 パーセンタイル:43.49(Chemistry, Multidisciplinary)

10Kから200Kの温度における炭酸ガスハイドレートの結晶構造を粉末中性子回折によって調べ、最大エントロピー法によって、ハイドレート中のCO$$_{2}$$に焦点を当てた中性子散乱長密度分布図を求めた。小ケージ中では、CO$$_{2}$$の炭素はケージの中心に存在し、その周りを酸素が一様に自由回転していることが明らかになった。一方、大ケージ中では、炭素はケージの中心に存在し、酸素はケージの六員環に平行で炭素を含む面上において炭素を中心に回転していることがわかった。

論文

Annealing effects on hydrogen ordering in KOD-doped ice observed using neutron diffraction

荒川 雅*; 鍵 裕之; 深澤 裕

Journal of Molecular Structure, 972(1-3), p.111 - 114, 2010/05

 被引用回数:7 パーセンタイル:16.12(Chemistry, Physical)

これまでの研究では、氷XIの核形成は65K以下で起こると考えられてきた。しかし、本研究では、過去に氷XIを経験した試料においては、これまでに報告されてきたよりも高い温度(70K, 72K)でXIの成長が観測された。水素秩序化を経験したことのある氷には、110Kにおいても微小(数nm以下)な水素秩序化領域が存在し、それがテンプレートとなり、XIの成長が起こったことが示唆された。本成果は、普通の氷Ihの中の短周期の水素秩序化構造の存在を示す、極めて重要な発見である。

論文

粉末中性子回折による強誘電体の氷の研究; 宇宙進化の謎解明を目指して

深澤 裕

Radioisotopes, 59(3), p.239 - 247, 2010/03

氷はありふれていながらも興味深い性質を持つ物質である。氷の水素の配置が秩序化すれば、普通の氷と異なり、電荷に偏りを持つ強誘電体になる。強誘電体の氷は、万有引力よりはるかに強い電気的な力があり、宇宙での物質進化や惑星形成を促進すると考えられる。最近、粉末中性子回折の実験から、強誘電体の氷が発生する温度と圧力,成長に要する時間等を明らかにした。その結果に基づいて、冥王星などの天体に、表面から内部にかけて強誘電体の氷が大量に存在するとの仮説を提案した。さらに、この仮説の実証に必要な観測方法を考案した。

論文

Neutron powder diffraction and difference maximum entropy method analysis of protium- and deuterium-dissolved BaSn$$_{0.5}$$In$$_{0.5}$$O$$_{2.75+alpha}$$

長崎 正雅*; 塩谷 真也*; 井川 直樹; 吉野 正人*; 岩崎 航太*; 深澤 裕; 内海 渉

Journal of Solid State Chemistry, 182(10), p.2632 - 2639, 2009/10

 被引用回数:6 パーセンタイル:23.75(Chemistry, Inorganic & Nuclear)

プロトン伝導体中の水素の結晶位置の詳細を明らかにするため、中性子回折データを用いた差最大エントロピー法(差MEM)を提案した。この方法は結晶中に取り込まれた水素と重水素の構造因子の差を利用した手法である。本法のシミュレーションでは水素原子の分布のみではなく、水素原子付近の空間分解能を改善させることを明らかにした。また、本法を水素と重水素を溶解させたBaSn$$_{0.5}$$In$$_{0.5}$$O$$_{2.75+alpha}$$の9Kで測定した回折データに適用することで、O-D結合が第2近接酸素方向へ傾いていること、そしてその水素と酸素原子の分布は格子間位置には存在しないことを明らかにした。

論文

Laboratory measurements of infrared absorption spectra of hydrogen-ordered ice; A Step to the exploration of ice XI in space

荒川 雅; 鍵 裕之; 深澤 裕

Astrophysical Journal; Supplement Series, 184(1), p.361 - 365, 2009/09

 被引用回数:26 パーセンタイル:55.11(Astronomy & Astrophysics)

研究用原子炉から発する中性子を用いて氷中の水素の配置を研究し、通常の氷とは異なり、水素の配置が秩序化した氷(氷XIと呼ばれる)が宇宙に存在するとの仮説を提案している(Fukazawa et al. ApJ 2006)。この提案はサイエンス誌や新聞,テレビで報道されるなど一般にも関心が広がったが、仮説の実証方法ははっきりとしていなかった。今回、私たちは薄膜状の氷XIを作り、その赤外吸収のスペクトルを測定することに成功した。その結果、スペクトルに見える複数のピークが通常の氷より鋭くなることを発見した。天体望遠鏡や探査機によって、天王星から冥王星の距離に存在する氷の赤外スペクトルを測定すれば、氷XIが見つかると予測した。氷XIはプラスの水素が揃ったことで強誘電体の性質があり、電気的に強い力をもって結合する。もし赤外線の測定で宇宙に氷XIの存在が確認されたら、惑星の形成や物質の進化の過程に氷の電気的な力が大きく働いたといえる。現在、J-PARCの強い中性子ビームを用いて、秩序化の程度と赤外スペクトルの変化の関係を定量化しており、太陽系に一体どの程度の氷XIが存在するのか、その正確な量を観測と探査から解明していく。

論文

Crystal structure and lattice vibration of proton dissolved BaZr$$_{0.8}$$Sc$$_{0.2}$$O$$_{2.9}$$

下山 智隆*; 東條 壮男*; 川路 均*; 阿竹 徹*; 深澤 裕; 井川 直樹

Solid State Ionics, 180(6-8), p.560 - 562, 2009/05

 被引用回数:6 パーセンタイル:29.51(Chemistry, Physical)

高いプロトン伝導性を有するBaZr$$_{0.8}$$Sc$$_{0.2}$$O$$_{2.9}$$中のプロトンの存在位置を粉末中性子回折実験によって測定し、Rietveld解析及び最大エントロピー法解析によって調べた。その結果、プロトンは酸素イオン近傍の12${it h}$サイトを占めることが明らかになった。このプロトンを含むBaZr$$_{0.8}$$Sc$$_{0.2}$$O$$_{2.9}$$の比熱はプロトンを含まない試料に比べて大きい。この差について水素導入による格子振動と結晶構造変化から考察する。

論文

水素貯蔵材料の高圧中性子散乱実験

町田 晃彦; 大友 季哉*; 服部 高典; 深澤 裕

高圧力の科学と技術, 19(1), p.24 - 30, 2009/02

水素貯蔵材料又は水素化物における興味として、格子間に位置する水素と周りの金属原子との相互作用を理解することがその一つとして挙げられる。中性子散乱実験は、格子間水素の位置を決定できる実験手法であり、水素-金属間相互作用の研究に最適な手法である。高圧下で高水素密度状態を実現した際に金属格子が特異な構造変化を示すことが放射光X線回折実験から調べられているが、高圧下中性子散乱実験により、構造変化における水素位置の変化も明らかにでき、水素原子の役割もより明確になるものと期待される。本解説ではJ-PARC並びにJRR-3で準備を進めているパリ・エディンバラ高圧セルと水素ガス圧セルについて述べる。

論文

氷XIの発生と成長; 中性子回折実験で宇宙に強誘電体の氷が存在することを提唱

深澤 裕

日本結晶学会誌, 51(1), p.84 - 85, 2009/02

氷の中性子回折の実験を行い、水素の配置に着目した詳細な構造解析を行った。その結果に基づいて、低温高圧下で生じるさまざまな氷の状態について考察し、冥王星等で実現する160K以下で真空から数万気圧の圧力で生じる氷の相転移、特に氷天体の内部構造等特に冥王星の表面から内部に存在する強誘電体の氷の分布について解説した。

論文

Existence of ferroelectric ice on planets; A Neutron diffraction study

深澤 裕; 星川 晃範*; Chakoumakos, B. C.*; Fernandez-Baca, J. A.*

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 600(1), p.279 - 281, 2009/02

 被引用回数:12 パーセンタイル:62.36(Instruments & Instrumentation)

氷には14種類以上の結晶構造が存在し、複数の準安定状態,アモルファル状態が存在する。氷の多様な状態は、水素結合系の物性研究の対象として興味深いことに加えて、最近では、天体観測や惑星探査による氷天体の惑星科学からも注目されている。現在、150K以下で生じるさまざまな構造相転移について、オークリッジ国立研究所の研究用原子炉の中性子ビームを用いて研究している。本講演では、これまでの取り組みで得られた成果を発表するとともに、今後の研究展開の概要について報告する。

報告書

中性子ビーム増強のための非対称反射を用いたゲルマニウム結晶モノクロメータの開発

山内 宏樹; 石井 慶信*; 井川 直樹; 深澤 裕; 内海 渉

JAEA-Research 2008-077, 28 Pages, 2008/10

JAEA-Research-2008-077.pdf:24.52MB

原子力機構の中性子粉末回折装置HRPDは、高分解能データを望むユーザーの要望を満たす一方で、検出器前のコリメータが6$$'$$の固定式であるため、測定に応じた適切な分解能選択ができず、高強度測定には適さない。これは爆発的に増加している外部利用に対して大きな足枷である。そこで筆者らは非対称反射を応用したビームの空間的圧縮による線束強度向上を目指すモノクロメータの改良を行った。モノクロメータ結晶はホットプレスで20$$'$$程度のモザイクを導入したGe単結晶を用いた。ビーム圧縮率と中性子吸収量の考察から回折面と切削表面が成す非対称角度を40$$^circ$$とし、非対称Braggケースで3,3,1反射を取り出すようにした。粉末標準試料の中性子回折パターンを非対称及び対称反射型とで比較した結果、ピーク強度は約1.2倍と改善したものの分解能も向上したため、積分強度ではほぼ同等となり、事前の理論予測から期待された強度増強は得られなかった。これは、モザイク結晶での非対称反射において圧縮されたビーム強度を相殺する形で反射率の低下が起こることが原因と考えられる。

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