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前沢 祐*; 丸山 敏毅; 板垣 直之*; 初田 哲男*
Acta Physica Hungarica A, 22(1-2), p.61 - 68, 2005/00
被引用回数:2 パーセンタイル:23.51(Physics, Nuclear)最近SPring-8で見つかり話題になっている5クォーク粒子(ペンタクォーク)は核子+K中間子の状態より高いエネルギーの共鳴状態であるが、そのエネルギー幅が非常に狭い(長寿命である)原因がわからず、議論の的となっている。われわれはペンタクォークの崩壊をカラー分子動力学により計算し、その長寿命の原因を探った。その結果、ペンタクォークはトータルで白色になるようにカラー空間で混合した状態となっていて、これがそれぞれ白色の核子とK中間子とに分離する(狭い出口)まで、カラー空間と座標空間の両方の広いパラメータ空間をさ迷うことが長寿命のダイナミカルな原因となっているというシナリオを提唱した。
丸山 敏毅; 初田 哲男*
Physical Review C, 61(6), p.062201_1 - 062201_5, 2000/06
被引用回数:13 パーセンタイル:56.59(Physics, Nuclear)クォーク多体系を、SU(3)カラー空間3次元座標空間における分子動力学で記述する。系の密度やエネルギーを変えながらクォークの挙動を調べると、低密度、低エネルギーでは3つのクォークがカラー中性な核子を作った状態で存在するが、エネルギーや密度を高くするとカラーが顕わなクォーク物質へと変化する様子が見られた。また、系の熱的性質を調べると、はっきりした相転移は見られかなったが、核物質の相からクォーク相への変化が熱的性質の変化にも現れていることがわかった。
秋村 友香; 丸山 敏毅; 初田 哲男*; 吉永 尚孝*; 千葉 敏
no journal, ,
RHICで生成された物質は気体的な物質ではなく粘性がほとんどゼロの完全流体のクォーク物質であるというプレス発表がなされた。系が気体的に振る舞うか、液体的に振る舞うかをみるよい指標がずれ粘性をエントロピー密度で割った比であり、この値が小さい場合、系は液体的に振る舞う。われわれは、分子動力学法を用いてクォーク物質のずれ粘性について調べ、転移温度付近でその比が小さいことを示した。
安武 伸俊*; 向原 悠太*; 丸山 敏毅; 初田 哲男*
no journal, ,
クォーク多体系の分子動力学である色分子動力学(Color Molecular Dynamics: CMD)に、格子QCD計算に基づくクォーク-クォーク相互作用を導入した。特に、スピン依存性とカラー依存性とを含む形の相互作用により、バリオンの基底状態での質量をかなり良く再現できるようになった。これを2バリオン系や3バリオン系に相当する6クォーク系や9クォーク系に適用し、それらの基底状態の構造などを調べた。