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Azad, M. A. K.*; Mazumdar, M. N. N.*; Chaki, A. K.*; Ali, M.*; Hakim, M. L.*; Mamun, A. N. K.*; 長谷 純宏; 野澤 樹; 田中 淳; 小池 亜紀*; et al.
SABRAO Journal of Breeding and Genetics, 45(2), p.179 - 186, 2013/06
短日植物であるイネは、短日条件に応答して出穂する。バングラデシュの在来品種Ashfalは、高い耐塩性及び冠水耐性を持つことから100年以上に渡って栽培されてきたが、光感受性が高いため、バングラデシュでの3つの作期のうち、長日条件にあたるboro期では出穂しないため栽培ができない。また、短日条件にあたるaman期においても草丈が高いために倒伏することがある。そこで、Ashfalへの炭素イオン照射によって光非感受性並びに矮性系統の作出を試みた。照射当代(M1)植物をboro期で栽培した結果、親品種のAshfalは全く出穂しなかったが、照射した計1,500粒の種子に由来する9個体が出穂した。このうち、草丈が低い3個体は稔性があり、次世代(M2)種子が得られた。これらの変異系統の形質を確認するため、M2種子をaman期で栽培した結果、Ashfalに比べて出穂が早いこと並びに草丈が低いことが確認され、また、遺伝的な分離は見られなかった。さらにM2植物から得たM3種子をboro期で栽培した結果、親品種のAshfalは全く出穂しなかったが、変異系統は出穂することが確認された。以上の結果から、炭素イオン照射によってM1世代で遺伝的に固定された光非感受性変異体が得られたことが示唆された。これらの変異系統は草丈も低いことから実用的価値も高いと考えられる。