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福田 健二; 渡辺 勇輔; 村上 裕晃; 天野 由記; 林田 一貴*; 青才 大介*; 熊本 義治*; 岩月 輝希
JAEA-Data/Code 2018-021, 76 Pages, 2019/03
日本原子力研究開発機構は岐阜県瑞浪市で進めている超深地層研究所計画において、研究坑道の掘削・維持管理が周辺の地下水の地球化学特性に与える影響の把握を目的とした調査研究を行っている。本データ集は、超深地層研究所計画において、2017年度に実施した地下水の採水調査によって得られた地球化学データ及び微生物データを取りまとめたものである。データの追跡性を確保するため、試料採取場所、試料採取時間、採取方法および分析方法などを示し、あわせてデータの品質管理方法について示した。
渡辺 勇輔; 林田 一貴; 加藤 利弘; 久保田 満; 青才 大介*; 熊本 義治*; 岩月 輝希
JAEA-Data/Code 2018-002, 108 Pages, 2018/03
日本原子力研究開発機構は岐阜県瑞浪市で進めている超深地層研究所計画において、研究坑道の掘削・維持管理が周辺の地下水の地球化学特性に与える影響の把握を目的とした調査研究を行っている。本データ集は、超深地層研究所計画において、2016年度に実施した地下水の採水調査によって得られた地球化学データ及び2014年度から2016年度の間に得られた微生物データを取りまとめたものである。データの追跡性を確保するため、試料採取場所、試料採取時間、採取方法及び分析方法などを示し、あわせてデータの品質管理方法について示した。
林田 一貴; 加藤 利弘*; 久保田 満*; 村上 裕晃; 天野 由記; 岩月 輝希
地球化学, 52(1), p.55 - 71, 2018/03
坑道の建設・操業により乱された地質環境の坑道閉鎖後の定常化過程の確認を目的として、岐阜県瑞浪市の瑞浪超深地層研究所において深度500mの花崗岩中に模擬実験坑道を建設・閉鎖し、地下水の溶存成分や酸化還元電位、pHの経時変化の観測を行った。その結果、坑道建設時には坑道周囲の割れ目を介した地下水流動状態の変化に伴い坑道周囲の地下水水質が変化した。また坑道から坑道周囲の岩盤中への酸素の侵入により、酸化還元電位が上昇することが確認された。坑道閉鎖後は、微生物の還元作用により坑道内の地下水の酸化還元電位が低下するとともに、坑道周囲では岩盤中から還元的な地下水がもたらされることによって酸化還元電位が回復した。一方で、吹付コンクリートなどセメント材料の影響で坑道内の地下水がアルカリ化することが確認された。このアルカリ化に消費されたセメント材料はわずかであることから、その影響はセメント使用量に応じて長期的に続くと考えられた。
岩月 輝希; 宗本 隆志*; 久保田 満*; 林田 一貴; 加藤 利弘*
Applied Geochemistry, 82, p.134 - 145, 2017/05
被引用回数:9 パーセンタイル:34.27(Geochemistry & Geophysics)瑞浪超深地層研究所において、地下水及び懸濁態粒子に含まれる希土類元素の挙動について研究を行った。その結果、地下水中の希土類元素の1060%が懸濁粒子に付着して存在することが確認された。希土類元素が付着する懸濁粒子は主に炭酸塩コロイドであり、一般的な地下水は炭酸塩鉱物に対して飽和平衡状態にあることから、炭酸塩コロイドの起源は炭酸塩鉱物と推察された。また、坑道閉鎖環境においては、地下水中の溶存態及びコロイド態の希土類元素濃度が、周辺の地下水に比べて有意に低下することが確認された。熱力学計算により地下水に溶存する希土類元素は主に炭酸錯体と推測され、坑道壁面のセメント吹付上に炭酸塩コロイドとともに吸着・共沈していると考えられた。以上の事から、地下施設におけるセメント材料の使用は、希土類元素の移動し難い環境を形成すると考えられる。
林田 一貴; 加藤 利弘; 宗本 隆志; 青才 大介*; 乾 道春*; 久保田 満; 岩月 輝希
JAEA-Data/Code 2017-008, 52 Pages, 2017/03
日本原子力研究開発機構は岐阜県瑞浪市で進めている超深地層研究所計画において、研究坑道の掘削・維持管理が周辺の地下水の地球化学特性に与える影響の把握を目的とした調査研究を行っている。本データ集は、超深地層研究所計画において、2015年度に実施した地下水の採水調査によって得られた地球化学データを取りまとめたものである。データの追跡性を確保するため、試料採取場所、試料採取時間、採取方法および分析方法などを示し、あわせてデータの品質管理方法について示した。
林田 一貴; 宗本 隆志; 青才 大介*; 乾 道春*; 岩月 輝希
JAEA-Data/Code 2016-001, 64 Pages, 2016/06
日本原子力研究開発機構は岐阜県瑞浪市で進めている超深地層研究所計画において、研究坑道の掘削・維持管理が周辺の地下水の地球化学特性に与える影響の把握を目的とした調査研究を行っている。本データ集は、超深地層研究所計画において、2014年度に実施した地下水の採水調査によって得られた地球化学データを取りまとめたものである。データの追跡性を確保するため、試料採取場所、試料採取時間、採取方法および分析方法などを示し、あわせてデータの品質管理方法について示した。
林田 洋寿; 奥 隆之; 吉良 弘*; 酒井 健二; 猪野 隆*; 篠原 武尚; 大山 研司*; 高田 慎一; 大石 一城*; 武田 全康; et al.
no journal, ,
Heスピンフィルターは、広いエネルギーレンジ(数eV以下)の中性子の偏極が可能、広い立体角のカバーが可能、フィルターによる中性子の散乱が少ないなど、中性子の偏極/検極デバイスとして優れた性能を有する。さらに、Spin Exchange Optical Pumping(SEOP)型HeスピンフィルターではHe核スピン偏極を実行しつつ中性子実験が可能である利点を持つ(In-situ SEOP)。これにより長期間にわたる実験において中性子偏極率の減衰がなく、質の高い中性子実験を可能とする。これまで我々が開発したシステムはHe核スピン偏極率が70%以上に到達し、中性子実験へ導入できる性能を有していたが、システムが巨大なために分光器への設置が容易ではなかった。そこで我々はコンパクトなIn-situ SEOPの開発に着手し、実用化に向けた開発を進めている。発表では世界最小In-situ SEOPシステムの開発状況について報告する。さらに本システムを用いた最近の実験成果として、BL10 NOBORUでの磁気イメージング実験、BL15大観での小角散乱実験、BL17写楽での偏極反射率実験の結果について報告する。
岩月 輝希; 林田 一貴; 加藤 利弘; 宗本 隆志; 久保田 満
no journal, ,
瑞浪超深地層研究所において、研究坑道の直近から約100mまでの範囲の地下水を対象として酸化還元状態の経時変化を観測し、地下施設建設時の酸化還元状態の変化について考察した。その結果、坑道の直近では坑道掘削後、約2年間の間に酸化還元電位が約-200mVから約-100mVに変化し、坑道の周囲が徐々に酸化的環境に変化しつつあることが確認された。一方で酸化還元電位の変化が小さい領域もあり、研究坑道に連結する割れ目の有無など地質構造の条件に応じて酸化的影響の程度が異なると考えられた。また、研究坑道から約100mまでの範囲の岩盤においては、花崗岩を覆う堆積岩直下(深度200m)の観測点の酸化還元電位は変化に乏しいものの、深度300から400mの酸化還元電位は約-200mVから-100数十mVへの上昇が認められた。
加藤 利弘; 岩月 輝希; 宗本 隆志; 久保田 満; 林田 一貴; 中田 弘太郎*; 長谷川 琢磨*
no journal, ,
地下水の年代は、岩盤中の地下水の動きを理解する上で重要な情報である。炭素同位体による年代測定は、数万年前まで適用できるため、主に地表からの水の動きを推定する強力なツールとなる。地下水中の炭素は主に溶存無機炭素(DIC)として存在しており、従来は化学的操作により沈殿物として回収(沈殿法)した後に、高純度の固体炭素(グラファイト)を作製していた。この方法では、試料の作製に多くの操作が必要であると同時に、地下水の性状によっては沈殿物が生成しない、あるいは測定年代が著しく異なる等の問題点があった。そこで、従来法に代わる手法としてガス化回収技術に着目し、地下水試料への適用を検討した。その結果、沈殿法に較べて作業効率が向上するとともに、従来は沈殿が生成しないため年代測定が不可能であった地下水試料においても測定が可能となった。また、沈殿法に特有の年代誤差を生じる原因を明らかにし、過去に沈殿法によって得られた地下水年代の補正方法について言及した。
宗本 隆志; 岩月 輝希; 加藤 利弘; 久保田 満; 林田 一貴
no journal, ,
水-鉱物反応は地球表層環境における物質移動特性に影響を及ぼす重要な地球科学プロセスである。特に、希土類元素(YREE: La-Lu, Y)の鉱物中への分配挙動は環境条件の変化にしたがって、YREE存在度パターンとして保存されるため、地球科学プロセスを把握するための指標として利用されてきた。本研究では深部花崗岩中の地下水と二次鉱物を対象に地下水の水質条件の変化に伴うYREEの分配挙動の変化について検討を行い、水質環境の地球化学的変化の予測を行った。
岩月 輝希; 久保田 満; 林田 一貴; 加藤 利弘
no journal, ,
瑞浪超深地層研究所の深度500mの花崗岩中に掘削された坑道と、その周囲に掘削されたボーリング孔で得られる地下水を対象として、コロイドの種類や放射性元素のアナログ元素となる希土類元素との相互作用、坑道を建設・閉鎖することで生じる人為由来コロイドに関わる研究を行った。その結果、地下水中にはケイ酸塩鉱物, カルサイト, 水酸化鉄などの粒子が認められ、金属元素や希土類元素の10-80%が0.1ミクロン以上の粒子とともに移動する可能性が示唆された。また、地下水で満たされ閉鎖された坑道では、人為由来コロイドとしてバイオフィルム、ZnSからなる粒子が観察される特徴があった。その一方で、坑道内の地下水では溶存態およびコロイド態の希土類元素濃度が有意に低く、地下水中の希土類元素を含むコロイドがセメント材料や粘土材料などに捕捉され、その移動が抑制されることが明らかになった。
尾上 博則; 高安 健太郎; 林田 一貴; 竹内 竜史; 岩月 輝希
no journal, ,
瑞浪超深地層研究所では、大規模地下施設の建設・操業により乱された岩盤中の地質環境の回復能力の確認と関連する技術の開発を目的として、深度500mの坑道の一部を地下水で満たす再冠水試験を実施している。本研究では、坑道内及び周辺岩盤で観測された坑道の冠水に伴う地下水の水圧及び水質の回復挙動に基づき、周辺岩盤の水理学的領域区分と地球化学的領域区分を推定するとともに、それらを重ね合わせることで岩盤中の割れ目の連結性を概念化した。さらに、坑道壁面及び周辺のボーリング調査で観察された割れ目分布との比較を行い、構築した割れ目の連結性の概念の妥当性を確認した。
林田 一貴; 加藤 利弘; 久保田 満; 尾上 博則; 岩月 輝希
no journal, ,
大規模地下施設の建設・操業時には、坑道が大気環境になるとともに、長期的に地下水を大量に排水することやセメント材料の使用などにより、地下水の化学的状態が建設前の状態から変化する可能性がある。特に地下水の酸化還元状態やpHは、放射性核種など物質の移動特性に影響を与える重要な因子であり、その長期的変化に関わる現象を理解しておく必要がある。瑞浪超深地層研究所では、大規模地下施設の建設・操業により乱された岩盤中の地質環境の回復能力を評価するため、深度500mの研究坑道の一部(冠水坑道)を閉鎖し、地下水で満たす再冠水試験を実施している。本研究では、冠水坑道およびその周辺ボーリング孔において、地下水の水質変化をモニタリングし、冠水に伴う酸化還元状態やpHの変化を観測するとともに、そのプロセスの解析を行った。
尾上 博則; 高安 健太郎; 林田 一貴; 竹内 竜史; 岩月 輝希
no journal, ,
瑞浪超深地層研究所では、大規模地下施設の建設・操業により乱された岩盤中の地質環境の回復能力の例示と関連する技術の開発を目的として、深度500mの坑道の一部を地下水で満たす再冠水試験を実施している。本稿では、坑道周辺岩盤における割れ目の不均質性を考慮したモデル構築に資するための基礎情報の整理を目的として、坑道の冠水に伴う地下水の水圧及び水質の回復挙動に基づき実施した坑道周辺岩盤の水理学的領域区分と地球化学的領域区分の推定、ならびに坑道周辺岩盤中の割れ目分布の概念化の結果について報告する。
久保田 満; 林田 一貴; 加藤 利弘; 岩月 輝希
no journal, ,
本ポスターは、情報意見交換会のため、冠水坑道の冠水に伴う地下水の水質変化に係る成果を取りまとめたものである。
林田 一貴; 加藤 利弘; 久保田 満; 岩月 輝希
no journal, ,
高レベル放射性廃棄物の地層処分事業では、地上からの様々な調査によりその適性が確認された地質環境に地層処分場が建設される。一方で、その建設・操業時には坑道が大気環境になることや、長期にわたる地下水の排水、セメント材料の使用などの環境擾乱により、地下施設閉鎖後の化学環境が事前の調査により理解された状態と異なる可能性がある。本研究では、地下施設の建設・操業により乱された化学環境の確認とその形成プロセスの理解を目的として、岐阜県瑞浪市の瑞浪超深地層研究所において、花崗岩の深度500mに建設された研究坑道の一部(以下、冠水坑道)を止水壁により閉鎖し、周辺の地下水によって冠水させた。その後、約1年間にわたり定期的に冠水坑道内の地下水を採取し、主要成分濃度、トレーサー(蛍光染料)濃度、pH、酸化還元電位などの観測を行った。その結果、地下水のpHの上昇や還元的環境の回復が確認された。また、地球化学計算コードPHREEQCにより主要な化学反応プロセスの解析を行った。
岩月 輝希; 林田 一貴; 村上 裕晃; 渡辺 勇輔
no journal, ,
瑞浪超深地層研究所において、坑道閉鎖後の物質移動特性を理解することを目的として、花崗岩の深度500mに模擬実験坑道を建設・閉鎖し、地下水中の希土類元素の観測を行った。その結果、閉鎖坑道内部は、吹付コンクリートやコロイドとの相互作用により希土類元素が移動し難い環境になることが明らかになった。
渡辺 勇輔; 林田 一貴; 村上 裕晃; 岩月 輝希
no journal, ,
放射性廃棄物の地層処分事業では深度300m以深の地質環境に大規模な坑道群が掘削される。本研究ではこのような坑道群の掘削-閉鎖時の人的擾乱による地質環境の変化とその形成メカニズムを観察することを目的として、岐阜県瑞浪市の瑞浪超深地層研究所の深度500mの花崗岩において坑道の一部を閉鎖する試験(再冠水試験)を実施した。
長谷川 琢磨*; 中田 弘太郎*; 富岡 祐一*; 太田 朋子*; 濱 克宏; 岩月 輝希; 加藤 利弘*; 林田 一貴
no journal, ,
瑞浪超深地層研究所の研究坑道内に掘削されたボーリング孔から地下水を採取し、C, He, 希ガス温度計などによる地下水年代測定を実施した。その結果、Cの前処理方法を沈殿法からガス化法に変更することにより、C濃度が精度よく評価できるようになった。また、Heも流出域で、フラックスの寄与の異なるデータを収集できたことにより、フラックスの寄与を分離して、原位置生成に基づくHe年代を推定することができた。更に、希ガス濃度から涵養温度を推定することにより、研究坑道周辺の地下水は氷期に涵養した地下水の影響を強く受けていることを確認することができた。このように複数の指標を利用して地下水の滞留時間を推定し、それらの結果を相互に比較することにより、個々の結果の信頼性を向上させる方法は非常に有効であると考えられた。
長谷川 琢磨*; 中田 弘太郎*; 富岡 祐一*; 太田 朋子*; 濱 克宏; 岩月 輝希; 加藤 利弘*; 林田 一貴
no journal, ,
超深地層研究所計画の一環として電力中央研究所との共同研究(共同研究件名「瑞浪超深地層研究所周辺の水理・物質移動毒性評価に関する研究」)を実施している。この共同研究は、超深地層研究所計画で進めている、物質移動モデル化技術の開発の一環として実施しているものである。本報告では、地下水年代調査および評価技術の開発のこれまでの結果について報告する。