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市川 正一; 千葉 悠介; 大野 史靖; 羽鳥 雅一; 小林 孝典; 上倉 亮一; 走利 信男*; 犬塚 泰輔*; 北野 寛*; 阿部 恒*
JAEA-Research 2017-001, 40 Pages, 2017/03
日本原子力研究開発機構は、高速増殖原型炉もんじゅのプラント工程への影響を低減するため、現在、原子炉格納容器全体漏えい率試験で用いている塩化リチウム式露点検出器の代替品として、静電容量式露点検出器の検証試験を実施した。原子炉格納容器全体漏えい率試験(試験条件: 窒素雰囲気、24時間)における静電容量式露点検出器の測定結果は、既存の塩化リチウム式検出器と比較して有意な差は無かった。また、長期検証試験(試験条件:空気雰囲気、2年間)においては、静電容量式露点検出器は、高精度鏡面式露点検出器との比較の結果、「電気技術規程(原子力編)」の「原子炉格納容器の漏えい試験規定」に基づく使用前検査時に要求される機器精度(精度:2.04C)を長期間にわたり有することを確認した。
市川 正一; 千葉 悠介; 大野 史靖; 羽鳥 雅一; 小林 孝典; 上倉 亮一; 走利 信男*; 犬塚 泰輔*; 北野 寛*; 阿部 恒*
JAEA-Research 2016-021, 32 Pages, 2017/02
日本原子力研究開発機構は、高速増殖原型炉もんじゅのプラント工程への影響を低減するため、現在、原子炉格納容器全体漏えい率試験で用いている塩化リチウム式露点検出器の代替品として、静電容量式露点検出器の検証試験を実施した。原子炉格納容器全体漏えい率試験(試験条件: 窒素雰囲気、24時間)における静電容量式露点検出器の測定結果は、既存の塩化リチウム式検出器と比較して有意な差は無かった。また、長期検証試験(試験条件: 空気雰囲気、2年間)においては、静電容量式露点検出器は、高精度鏡面式露点検出器との比較の結果、「電気技術規程(原子力編)」の「原子炉格納容器の漏えい率試験規程」に基づく使用前検査時に要求される機器精度(精度: 2.04C)を長期間にわたり有することを確認した。
小林 孝典; 佐近 三四治; 高田 修; 羽鳥 雅一; 坂本 勉; 佐藤 俊行; 風間 明仁*; 石沢 義宏*; 井川 克久*; 中江 秀雄*
JAEA-Review 2011-047, 48 Pages, 2012/02
高速増殖原型炉もんじゅ(以下「もんじゅ」という)では、設備点検中の平成22年12月28日に非常用ディーゼル発電機(以下「ディーゼル発電機」という)C号機の点検後の負荷試験中に、No.8シリンダライナー部にひび割れを確認したため、当該ディーゼル発電機を停止した。その後、現地並びに工場での調査を実施するとともに、点検を行った作業員からの聞き取り調査などを実施した。その結果、原因は、「作業要領書の記載不足」、「作業体制の不備」、「油圧ジャッキの取扱いの周知不足」による作業不備があり、シリンダライナーを取り外す際に油圧計を取付けず、油圧管理を適切に行わなかったことから、シリンダライナーに過大な応力をかけたことにより、ひび割れが発生し、破損に至ったものと推定した。今回の調査の過程で、一部のシリンダライナーの材料強度の低下が確認されたが、これはシリンダライナーの製造時の鋳造過程で材料に鉛成分が混入したことにより、ウィドマンステッテンと呼ばれる黒鉛形状の異常が発生し、材料強度が低下したものであることが判明した。また、このウィドマンステッテン黒鉛発生による強度低下を容易に判別する手法として、超音波速度測定が有効であることを検証した。
松浦 真; 羽鳥 雅一; 池田 真輝典
Nuclear Engineering and Design, 237(12-13), p.1419 - 1428, 2007/07
被引用回数:18 パーセンタイル:75.3(Nuclear Science & Technology)ナトリウム冷却型高速増殖炉の「もんじゅ」において、蒸気発生器の水漏洩事象は重大な安全評価事項の一つである。もんじゅは蒸気発生器内の水漏洩検知として、小規模漏洩に水素計、中規模漏洩にカバーガス圧力計、大規模漏洩にラプチャーディスク開放検知棒を用いる。設計事象として、1本の伝熱管破断が隣接する3本の伝熱管破断へ伝搬するという想定で2次系機器の健全性が評価されている。しかし、最新の評価コードを適用した場合、最も厳しい条件で高温ラプチャー型破断に対する裕度が小さいことがわかった。この改善には事象発生時のナトリウム・水反応時間の短縮が要求され、より早期の水漏洩検知とさらに急速なブローダウンを可能とする必要がある。現在、もんじゅは併せて本改造を実施中であり、蒸気逃し弁の追加,カバーガス圧力計の追加・設定値変更,圧力上昇検出を容易とするためダンプタンクとのガス連通弁の小口径化を実施している。改造後、蒸気発生器の設計裕度は大きく向上する。
稲垣 照美*; 羽鳥 雅一*; 鈴木 智博*; 椎名 保顕
Journal of Visualization, 9(2), p.145 - 160, 2006/00
被引用回数:10 パーセンタイル:46.59(Computer Science, Interdisciplinary Applications)自由界面における伝熱現象を、従来の熱電対等のセンサーを用いて計測する手法は、界面における流れや界面形状を変えてしまう等伝熱現象そのものに攪乱を及ぼすため適用が困難である。そこで、非接触で温度計測を行うことができる赤外線サーモグラフィーを自由表面を有するベナール対流の気液界面における温度計測に適用し、その計測可能性について調べた。実験では、シリコン油を用い、矩形容器の液相深さ,アスペクト比,液の粘性を変えることによりベナール対流と表面温度分布等の関係を調べ、k-モデルを含む数値解析結果と比較した。その結果、表面温度分布から求められる対流パターンは数値解析結果とよく一致すること、実験から得られた熱伝達率は数値解析及び従来の結果とよく一致することを示し、赤外線サーモグラフィーの気液界面の伝熱現象の計測における有用性を示した。
稲垣 照美*; 羽鳥 雅一*; 鈴木 智博*; 椎名 保顕
Proceedings of International Conference on Advanced Optical Diagnostics in Fluids, Solids and Combustion (VSJ-SPIE '04) (CD-ROM), 9 Pages, 2004/12
赤外線サーモグラフィーは2次元表面の温度分布を非接触で計測することができるため、高温領域やセンサーの設置が困難な領域における温度計測に適している。本研究では特に表面に波うちが生じる気液界面に適用し、自由表面を有する矩形容器内でベナール対流が生じている場合の温度を計測することにより従来計測が困難であった気液界面の熱伝達率を測定した。また、乱流モデルによる数値解析を行い、層流から乱流に遷移する自由表面ベナールセルの遷移過程を実験と解析で比較した。その結果、波うちを生じている気液界面の平均熱伝達率とレイリー数の関係式を求めることができた。また、局所熱伝達率はベナールセルのパターンにより変化するが、それは解析により比較的良好に実験を模擬することができるため、解析により評価することが可能であることが示された。これらから、赤外線サーモグラフィーを時間的な変動,変形のある表面温度の測定に適用することの有効性が示された。
稲垣 照美*; 金児 敏信*; 羽鳥 雅一*; 椎名 保顕
日本機械学会論文集,B, 70(699), p.279 - 286, 2004/11
赤外線サーモグラフィーは非接触で二次元の温度計測を行うことができる。そこで、通常の手法での温度計測が不可能である気液界面の伝熱現象にこれを適用し、自由表面を有するベナール対流の気液界面における伝熱計測を行った。実験はシリコンオイルを用いて行い、実験結果を数値シミュレーション結果と比較して赤外線サーモグラフィーの適応性,有効性の考察を行った。その結果、赤外線サーモグラフィーにより可視化された対流のセルパターンは数値シミュレーションにより得られたパターンとよく一致した。また、気液界面における熱伝達率とレイリー数の関係は、赤外線サーモグラフィーによる実験結果と数値シミュレーション結果の両者が比較的よく一致した。これらから、赤外線サーモグラフィーは、界面の揺動等を伴い、通常の計測が不可能である気液界面における伝熱現象の計測に有効であることが示された。
西林 洋平; 松野 広樹; 羽鳥 雅一
no journal, ,
冷却材のナトリウムが漏えいしたときに、現場の状況の情報を中央制御室の運転員に迅速に提供し、判断を支援するため、ナトリウム漏えい関連情報を集約して表示する総合漏えい監視システム及び保温材外へのナトリウム漏えいの早期検出を目的としたセルモニタを設置した。総合漏えい監視システム等確認試験では、この監視システム及びセルモニタの機能を確認した。
佐藤 剛; 小林 孝典; 加藤 正晃; 羽鳥 雅一
no journal, ,
2次主冷却系設備等のナトリウム漏えい時に、漏えい発生区画に窒素ガスを注入することにより、ナトリウム燃焼を抑制し、早期に事故の終息を図ることを目的として、窒素ガス貯蔵タンクの設置,窒素蒸発器の増設,ナトリウム機器が設置される各区画への配管設置等の窒素ガス供給系設備の改造工事を行った。窒素ガス注入設備確認試験は、これらの改造工事を行った機器や設備について、機能・性能を確認した。
羽鳥 雅一; 小林 孝典; 坂本 勉; 中江 秀雄*
no journal, ,
片状黒鉛鋳鉄の一種である高P鋳鉄において引張強さの低下が認められたため、化学成分分析を実施したところ、微量のPb及びCaの含有が確認された。当該品の金属組織には、片状黒鉛の形状に異常が生じたウィドマンステッテン黒鉛が観察された。このため、他の既納品についての健全性の評価が求められた。ウィドマンステッテン黒鉛の有無については、スンプ法による評価も可能であるが、既納品に対して行うことは作業性に大きな問題があることから、非破壊検査による評価方法が求められた。片状黒鉛鋳鉄において引張強さと試料中を伝播する音速には相関が見られることが報告されていることから、黒鉛形状の異常であるウィドマンステッテン黒鉛の発生した片状黒鉛鋳鉄に同様の関係が成立つか否かについて、超音波厚さ計による音速測定を実施し確認を行った。この結果、Pbの混入による黒鉛形状の異常(ウィドマンステッテン黒鉛)が発生した場合にも、試料中を伝播する音速と引張強さに相関があることが確認された。これにより、Pb混入の可能性を有した片状黒鉛鋳鉄の非破壊での識別が可能になったものと考えられる。
千葉 悠介; 市川 正一; 大野 真平; 羽鳥 雅一; 小林 孝典; 上倉 亮一; 走利 信男*; 犬塚 泰輔*; 阿部 恒*; 北野 寛*
no journal, ,
高速増殖原型炉もんじゅ(以下「もんじゅ」と記す)の原子炉格納容器全体漏えい率試験(以下「CV-LRT」と記す)に用いる塩化リチウム式露点検出器については、3ヶ月ごとのメンテナンスを必要としており、もんじゅのプラント運転工程計画上、12ヶ月以上の使用期間を有する露点検出器への採用見直しが望ましい。日本原子力研究開発機構は、各規程等で要求される仕様に対応できる代替露点検出器として、ヴァイサラ社製の静電容量式露点検出器(以下「代替露点検出器」と記す)を選定し、当該代替露点検出器の性能評価をした。CV-LRT条件下における、代替露点検出器による24時間の原子炉格納容器内露点測定を行い、既存の塩化リチウム式露点検出器との性能を比較評価した。さらに、代替露点検出器の性能確認として、大気環境下で2年間の露点測定を行い、高精度鏡面式露点検出器との性能を比較評価した。その結果、当該代替露点検出器は原子炉格納容器の漏えい率試験規定(JEAC4203-2008)の要求する計器精度を有することを確認した。
羽鳥 雅一; 市川 正一; 千葉 悠介; 小林 孝典; 上倉 亮一; 走利 信男*; 犬塚 泰輔*; 北野 寛*; 阿部 恒*; 大野 史靖
no journal, ,
日本原子力研究開発機構は、現在、原子炉格納容器全体漏えい率試験で用いている塩化リチウム式露点検出器のメンテナンス等による高速増殖原型炉もんじゅのプラント工程への影響を低減するため、塩化リチウム式露点検出器の代替品として、静電容量式露点検出器の検証試験を実施した。原子炉格納容器全体漏えい率試験(試験条件:窒素雰囲気、24時間)における静電容量式露点検出器の測定結果は、既存の塩化リチウム式検出器と比較して有意な差は無かった。また、長期検証試験(試験条件:空気雰囲気、2年間)においては、静電容量式露点検出器は、高精度鏡面式露点検出器との比較の結果、「電気技術規程(原子力編)」の「原子炉格納容器の漏えい率試験規程」に基づく使用前検査時に要求される機器精度(検出器・変換器との合成精度: 2.04C)を長期間にわたり有することを確認した。なお、既存の計測機器により、長期間にわたって雰囲気計測を実施した事例は他にない。
大久保 学; 清水 亮; 羽鳥 雅一; 小林 孝典; 上倉 亮一
no journal, ,
崩壊熱が極めて低いレベルにある「もんじゅ」の廃止措置期間中の炉心及び炉外燃料貯蔵槽に燃料が配置されている状況下においては、予熱ヒータにてナトリウムが凍結することを防止しつつも、区画内に放出される放散熱を換気空調設備により冷却する運用を継続することが望ましい。ただし、換気空調設備の運用は、原子炉の通常運転を対象として設計されたものであり、廃止措置段階においては、その状況に応じた適切な運用の見直しが必要である。本報では、これまでの運転データ等をもとに、実負荷と換気空調設備容量の関係を整理し、廃止措置段階における合理的な換気空調設備の運用に関する検討状況について報告する。