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論文

Degradation prediction using displacement damage dose method for AlInGaP solar cells by changing displacement threshold energy under irradiation with low-energy electrons

奥野 泰希*; 石川 法人; 秋吉 優史*; 安藤 太一*; 春元 雅貴*; 今泉 充*

Japanese Journal of Applied Physics, 59(7), p.074001_1 - 074001_7, 2020/07

 被引用回数:3 パーセンタイル:19.49(Physics, Applied)

AlInGaP太陽電池における低エネルギー電子線照射環境における照射損傷を予測する際には変位損傷量法が用いられるが、原子変位しきい値エネルギーの設定によって予測値が大きく異なってしまう。したがって、妥当な原子変位しきい値エネルギーを設定することが不可欠である。本研究では、60keV電子線をAlInGaP太陽電池に照射し、P原子の原子変位しきい値エネルギーを正確に導出した。さらに、本研究で得られた原子変位しきい値エネルギーを利用して、太陽電池の性能劣化を予測できることも実験的に立証した。

論文

Degradation prediction of a gamma-ray radiation dosimeter using InGaP solar cells in a primary containment vessel of the Fukushima Daiichi Nuclear Power Station

奥野 泰希; 山口 真史*; 大久保 成彰; 今泉 充*

Journal of Nuclear Science and Technology, 57(4), p.457 - 462, 2020/04

 被引用回数:7 パーセンタイル:61.94(Nuclear Science & Technology)

優れた高耐放射線性を備えたリン化インジウムガリウム(InGaP)太陽電池は、高放射線量率環境に適用可能な線量計の有力な候補材料になると予想されている。本研究では、InGaP太陽電池を用いた線量計の寿命を予測するために、照射試験及び経験的計算により、InGaP太陽電池の線量信号としての放射線誘起電流に対する少数キャリア拡散長($$L$$)の影響を明らかした。照射試験では、$$gamma$$線線量率の関数としての短絡電流密度($$J_{rm sc}$$)を測定することでInGaP太陽電池の$$L$$を推定した。また、様々な線量率でInGaP太陽電池を検出器として使用した際の動作寿命を、$$L$$と吸収線量の関係に基づく経験式を用いて推定した。この計算結果から、InGaP太陽電池を用いた線量計が福島第一原子力発電所の原子炉格納容器で10時間以上使用可能であり、廃炉に貢献する耐放射線性を有した線量計である可能性が高いことを明らかにした。

論文

Application of InGaP space solar cells for a radiation dosimetry at high dose rates environment of Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant

奥野 泰希; 大久保 成彰; 今泉 充*

Journal of Nuclear Science and Technology, 56(9-10), p.851 - 858, 2019/09

 被引用回数:10 パーセンタイル:74.6(Nuclear Science & Technology)

2011年の津波による事故の後、福島第一原子力発電所(1F)を廃止するには、線量分布測定による燃料デブリの特性評価が必要である。この論文では、InGaP太陽電池を適用した放射線検出器の実験的および理論的な挙動を調べ、燃料デブリの局在化および特徴付けが可能となることを説明する。照射試験では、InGaP太陽電池の放射線誘導電流出力は、60Coの$$gamma$$線の線量率の増加に伴って直線的に増加することが観察された。低線量率での測定では、特徴付けを行ったノイズを分析することによって、検出可能な最小線量率および空間分解能を決定できることを明らかにした。InGaP太陽電池の放射線線量測定の最大検出限界は、1Fプラントの炉心で観測可能な最高$$gamma$$線線量率よりも高いことが判明した。さらに、放射線誘起電流の解析として、吸収線量率と太陽電池における放射線誘導電流対の生成との間の関係式を表現しようと試みている。これら本研究での実験およびシミュレーションの結果は、太陽電池が1Fプラントの燃料デブリ近くの高線量率環境における放射線線量測定のための強力なツールとなり得ることを示唆している。

論文

Recovery of radiation degradation on inverted metamorphic triple-junction solar cells by light soaking

柴田 優一*; 今泉 充*; 佐藤 真一郎; 大島 武; 大岡 幸代*; 高本 達也*

Proceedings of 11th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Applications (RASEDA-11) (Internet), p.65 - 68, 2015/11

次期の高効率薄膜宇宙用太陽電池として逆積み格子不整合型(IMM)三接合太陽電池の開発が進められている。最近、IMM三接合太陽電池に関して、放射線により劣化した特性が光照射により回復する現象が見いだされたが、その詳細は明らかになっていない。そこで、1MeV電子線を3$$times$$10$$^{15}$$ e$$^-$$/cm$$^2$$照射することで劣化させたIMM三接合太陽電池の光照射回復現象を調べた。その結果、3時間の光照射(AM0、1sun)によって開放電圧が43mV回復することが判明した。また、太陽電池中に残留する欠陥について調べるためにエレクトロルミネセンス測定したところ、InGaP, GaAs, InGaAsの三層のうち、InGaPトップセルのエレクトロルミネセンス強度が光照射後に増加していることがわかった。このことから、光照射による回復は、InGaPトップセル中の欠陥が回復したことに起因することが明らかとなった。

論文

Measurement of ion beam induced current in quantum dot solar cells

中村 徹哉*; 今泉 充*; 佐藤 真一郎; 菅谷 武芳*; 望月 透*; 岡野 好伸*; 大島 武

Proceedings of 11th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Applications (RASEDA-11) (Internet), p.73 - 76, 2015/11

量子ドット太陽電池の放射線劣化メカニズムの解明を目指し、ガリウムひ素(GaAs)半導体中に量子ドットを含むi層を導入したpin太陽電池の放射線照射効果に関する研究を推進している。これまでに、量子ドット太陽電池は放射線照射により曲線因子(FF)が大きく劣化することを報告しているが、今回は、そのメカニズムを明らかにするために、低エネルギー陽子線照射によって生成する電流(イオンビーム誘起電流: IBIC)を測定し、空乏化している量子ドット層内での少数キャリアの振る舞いを調べた。陽子線のエネルギーは量子ドット層に損傷が導入されるような条件とし、結晶損傷が蓄積されることで生成電流がどのように減少していくかを観察した。その結果、陽子線照射によって量子ドット層内に蓄積した欠陥に起因するキャリア収集効率の低下がFF劣化の主要因であることが明らかとなった。

論文

Evaluation of radiation tolerance of perovskite solar cell for use in space

宮澤 優*; 池上 和志*; 宮坂 力*; 大島 武; 今泉 充*; 廣瀬 和之*

Proceedings of 42nd IEEE Photovoltaic Specialists Conference (PVSC-42) (CD-ROM), p.1178 - 1181, 2015/06

In order to clarify the possibility of perovskite solar cells as space applications, their radiation response was evaluated. Perovskite solar cells fabricated on quartz substrates were irradiated with 1 MeV electrons up to 1$$times$$10$$^{16}$$ /cm$$^{2}$$. As a result, the degradation of their characteristics such as short circuit current, open circuit voltage and maximum power was very small and some solar cells did not show any degradation after 1 MeV electron irradiation at 1$$times$$10$$^{16}$$ /cm$$^{2}$$. This indicates that perovskite solar cells have superior radiation tolerance and are a promising candidate for space applications.

論文

Development of space solar sheet with inverted triple-junction cells

山口 洋司*; 伊地知 亮*; 鈴木 善之*; 大岡 幸代*; 島田 啓二*; 高橋 直*; 鷲尾 英俊*; 中村 一世*; 高本 達也*; 今泉 充*; et al.

Proceedings of 42nd IEEE Photovoltaic Specialists Conference (PVSC-42) (CD-ROM), p.2407 - 2411, 2015/06

In order to develop high efficiency space solar cells with flexible and light weight, InGaP/GaAs/Ge Inverted Triple Junction (IMM-3J) solar cells mounted on film type sheet (film type space solar sheet) and glass type sheet (glass type space solar sheets) were fabricated and their reliability was investigated. As a result, no significant change in their characteristics (less than 1 % change) was observed for both types of space solar sheets after reliability tests, such as (1) thermal cycling (-180 to +120 $$^{circ}$$C, 1000 cycles), (2) humidity and temperature (65 $$^{circ}$$C, humidity 90 %, 720h), (3) high temperature under vacuum condition (160 $$^{circ}$$C, less than 10$$^{-5}$$ Torr, 168h), and (4) high temperature (150 $$^{circ}$$C, 1000 h). Both type space solar sheets also showed high radiation resistance compared to current version of space 3J solar cells. Therefore, we can conclude that the space solar sheets have enough reliability in space environments.

論文

Effect of irradiation on gallium arsenide solar cells with multi quantum well structures

Maximenko, S.*; Lumb, M.*; Hoheisel, R.*; Gonz$'a$lez, M.*; Scheiman, D.*; Messenger, S.*; Tibbits, T. N. D.*; 今泉 充*; 大島 武; 佐藤 真一郎; et al.

Proceedings of 40th IEEE Photovoltaic Specialists Conference (PVSC-40) (CD-ROM), p.2144 - 2148, 2014/06

多重量子井戸(MQW)構造を持つガリウム砒素(GaAs)太陽電池の放射線応答を明らかにするため、電子線および陽子線を照射し、電子線誘起電流(EBIC)測定および、容量・電圧(CV)測定を用いて複合的に解析した。MQW層の電子輸送特性をEBICによって調べ、2次元拡散モデルを用いて解析したところ、照射によりMQW層における電界強度分布が不均一化することが明らかとなった。また、CV測定の結果から、はじき出し損傷量が1$$times10^{-8}$$MeV/g以下の領域でMQW層の伝導型が弱いn型からp型へ変化している可能性が見出された。この結果は、EBICの測定結果から得られる電界強度の変化と一致しており、MQW層における特有の劣化現象である可能性が示唆された。

論文

First flight demonstration of glass-type space solar sheet

島崎 一紀*; 小林 祐希*; 高橋 眞人*; 今泉 充*; 村島 未生*; 高橋 優*; 豊田 裕之*; 久木田 明夫*; 大島 武; 佐藤 真一郎; et al.

Proceedings of 40th IEEE Photovoltaic Specialists Conference (PVSC-40) (CD-ROM), p.2149 - 2154, 2014/06

ガラス型スペースソーラーシート(G-SSS)はインジウムガリウムリン(InGaP)とガリウム砒素(GaAs)によって構成される2接合太陽電池と、さらにゲルマニウム層を含むInGaP/GaAs/Ge 3接合太陽電池のふたつの太陽電池からなり、厚さが0.5mm以下の軽量太陽電池シートである。G-SSSは小型科学人工衛星「ひさき」(SPRINT-A)に搭載され、2013年9月14日に打ち上げられた。運用期間中に得られたデータからG-SSSは正常に動作していることが確認でき、本プロジェクトはIII-V族多接合薄膜太陽電池を用いたG-SSSの世界初実証実験となった。G-SSSの太陽電池は、高崎量子応用研究所での放射線照射試験等、様々な地上試験から予測されていた通りの優れた性能を示しており、新型軽量ソーラーパドルの実用化に貢献する成果を得た。

論文

Quantum-well solar cells for space; The Impact of carrier removal on end-of-life device performance

Hoheisel, R.*; Gonz$'a$lez, M.*; Lumb, M.*; Scheiman, D.*; Messenger, S. R.*; Bailey, C. G.*; Lorentzen, J.*; Tibbits, T. N. D.*; 今泉 充*; 大島 武; et al.

IEEE Journal of Photovoltaics, 4(1), p.253 - 259, 2014/01

 被引用回数:19 パーセンタイル:60.33(Energy & Fuels)

現在宇宙用太陽電池の主流となっているIII-V族半導体多接合太陽電池の更なる高効率化および耐放射線性向上のために、多重量子井戸(MQW)構造の導入が試みられているが、その放射線劣化メカニズムについては明らかにされていない。本研究では、MQW構造を有する太陽電池の放射線照射効果について、実験およびシミュレーションを行った。一般的に、太陽電池の放射線劣化の主因は少数キャリア寿命の減少とキャリア枯渇効果であるが、MQW構造を持つデバイスにおいては、キャリア枯渇効果が通常よりも劣化に強く影響することが明らかとなった。また、放射線照射量の増加に伴い、MQW層の伝導型変化が起こり、MQW層が位置するエミッタ・ベース間の電界強度を狭窄させることが分かった。

論文

Temperature influence on performance degradation of hydrogenated amorphous silicon solar cells irradiated with protons

佐藤 真一郎; 齋 均*; 大島 武; 今泉 充*; 島崎 一紀*; 近藤 道雄*

Progress in Photovoltaics; Research and Applications, 21(7), p.1499 - 1506, 2013/11

 被引用回数:6 パーセンタイル:26.92(Energy & Fuels)

室温及び高温(60$$^{circ}$$C)での水素化アモルファスシリコン太陽電池の陽子線照射劣化挙動を調べた。照射前後の電気特性を比較したところ、高温照射での劣化は室温照射よりも優位に小さくなることがわかった。また、室温でもすべての電気特性パラメータ(短絡電流,開放電圧,最大出力,曲線因子)が回復することがわかった。熱回復が指数関数的に起こると仮定して短絡電流の特性時間を求めると、高温ほど特性時間が大きく、特性の回復が温度に起因しているが、室温から60$$^{circ}$$Cの範囲でさえその差が有意に現れることが明らかとなった。これは、従来の三接合太陽電池などと比較して温度の影響がはるかに大きいということを意味しており、水素化アモルファスシリコン太陽電池の照射実験においては照射中温度や照射後の経過時間をかなり厳密にコントロールする必要があるといえる。

論文

Comparative study on degradation characteristics of component subcells in IMM triple-junction solar cells irradiated with high-energy electrons and protons

今泉 充*; 中村 徹哉*; 田島 道夫*; 佐藤 真一郎; 大島 武

Proceedings of 39th IEEE Photovoltaic Specialists Conference (PVSC-39) (CD-ROM), p.3243 - 3248, 2013/06

逆積み格子不整合型(IMM)三接合太陽電池の構成要素である、InGaP, GaAs, InGaAs(In=20%), InGaAs(In=30%)単接合太陽電池の10MeV陽子線及び1MeV電子線による劣化を調べ、その放射線耐性を比較した。単接合太陽電池の放射線耐性の比較は、宇宙用IMM三接合太陽電池の設計、開発にあたって不可欠な知見である。比較の結果、InGaP単接合太陽電池が最も耐性が高いことがわかった。一方で、InGaAs単接合太陽電池はその性能の指標となる短絡電流(Isc)の劣化が他の太陽電池と比べて顕著であり、特に電子線に対して耐性が低く、陽子線に対してはGaAs太陽電池と同程度の耐性を示すことがわかった。

論文

Estimation of subcell photocurrent in IMM3J using LED bias light

中村 徹哉*; 今泉 充*; 佐藤 真一郎; 大島 武

Proceedings of 39th IEEE Photovoltaic Specialists Conference (PVSC-39) (CD-ROM), p.0696 - 0700, 2013/06

外部量子効率からではなく、電流電圧特性から多接合太陽電池におけるサブセルの光電流を見積もる手法を考案した。逆方向飽和電流密度とシャント抵抗をエレクトロルミネセンス法とLEDバイアス光照射法を用いて求めることによって、各サブセルの光電流を見積もることが可能となる。3MeV陽子線照射後の逆積み格子不整合型(IMM)三接合太陽電池の最大出力を見積もったところ、実験値と良い一致を示したことから、本手法の有効性が示された。

論文

A Study on the artifact external quantum efficiency of Ge bottom subcells in triple-junction solar cells

管井 光信*; 原田 次郎*; 今泉 充*; 佐藤 真一郎; 大島 武

Proceedings of 39th IEEE Photovoltaic Specialists Conference (PVSC-39) (CD-ROM), p.0715 - 0720, 2013/06

三接合太陽電池のGeボトムセルは、分光感度測定において波長700-800nm付近に見かけ上の外部量子効率を発生させ、GaAsミドルセルの外部量子効率を見かけ上減少させる。この現象は「アーチファクト」と呼ばれているが、その原因は明らかになっていない。本研究では、イオン照射によるアーチファクトの変化を調べ、GaAsミドルセルが劣化するとアーチファクトも減少することから、GaAsのフォトルミネッセンスがアーチファクトの原因のひとつであることが示唆された。

論文

Radiation study in quantum well III-V multi-junction solar cells

Gonz$'a$lez, M.*; Hoheisel, R.*; Lumb, M.*; Scheiman, D.*; Bailey, C. G.*; Lorentzen, J.*; Maximenko, S.*; Messenger, S. R.*; Jenkins, P. P.*; Tibbits, T. N. D.*; et al.

Proceedings of 39th IEEE Photovoltaic Specialists Conference (PVSC-39) (CD-ROM), p.3233 - 3236, 2013/06

多重量子井戸(MQW)構造をもつInGa$$_{0.51}$$P/MQW-In$$_{0.01}$$Ga$$_{0.99}$$As/Ge三接合太陽電池と、その構成サブセルについて1MeV電子線と3MeV陽子線照射による放射線耐性評価を行った。発電特性評価に加え、電流・電圧特性、外部量子効率測定、エレクトルミネッセンス測定を行い、特性劣化の詳細を明らかにした。その結果、ミドルセル(MQW-In$$_{0.01}$$Ga$$_{0.99}$$As)の劣化が顕著であり、これが三接合太陽電池全体の劣化特性を支配していることから、MQW構造のさらなる改善が必要であることが明らかとなった。

論文

Radiation effects in solar cells

今泉 充*; 大島 武

Proceedings of SPIE, Vol.8725 (CD-ROM), 8 Pages, 2013/06

 被引用回数:5 パーセンタイル:90.32(Nanoscience & Nanotechnology)

太陽電池の照射効果及び宇宙用太陽電池開発に関して発表する。陽子線や電子線による単接合のシリコン太陽電池やInGaP/GaAs/Ge三接合太陽電池の特性の劣化挙動及び劣化メカニズムを紹介する。特に、三接合太陽電池で見られる複雑な劣化挙動に関して、各サブセルの分光感度の特性劣化を光デバイスシミュレータに組み込むこと、さらに、放射線による結晶損傷量を非イオン化エネルギー損失(NIEL)で表すことで三接合太陽電池の劣化予測が可能な「劣化モデル」の開発に成功した成果について述べる。加えて、太陽電池の劣化機構の解明研究で得られた知見をもとに現在開発を進めている最新の高耐放射線性の薄膜三接合太陽電池の開発状況についても説明する。

論文

Change in the electrical performance of GaAs solar cells with InGaAs quantum dot layers by electron irradiation

大島 武; 佐藤 真一郎; 今泉 充*; 中村 徹哉*; 菅谷 武芳*; 松原 浩司*; 仁木 栄*

Solar Energy Materials and Solar Cells, 108, p.263 - 268, 2013/01

 被引用回数:13 パーセンタイル:49.45(Energy & Fuels)

量子ドット(QD)太陽電池の宇宙応用の可能性を調べるため、In$$_{0.4}$$Ga$$_{0.6}$$As QD層を50層有するGaAs太陽電池に1MeV電子線を1$$times$$10$$^{16}$$/cm$$^{2}$$照射した。照射後、短絡電流I$$_{rm SC}$$,開放電圧V$$_{rm OC}$$及び最大電力P$$_{rm MAX}$$は、それぞれ、初期値の80, 90及び55%まで減少した。一方、無QDのGaAs太陽電池は、それらの値は、それぞれ、95, 80及び63%まで低下した。QD太陽電池のI$$_{rm SC}$$が無QDに比べ大きく劣化した理由は、QD太陽電池の光吸収層が1.1$$mu$$mと無QD太陽電池の660nmに比べ厚く、そのため、発生する照射欠陥が特性劣化に及ぼす影響が大きくなったためと考えられる。一方、光吸収層長に直接影響しないV$$_{rm OC}$$は、QD太陽電池の方が無QDに比べ劣化が小さく、QDの優れた耐放射線性が示唆された。さらに、照射後の特性回復をAM0光照射下で室温にて調べたところ、両太陽電池ともに特性の回復現象が観測された。QDの有無にかかわらず回復が観察されたことからQD特有の現象ではなく、GaAsのようなIII-V族半導体で報告されている光注入による劣化特性の回復であると考えられる。

論文

Estimation method for radiation resistance of multi-junction solar cells using I-V characteristics of subcells

中村 徹哉*; 今泉 充*; 管井 光信*; 佐藤 真一郎; 大島 武

Proceedings of 10th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Applications (RASEDA-10) (Internet), p.48 - 51, 2012/12

本研究では、エレクトロルミネセンス(EL)を用いることで多接合太陽電池中の各サブセルの電流電圧特性を評価し、それによって多接合太陽電池全体の放射線劣化を予測する手法を考案した。ELによるサブセルの電流電圧特性評価法では、シャント抵抗と直列抵抗以外のパラメータを導出することが可能であり、また残されたふたつの重要パラメータは、カラーバイアス光照射下での電流電圧特性と回路シミュレータを用いた解析から求めることができる。この手法を用いてInGaP/GaAs二接合太陽電池の電子線照射による発電特性の劣化を予測したところ、実験結果をよく再現したことから、本手法の有効性が示された。

論文

Temporal electric conductivity variations of hydrogenated amorphous silicon due to high energy protons

佐藤 真一郎; 齋 均*; 大島 武; 今泉 充*; 島崎 一紀*; 近藤 道雄*

Journal of Non-Crystalline Solids, 358(17), p.2039 - 2043, 2012/09

 被引用回数:5 パーセンタイル:31.14(Materials Science, Ceramics)

非ドープ, n型, p型水素化アモルファスシリコン(a-Si:H)薄膜に陽子線照射した時の光伝導度及び暗伝導度の変化について系統的に調べた。非ドープa-Si:Hは照射とともに一旦光伝導度や暗伝導度は上昇したが、さらに照射を続けると減少に転じた。ただしこの伝導度の上昇は準安定なものであり、時間とともに減衰してくことも明らかとなった。同様の結果がn型a-Si:Hに対しても得られたが、p型a-Si:Hについては単調な減少が観察された。非ドープ及びn型a-Si:Hにおいて観察される光伝導度及び暗伝導度の上昇はドナー中心の生成に起因していること、また高照射量域で見られる減少は、照射欠陥によって作られる深い準位のキャリア捕獲中心やキャリア補償効果に起因していることが明らかとなった。

論文

Anomalous enhancement in radiation induced conductivity of hydrogenated amorphous silicon semiconductors

佐藤 真一郎; 齋 均*; 大島 武; 今泉 充*; 島崎 一紀*; 近藤 道雄*

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 286, p.29 - 34, 2012/09

 被引用回数:8 パーセンタイル:52.49(Instruments & Instrumentation)

水素化アモルファスシリコンは耐放射線性光デバイス材料の候補として期待されているが、照射効果については明らかになっていない点が多い。デバイスグレード水素化アモルファスシリコン薄膜に10MeV陽子線を照射しながら暗状態でその間の電気伝導度を測定したところ、照射量の増大に伴って電気伝導度が劇的に上昇した。しかし、$$10^{13}$$/cm$$^2$$を超えたあたりから電気伝導度は減少し始め、高照射量域では一定値となった。光照射を行いながら同様の実験を行ったところ、ほぼ同様の傾向を示したが、両者の電気伝導度の比を取ると、電気伝導度が最大になる付近でほぼ1になることがわかった。通常、光照射下では光励起によるキャリアが電気伝導を担うため、暗状態よりも高い電気伝導度を示すが、それが起こらなかったということは励起されたキャリアが電気伝導の主因にはなっていないということであり、ドナー中心が一時的に生成していることを意味する。照射直後の熱起電力測定の結果からも同様の結論を示唆する結果が得られた。さらに、$$10^{14}$$/cm$$^2$$以上の高照射量域ではドナー中心が消失しているために電気伝導度の減少が見られることも判明した。

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