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辻 敏之*; 小林 明*; 吉田 栄治*; 一原 主税*; 足立 成人*; 石井 保行; 芳賀 潤二
no journal, ,
タンデム加速器にMeV領域イオンビーム形成装置を接続してプロトンナノビームを形成するには、物点に設置した開口がマイクロメートル級のスリットと荷電変換部におけるビーム損失が大きいため、集束点でのビーム電流が極めて少ない。このため10pA以上のビーム電流を必要とする微細加工や局所元素分析等に本イオンナノビームを用いるには、輝度の高い水素負イオンビームを生成するイオン源の使用によりビーム減少を緩和することが不可欠である。マルチカスプイオン源で生成される水素負イオンは数eVのイオン温度と、大きな体積のプラズマ生成室を有するため、高輝度イオンビームの成生が期待できる。本研究では、16極のカスプ磁場,大気中で交換可能なフィルター磁石、及びアルカリ金属が不要である特徴を有するマルチカスプイオン源を試作して特性試験を行っている。これまで高輝度化の第1段階として負イオン電流を増大させる条件を探索し、適切なイオン源内真空度とアーク電流及び電圧等を見いだした。発表ではイオン源の概要を紹介するとともに、得られた条件をもとに高輝度化への問題点を議論する。