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福井 寿樹*; 牧 隆*; 三浦 信之; 塚田 毅志*
原子力バックエンド研究(CD-ROM), 23(2), p.169 - 173, 2016/12
次世代再処理ガラス固化技術基盤研究は、低レベル廃棄物をより安定した廃棄体とするためのガラス固化技術の基盤整備およびその知見を反映した高レベル廃液成分をより多くガラスに取り込む技術の開発を目的として、平成26年度から平成30年度までの5年間実施する計画である。
岡本 芳浩; 中田 正美; 赤堀 光雄; 駒嶺 哲*; 福井 寿樹*; 越智 英治*; 仁谷 浩明*; 野村 昌治*
電気化学および工業物理化学, 81(7), p.543 - 546, 2013/07
被引用回数:6 パーセンタイル:18.03(Electrochemistry)高温溶融状態の高レベル模擬ガラス中のルテニウム元素の挙動と化学状態を、放射光X線イメージング技術を使用して分析した。溶融から気泡発生、ルテニウムの凝集と沈殿までを、12ビットCCDカメラで動的に観察した。X線強度は、画像の濃淡を数値化することによって得た。また、ルテニウムの存在は、そのK吸収端直後のエネルギーにおいては、図中にて黒く強調されて観測される。位置分解能を備えたイメージングXAFS分析技術を駆使して、溶融状態のルテニウムの化学状態についても調べた。
岡本 芳浩; 中田 正美; 赤堀 光雄; 駒嶺 哲*; 福井 寿樹*; 越智 英治*; 仁谷 浩明*; 野村 昌治*
Proceedings of 4th Asian Conference on Molten Salt Chemistry and Technology & 44th Symposium on Molten Salt Chemistry, Japan, p.47 - 52, 2012/09
模擬ガラスの溶融状態と融体中のルテニウムの挙動を、放射光イメージング分析によって調べた。溶融,気泡の発生と成長、ルテニウムの凝集と沈降を、高感度CCDカメラの12ビットグレースケール連続画像として動的に観察した。ルテニウムの存在は、画像中に黒色で強調される。また、透過X線強度は、画像のグレースケールを数値化することによって得た。さらに、位置分解能を備えたイメージングXAFS測定を行い、高温融体中のルテニウムの化学状態を明らかにする試みを実施した。
岡本 芳浩; 中田 正美; 赤堀 光雄; 塩飽 秀啓; 駒嶺 哲*; 福井 寿樹*; 越智 英治*; 仁谷 浩明*; 野村 昌治*
日本原子力学会和文論文誌, 11(2), p.127 - 132, 2012/06
模擬ガラス中のルテニウム元素の分布とその化学状態を、放射光イメージング測定技術を使い分析した。この方法では、ダイレクトX線CCDカメラを、イオンチェンバーの代わりに使用している。X線CCDカメラによる画像の濃淡を数値化解析することにより、位置分解能を備えたX線吸収スペクトルが取得可能である。本研究では最初に、ルテニウム金属と酸化物が混在したテスト試料の測定を実施した。その結果、ルテニウム元素の分布情報を取得できたうえに、さらにルテニウムリッチの微小領域における化学状態、すなわちそれが金属か酸化物かの評価が可能であることを示すことができた。この手法を模擬ガラス試料へ適用し、ガラス中のルテニウム元素が酸化物の状態でいることを明らかにした。
金川 昭宏*; 岩月 仁; 田中 伸幸; 小貫 薫; 福井 裕*; 西林 俊樹*
JAEA-Technology 2007-061, 32 Pages, 2007/12
熱化学水素製造法ISプロセスにとって、ヨウ素を含むヨウ化水素酸(HIx溶液)からヨウ化水素を分離する方法の開発は重要な技術課題である。パーベーパレーション(PV)によるHIx溶液濃縮について、ISプロセスパイロットプラント試験装置への適用性評価の観点から、プロセス熱物質収支,水素製造量30m/h規模の装置概念、及び膜モジュールの耐食性を検討し、以下の知見を得た。PV法は、相変化のない電解電気透析法に比べ、水蒸発を伴うため熱効率は劣るものの、体積あたり大きな膜面積の得られる中空糸が利用できること及び電極が不要であることから、コンパクトな機器構成が実現できる。当該PVに利用可能なNafion中空糸を組み込んだ膜モジュールが市販されており、構成材の大部分は100CのHIx溶液に耐えるが、中空糸のバンドル材は耐食性を示さず耐食材料の選定が必要である。
天本 一平; 明珍 宗孝; 福井 寿樹*
New Glass, 22(2), p.21 - 26, 2007/06
乾式再処理プロセスの一つである金属電解法では、核分裂生成物(FP)等を含有した電解質(LiCl-KCl)が廃塩として定常的に発生するため、塩中のFP等を取り除いて、再使用していく必要がある。廃塩の再生プロセスとして、溶融廃塩中のアクチニド元素を還元・抽出した後、ゼオライトでFPを吸着除去する技術検討がなされているが、破過したゼオライトは次工程(廃棄物処理工程)でソーダライトに変換して安定化処理するため、新たに高レベル放射性廃棄物(HLW)が二次廃棄物として発生することになる。この問題を解決するために、リン酸塩転換法が提案されている。この方法によれば、廃塩中のFP等をリン酸塩転換することにより沈殿物として除去し、さらに鉄リン酸ガラスに包蔵することにより安定化できる。本報告は、核燃料サイクルにおけるリン酸塩転換法の役割と、固化体とするための材料である鉄リン酸ガラスの物性や利点に焦点を合わせて解説している。
中島 幹雄; 中塩 信行; 亀尾 裕; 福井 寿樹*; 磯部 元康*; 大竹 敦志*; 涌井 拓治*; 平林 孝圀*
Radiochimica Acta, 91(1), p.45 - 51, 2003/01
被引用回数:2 パーセンタイル:19.02(Chemistry, Inorganic & Nuclear)非移行型プラズマトーチを用いて、CsとCoを含む模擬非金属雑固体廃棄物を溶融し、溶融固化体中のCs及びCo残存率に及ぼす塩基度とFeO濃度の効果を調べた。AlO,CaO,FeO,SiOを主成分とする溶融固化体中のCo残存率は、溶融固化体の化学組成に依存せずほぼ一定であった。一方Cs残存率は溶融固化体の塩基度の増加に従って減少したが、FeO濃度には依存しないことがわかった。また、メスバウアースペクトル測定により、溶融固化体中のFeイオンはSiOの三次元網目構造中で網目修飾イオンとして存在することが確かめられた。その結果、SiOガラスの構造モデルに基づく考察から、同じ網目修飾イオンであるCaとFeが、非架橋酸素と結合してつくる網目間構造の違いがCs残存率に影響を及ぼしているものと推論した。
中島 幹雄; 福井 寿樹*; 中塩 信行; 磯部 元康*; 大竹 敦志*; 涌井 拓治*; 平林 孝圀*
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(6), p.687 - 694, 2002/06
被引用回数:15 パーセンタイル:67.96(Nuclear Science & Technology)原研における低レベル放射性廃棄物の高減容処理プログラムの一環として、処分に適した安定な固化体を製作するための溶融条件の最適化を図るために、非金属雑固体廃棄物の溶融試験を行った。模擬廃棄物をCo,Cs,Euとともに非移行型プラズマトーチで溶融し、固化体の化学組成と物理的特性,及び放射性核種分布と残存率を調べた。固化体はほぼ均質で、十分な機械的強度を有している。放射性核種は固化体内に均一に分布し、固化体に残存するCs量はスラグ塩基度に依存したが、Csのそれは依存しなかった。スラグ相中にCoを含む微小な金属粒が観察された。これは還元性の雰囲気下での金属酸化物の還元によるものであった。
森本 靖之; 大林 弘; 後藤 浩仁; 栃木 善克*; 福井 寿樹*; 荒井 和浩*
JNC TJ6410 2002-013, 38 Pages, 2002/02
スクラップウランの処理技術として、ウランを六フッ化ウラン(UF6)にフッ化して揮発・除去する処理の適用性確認試験を実施した。試験は、回収ウランを含み、特に粉砕等の前処理を実施していないNaFペレットを用い、フッ化ガスとして三フッ化塩素(ClF3)ガスを使用して実施した。試験の結果、NaFペレットに平均で2.710 5ppm含まれるウランを最大で99.93Wt%除去して311ppmまで低減できることが分かった。また、フッ素(F2)ガスを使用した比較試験の結果ClF3が全条件でF2より高い除染性能を示すことが分かった。特に、ClF3では、200程度の低温フッ化処理を組み合わせることで、使用ガス量を低減しつつ処理性能を向上させることが分かったが、同条件のF2を使用した試験では除染性能が低減した。
福井 寿樹; 中塩 信行; 磯部 元康; 大竹 敦志*; 涌井 拓治*; 平林 孝圀*; 中島 幹雄
JAERI-Review 2000-033, 82 Pages, 2001/02
原子力施設において発生する低レベル雑固体廃棄物をプラズマ加熱により溶融処理し、安定した品質の溶融固化体を製作するためには溶融スラグの流動性を向上する必要がある。一般には、より高温で溶融処理し、溶融助剤等を添加することにより流動性を向上することが考えられるが、耐火物侵食の抑制や減容性の確保といった観点からは望ましい方法とはいえない。そこで、本稿では廃棄物中に含まれ、溶融スラグに対して流動性向上が期待される化学成分(FeO)に着目し、溶融スラグの流動性を向上させるとともに、溶融条件の緩和を図るものとした。まず、状態図及び粘性データの文献調査により、流動性向上成分であるFeOによる溶融スラグの融点降下及び粘性低下が期待できることを確認した。さらに、実際の雑固体廃棄物処理を想定し、融点降下及び粘性低下の観点から最適な溶融条件を検討した結果、(CaO+FeO)/(SiO+AlO)で定義される塩基度を0.5~0.6以上に保つことにより、安定した溶融処理が可能であることがわかった。
中塩 信行; 磯部 元康; 涌井 拓治*; 岩田 圭司*; 木林 辰行*; 金沢 勝雄; 福井 寿樹; 大竹 敦志*; 中島 幹雄; 平林 孝圀*
JAERI-Research 2001-001, 19 Pages, 2001/02
模擬雑固体廃棄物を、高周波誘導加熱とプラズマ加熱を併用するハイブリッド加熱方式及び導電性るつぼを用いる高周波誘導加熱方式の2つの溶融方式によって溶融し、雑固体廃棄物の溶融挙動を調べるとともに、溶融固化体の特性を評価した。製作した溶融固化体には強度を損なうような有害な空隙もなく、溶け残りなども見られず、ハイブリッド加熱方式で製作した溶融固化体の一部で見られたボイドの残存も、脱酸素剤を添加することにより低減できた。また、溶融固化体のスラグ層、金属層の化学成分分析、圧縮強度試験、比重測定の結果、溶融処理によって雑固体廃棄物を十分に均質化、安定化できるが溶融炉耐火材・るつぼ材の溶湯への溶け込み及び脱酸素剤が固化体中化学成分に影響を与える場合があることがわかった。一方、安定同位体トレーサーを用いて核種移行挙動を調べた結果、Coは金属層へ、Csはスラグ層に分布し、Csの残存率は加熱方式に影響を受けることがわかった。
中塩 信行; 涌井 拓治*; 大竹 敦志*; 中島 幹雄; 福井 寿樹*; 磯部 元康*
Proceedings of 8th International Conference on Radioactive Waste Management and Environmental Remediation (ICEM '01) (CD-ROM), 4 Pages, 2001/00
低レベル雑固体廃棄物の溶融処理の最適化を目的として、模擬雑固体廃棄物を非移行式プラズマトーチの加熱によって溶融し、溶融時における核種移行挙動,溶融固化体の物性を調べた。溶融固化体の分析結果から、化学成分と加熱時間の変化がCsの移行挙動に影響を与えることがわかった。ほぼすべてのEuは溶融固化体に残存していた。また、得られた溶融固化体はほぼ均一であり、十分な圧縮強度を有していることが明らかになった。
福井 寿樹; 中塩 信行; 磯部 元康; 大竹 敦志*; 涌井 拓治*; 中島 幹雄; 平林 孝圀*
第7回動力・エネルギー技術シンポジウム講演論文集 (00-11), p.356 - 359, 2000/00
原子力施設において発生する低レベル雑固体廃棄物の減容・安定化技術として、プラズマ加熱を用いた溶融処理技術の開発を行っている。本報告では、プラズマ溶融の基本的な溶融特性を把握するため、コンクリート及びステンレス鋼を模擬廃棄物とした溶融試験を実施し、昇温挙動や熱収支(加熱効率)等の昇温特性を明らかにした。また、コンクリートに模擬焼却灰やステンレス鋼を添加した模擬廃棄物を用いて、放射能挙動(均一性,残存率)やスラグ成分の揮発挙動等を確認した。
加藤 淳也; 宮内 厚志; 青嶋 厚; 塩月 正雄; 山下 照雄; 中島 正義; 守川 洋; 三浦 昭彦; 福井 寿樹*; 山崎 晶登*; et al.
no journal, ,
本技術開発の目的は、高レベル放射性廃液の処理処分コスト低減等を図るため、現行のガラス固化溶融炉を高度化し、溶融炉の長寿命化を実現することである。そのため溶融炉の寿命を決定している耐火材の侵食並びに電極消耗の2点に対して対策を講じた新たな長寿命ガラス固化溶融炉の技術開発を行う。耐火物侵食対策としては、溶融炉壁を冷却することによりスカル層(ガラス固体層又は低温高粘性流体層)を形成させ、ガラスによる侵食抑制を図る「長寿命炉壁構造」の開発を行う。電極消耗対策については、現在、炉に固定されている電極を消耗品として容易に交換できるようにするとともに、加熱領域の柔軟性等を有する「可換式電極構造」の開発を行う。また、本開発においては長期に安定な運転条件を把握するため、シミュレーション解析等を進めるとともに、各技術の検証のための小型試験装置の設計及び製作,コールド試験を行い、次世代ガラス固化溶融炉として実用化を図る。
山下 照雄; 三浦 昭彦; 加藤 淳也; 塩月 正雄; 大野 勇*; 福井 寿樹*; 山崎 晶登*; 松本 史朗*
no journal, ,
本技術開発の目的は、高レベル放射性廃液の処理処分コスト低減等を図るため、現行のガラス固化溶融炉を高度化し、溶融炉の長寿命化を実現することである。長寿命炉の要求機能に基づく候補炉形式を具体化するとともに、主要高度化技術であるスカル層形成機能及び可換式電極構造について、設計検討,基礎試験及び解析評価により成立性を評価し、開発目標である炉寿命20年間を達成できる溶融炉概念と各技術条件の見通しが得られた。これらの成果をもとに次年度以降、各要素技術評価試験,小型炉試験,シミュレーション解析評価を実施し、平成20年度までに長寿命炉の基本仕様を具体化し成立性を確認する。
久保 真治; 大橋 弘史; 金川 昭宏; 笠原 清司; 今井 良行; 福井 裕*; 西林 俊樹*; 島崎 正則*; 宮下 礼子*; 田子 康弘*; et al.
no journal, ,
熱化学法ISにて安定した水素製造を行うため、閉サイクルプロセス運転技術の検討を行った。水素発生量,酸素発生量及び原料水供給量の割合を水分解量論比に一致させる運転技術を開発した。本方法は、各工程間に設置したバッファー容器に現れる溶液量変動を用い量論比からのずれを測定する方法,ブンゼン反応溶液の組成を一定化する方法などから成る。プロセスを運転する際の、主要制御変数,操作変数を決定するとともに、運転方法の有効性を、プロセスシミュレーションにて確認した。加えて、ヘリウムガス加熱にて駆動されるISプロセスにおいて、二つの吸熱工程へ適切な熱量を配分する方法を議論し、ヘリウム加熱酸素発生工程のプロセスシミュレーションにより、その有効性の目処を得た。
岡本 芳浩; 中田 正美; 赤堀 光雄; 湊 和生; 塩飽 秀啓; 駒嶺 哲*; 福井 寿樹*; 仁谷 浩明*; 野村 昌治*
no journal, ,
使用済燃料の再処理で発生した高レベル廃液の処分形態であるガラス中の貴金属元素、特にルテニウムの分布と化学状態を、イメージングXAFS法によって調べる試みを行った。ルテニウムのK吸収端をはさむエネルギー領域をスキャンし、取得したX線CCDカメラの画像の濃淡から強度情報を抽出し、位置分解能を持たせることで、特定の領域におけるルテニウム元素の化学状態を割り出した。試験試料のデータ解析結果から、ルテニウムの分布を導出し、それぞれのルテニウムが分布している微小領域で、ルテニウムが金属の状態なのか酸化物の状態なのかを選別することに成功した。
岡本 芳浩; 中田 正美; 赤堀 光雄; 湊 和生; 塩飽 秀啓; 矢板 毅; 駒嶺 哲*; 福井 寿樹*; 越智 英治*; 仁谷 浩明*; et al.
no journal, ,
従来のイオンチェンバーの替わりにX線ダイレクトCCDカメラを使用した放射光イメージング技術を利用し、高レベル模擬廃棄物ガラス試料中のRu元素の分布とその化学状態を調べた。取得した画像のグレースケール解析から、位置分解能を備えたX線吸収スペクトルを取得した。得られたスペクトルを標準試料のものと比較して、試料中の各部分が酸化物なのか金属なのかを判別した。解析の結果、ガラス利用中ではRuは、酸化物RuOの状態で分布していることを確認した。
高野 公秀; 山岸 功; 赤堀 光雄; 湊 和生; 福井 寿樹*; 吉岡 正弘*
no journal, ,
六ヶ所再処理工場で発生した不溶解残渣の性状を評価するために、示差熱重量分析,X線回折測定,SEM/EPMA分析を行い、空気中での高温酸化挙動を調べた。分析試料として未洗浄残渣と、これをシュウ酸で洗浄しモリブデン酸ジルコニウムを除去した洗浄残渣を用いた。洗浄残渣の主成分は六方晶の白金族合金(Mo-Tc-Ru-Rh-Pd)で、少量のZrOを含有することを確認した。空気流中、室温から1220Cの範囲で示差熱重量分析を行った結果、300から800Cの範囲でMoとRuが順次酸化し始めること、800から900Cの範囲でMoOの大部分が蒸発すること、さらに900C以上でRuOの蒸発が進行することを明らかにした。加熱後試料はRuOを主成分とし、Pd-Rh合金、PdO, ZrOからなる混合物であった。SEM/EPMA分析により、加熱前の不溶解残渣は数十nmから数百nmの微粒子であったが、空気中酸化により、数mまで成長した棒状のRuO結晶と、サブミクロンのPd-Rh合金粒子集合体を形成することがわかった。
高野 公秀; 山岸 功; 赤堀 光雄; 湊 和生; 吉岡 正弘*; 越智 英治*; 福井 寿樹*; 駒嶺 哲*
no journal, ,
不溶解残渣の空気中高温酸化挙動を示差熱重量分析により明らかにするとともに、模擬不溶解残渣合金との酸化挙動の相違を、粒径やTcの有無等の観点から比較検討した。六ヶ所再処理工場で採取した実残渣と、模擬合金の空気中1220Cまでの示差熱重量曲線を比較した結果、Moと特にRuの酸化開始温度は実残渣の方が低いこと、そのためにRuOの蒸発がより低温域から進行し残存率は実残渣の方が低くなることがわかった。模擬残渣の平均径15mに対し、実残渣では数十nmから数百nmと微細であるために、反応速度が大きく異なるためと考えられる。加熱後の生成物は、模擬合金,実残渣ともにRuOが主要な相で、他にPd-Rh合金,降温時に生成したPdOであり、さらに実残渣には元から含有していたZrOが確認されたが、MoとTcを含有した相は確認されず、昇温過程で酸化物として大部分は蒸発したと考えられる。