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井手 俊介; 竹永 秀信; 諌山 明彦; 坂本 宜照; 吉田 麻衣子; Gormezano, C.*
Nuclear Fusion, 47(11), p.1499 - 1505, 2007/11
被引用回数:9 パーセンタイル:32.07(Physics, Fluids & Plasmas)電子サイクロトロン波(ECRF)の内部輸送障壁(ITB)に対する影響をJT-60Uの弱磁気シアプラズマにおいて調べた。ECRF入射により、弱磁気シアプラズマのイオン温度分布が劣化することがわかっている。今回さらに詳細な実験を行い、この劣化のさまざまなパラメータに対する依存性を明らかにした。すなわち、入射ECパワー,プラズマ電流,ターゲットプラズマのトロイダル回転分布,入射位置(on-axis入射とoff-axis入射)などである。これにより、劣化のメカニズムは、ECRFパワーには正に依存するが、ECRFによる電流駆動にはよらないこと、一方、プラズマ電流が大きくなる程影響が小さくなること、ターゲットの回転分布を常に平坦化すること、また、弱磁気シアプラズマのITBは非局所的な構造を持っていること、等々が明らかになった。
大山 直幸; 諌山 明彦; 鈴木 隆博; 小出 芳彦; 竹永 秀信; 井手 俊介; 仲野 友英; 朝倉 伸幸; 久保 博孝; 武智 学; et al.
Nuclear Fusion, 47(7), p.689 - 697, 2007/07
被引用回数:15 パーセンタイル:45.18(Physics, Fluids & Plasmas)フェライト鋼を設置することによって、高速イオンのリップル損失が1/2から1/3に低減した。同じ入射パワーに対して吸収パワーが増加するため、あるプラズマ圧力を維持するために必要なNBIユニット数を減らすことができた。その結果、低いリサイクリングと周辺密度を長時間維持できるようになり、中心にピークした圧力分布を維持するために重要な周辺部の温度を高く維持することができた。さらに、外部からのトルク入力の自由度を増やすことができた結果、プラズマ電流と同方向に回転するプラズマが得られるようになり、電子系の内部輸送障壁の性能が向上した。これらの利点を活用し、高い規格化ベータ値と高い熱化プラズマの閉じ込め改善度の維持時間を伸長することができた。閉じ込め改善度が1程度で規格化ベータ値が2.3以上の放電を、電流拡散時間の12倍程度である23.1秒間維持した。このとき得られた閉じ込め改善度と規格化ベータ値の積は、ITERの標準運転シナリオを超える2.2を上回っており、ITERの長時間運転モードとして提案されているハイブリッド運転モードとして適用することが可能である。
嶋田 道也; Campbell, D. J.*; Mukhovatov, V.*; 藤原 正巳*; Kirneva, N.*; Lackner, K.*; 永見 正幸; Pustovitov, V. D.*; Uckan, N.*; Wesley, J.*; et al.
Nuclear Fusion, 47(6), p.S1 - S17, 2007/06
被引用回数:744 パーセンタイル:99.93(Physics, Fluids & Plasmas)「ITER物理基盤の進歩」は、1999年に出版された「ITER物理基盤」の改訂版である。「ITER物理基盤」には、燃焼プラズマ性能を予測するための方法論や物理R&Dを通じて国際協力のもとで進められた、トカマクプラズマについての実験,モデリング及び理論研究の成果がまとめられている。また、1998年の設計のITERの予測結果も記述され、さらに残された重要な研究課題も指摘されている。これらの研究課題は、国際トカマク物理活動(ITPA)を通じて国際協力で引き続き検討が進められた。当初のITPAの参加国はEU,日本,ロシア、そして米国である。ITPAによって進められた研究の成果によって性能予測及び制御に関する新しい方法論が得られ、それらの方法論を新しく設計されたITERに適用した。新しいITERは改訂された技術的目標のもとで再設計されているが、核融合エネルギーの科学技術的成立性の統合的実証を行う、という目的は満足する。
Fasoli, A.*; Gormezano, C.*; Berk, H. L.*; Breizman, B.*; Briguglio, S.*; Darrow, D. S.*; Gorelenkov, N.*; Heidbrink, W. W.*; Jaun, A.*; Konovalov, S. V.*; et al.
Nuclear Fusion, 47(6), p.S264 - S284, 2007/06
被引用回数:456 パーセンタイル:85.96(Physics, Fluids & Plasmas)ITERや将来の核融合炉では高速イオンのアルファ粒子がプラズマの維持に重要な役割を果たし、高速イオンが関連した物理現象の理解は重要である。本論文では、1999年の最初の「ITER物理基盤の進展」に関するレポート以降の高速イオンが絡む高温プラズマの物理現象についての理解の進展についてまとめた。高速イオンの物理機構を理解するための高速イオン源の進展,トロイダル磁場リップルによる高速イオン閉じ込めの理解の進展,高速イオンと背景プラズマ起因MHDの相互作用の理解の進展,高速イオン起因MHDの線形安定性の理解の進展,高速イオンと高速イオン起因MHDの相互作用と非線形発展の理解の進展,高速イオン起因MHDによる高速イオンの輸送の理解の進展について、実験計測,理論,数値計算で得られた成果をまとめている。
Gormezano, C.*; Sips, A. C. C.*; Luce, T. C.*; 井手 俊介; Becoulet, A.*; Litaudon, X.*; 諫山 明彦; Hobirk, J.*; Wade, M. R.*; 及川 聡洋; et al.
Nuclear Fusion, 47(6), p.S285 - S336, 2007/06
被引用回数:315 パーセンタイル:75.44(Physics, Fluids & Plasmas)国際熱核融合実験炉(ITER)におけるプラズマ開発に向けた物理的基盤について最近の研究の国際的な進展についてまとめたものである。この章ではITERにおける定常運転に関して、以下の点に重点を置いて記述する。統合運転シナリオ, 運転シナリオの最近の開発状況について、定常運転のための加熱/電流駆動装置、定常運転へ向けた制御の課題について、ITERにおける定常運転とハイブリッド運転のシミュレーション。
大山 直幸; 諌山 明彦; 鈴木 隆博; 小出 芳彦; 竹永 秀信; 井手 俊介; 仲野 友英; 朝倉 伸幸; 久保 博孝; 武智 学; et al.
Proceedings of 21st IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2006) (CD-ROM), 8 Pages, 2007/03
フェライト鋼を設置しトロイダル磁場リップルを低減したJT-60Uにおいて、長時間のELMy Hモード放電の閉じ込め性能を改善することができた。加熱用中性粒子ビームの損失低減による実効的な加熱パワーの増加とトロイダル回転の変化に伴う閉じ込め性能改善の結果、高い規格化ベータ値()と高いthermal成分の閉じ込め性能()の維持時間を伸張することができた。が1程度でが2.3以上の放電を安全係数が3.3程度のプラズマにおいて23.1秒間(電流拡散時間の12倍程度)維持した。このとき達成したは2.2以上であり、ITERの標準運転シナリオでの値である1.8を上回っている。これらの放電は、ITERの長時間運転モードとして提案されているハイブリッド運転モードとして適用することが可能である。
井手 俊介; 竹永 秀信; 諌山 明彦; 坂本 宜照; 吉田 麻衣子; Gormezano, C.*; JT-60チーム
Proceedings of 21st IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2006) (CD-ROM), 8 Pages, 2007/03
内部輸送障壁(ITB)はITER先進運転や定常トカマク炉を実現するうえで、重要な役割を果たすと考えられる。プラズマ中心での安全係数が1を少し上回る弱磁気シアプラズマはITERのハイブリッド運転等として考えられており、そこでもITBは重要な役割を担う。本論文では弱磁気シアプラズマにおけるイオン温度内部輸送障壁(Ti ITB)への電子サイクロトロン領域波(ECRF)の影響について詳細に調べ、ECRFのTi ITB抑制効果にプラズマ電流等への依存性があることを初めて明らかにした。また、ITB境界付近(0.4a)にECRFを入射した場合にもプラズマ中心付近のイオン温度やトロイダル回転(Vt)に同時に反応が現れることを見いだし、ITB特性の非局在性について新たな知見を得た。
大山 直幸; 浦野 創; 吉田 麻衣子; 竹永 秀信; 篠原 孝司; 櫻井 真治; 正木 圭; 神谷 健作; 諌山 明彦; 鈴木 隆博; et al.
Europhysics Conference Abstracts (CD-ROM), 30I, 4 Pages, 2006/00
トロイダル磁場リップル低減のため、JT-60Uではフェライト鋼を真空容器内に設置した。その結果、加熱用中性粒子ビームの損失低減やトロイダル回転分布の変化が観測されるとともに、改善閉じ込めモードの性能を大幅に向上することに成功した。リップル低減効果の大きい体積の大きな配位では周辺部輸送障壁の圧力が1015%上昇し、閉じ込め改善度も1015%上昇した。周辺部輸送障壁の幅と勾配をフェライト鋼設置前後で比較して見ると、幅が広くなるとともに勾配も大きくなっており、輸送とMHD安定性の両方が改善していることを示唆している。また、中性粒子ビームの損失低減による実効的な加熱パワーの増加とトロイダル回転の変化に伴う閉じ込め性能改善の結果、高い規格化ベータ値()と高いthermal成分の閉じ込め性能()の維持時間を伸張することができた。が1程度でが2.3以上の放電をにおいて23.1秒間(電流拡散時間の12倍程度)維持した。このとき達成したは2.2以上であり、ITERの標準運転シナリオでの値である1.8を上回っている。
Joffrin, E.*; Sips, A. C. C.*; Artaud, J. F.*; Becoulet, A.*; Bertalot, L.*; Budny, R.*; Buratti, P.*; Belo, P.*; Challis, C. D.*; Crisanti, F.*; et al.
Nuclear Fusion, 45(7), p.626 - 634, 2005/07
被引用回数:96 パーセンタイル:93.27(Physics, Fluids & Plasmas)2003年、JETではハイブリッドシナリオの運転領域をまで拡張し( T),核融合増倍率の指標()が0.42のプラズマを定常的に維持することに成功した()。また、高磁場( T),低ラーマー半径の運転領域においてもハイブリッドシナリオ運転を行いデータベースの拡充を図った。このデータベースを用い、輸送や閉じ込め特性に関して通常のHモード運転と比較を行った。さらに、トレース・トリチウムを入射し、核融合燃料の拡散係数・対流係数を評価した。閉じ込めや安定性を最適化した結果をITER に外挿すると、プラズマ電流を減らした場合でも高核融合利得のプラズマを2000秒間維持できる可能性が高いことがわかった。
嶋田 道也; Campbell, D.*; Stambaugh, R.*; Polevoi, A. R.*; Mukhovatov, V.*; 朝倉 伸幸; Costley, A. E.*; Donn, A. J. H.*; Doyle, E. J.*; Federici, G.*; et al.
Proceedings of 20th IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2004) (CD-ROM), 8 Pages, 2004/11
この論文では、物理基盤の最近の進展によって、ITERの性能予測がどのように影響されるかを要約する。これまで懸案であった課題についての進展、及びハイブリッド及び定常運転シナリオが新たに開発されたことによってITERの目標達成はより確実となった。安全係数が4付近において電流分布を調整することにより、標準のHモードよりも閉じ込めを改善し、壁無し条件でのベータ限界にまでベータを上昇させることが可能であることが実験で明らかになった。この結果をITERに適用すると、12MA程度の低いプラズマ電流で、ELMが小さく、Qが10以上で1000秒以上の長パルス運転が可能である。電流減衰時間及びハロー電流に関する指針を実験データベースから導出してディスラプションの解析を行った。保守的な仮定を用いても真空容器内機器の電磁力は設計目標を下回り、ITERの設計がディスラプションに伴う力に対して十分な耐性を持つことを明らかにした。
Joffrin, E.*; Sips, A. C. C.*; Artaud, J. F.*; Becoulet, A.*; Budny, R.*; Buratti, P.*; Belo, P.*; Challis, C. D.*; Crisanti, F.*; de Baar, M.*; et al.
Proceedings of 20th IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2004) (CD-ROM), 8 Pages, 2004/11
2003年、JETではハイブリッドシナリオの運転領域を=2.8まで拡張し(=1.7T)、核融合増倍率の指標(/)が0.42のプラズマを定常的に維持することに成功した(=3.9)。また、高磁場(=2.4T),低ラーマー半径の運転領域においてもハイブリッドシナリオ運転を行いデータベースの拡充を図った。このデータベースを用い、輸送や閉じ込め特性に関して通常のHモード運転と比較を行った。さらに、トレース・トリチウムを入射し、核融合燃料の拡散係数・対流係数を評価した。閉じ込めや安定性を最適化した結果をITERに外挿すると、プラズマ電流を減らした場合でも高核融合利得のプラズマを2000秒間維持できる可能性が高いことがわかった。
Connor, J. W.*; 福田 武司*; Garbet, X.*; Gormezano, C.*; Mukhovatov, V.*; 若谷 誠宏*; ITB Database Group; ITPA Topical Group on Transport and Internal Barrier Physics*
Nuclear Fusion, 44(4), p.R1 - R49, 2004/04
被引用回数:301 パーセンタイル:76.74(Physics, Fluids & Plasmas)トカマクにおける内部輸送障壁(ITB)の形成とその特性に関する実験と理論研究の現状について初めてレビューする。特にITBの理論モデリングに関する現状とITBの実験データを世界の9台のトカマク装置から集めた国際ITBデータベースについて述べるとともに、このデータベースを用いてITB形成に必要な実験条件と理論モデルとの比較について述べる。またトカマクの定常運転に関する実験の状況についてレビューし、ITER定常運転シナリオを達成するための課題と展望について議論する。
大山 直幸; 諌山 明彦; 鈴木 隆博; 小出 芳彦; 竹永 秀信; 井手 俊介; 仲野 友英; 朝倉 伸幸; 久保 博孝; 武智 学; et al.
no journal, ,
フェライト鋼を設置しトロイダル磁場リップルを低減したJT-60において、長時間のELMy Hモード放電の閉じ込め性能を改善することができた。加熱用中性粒子ビームの損失低減による実効的な加熱パワーの増加とトロイダル回転の変化に伴う閉じ込め性能改善の結果、ITERの標準運転シナリオを超える高い規格化ベータ値と高い熱化成分の閉じ込め性能の維持時間を23.1秒(電流拡散時間の12倍程度)に伸張することができた。これらの放電は、ITERにおける長時間運転モードとして提案されているハイブリッド運転モードとして適用することが可能である。