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Vauchy, R.; 松本 卓; 廣岡 瞬; 宇野 弘樹*; 田村 哲也*; 有馬 立身*; 稲垣 八穂広*; 出光 一哉*; 中村 博樹; 町田 昌彦; et al.
Journal of Nuclear Materials, 588, p.154786_1 - 154786_13, 2024/01
Diffusion couples made of dense polycrystalline (U,Pu,Am)O oxides were annealed in various thermodynamic conditions (temperature, oxygen partial pressure), and for different durations. The associated actinide redistribution was quantified using Electron Probe Micro-Analysis (EPMA). Average diffusion profiles were obtained from elemental U, Pu, and Am X-ray maps and the resulting interdiffusion coefficients were calculated, then analyzed at the light of our model of point defect chemistry.
Pham, V. M.*; 有馬 立身*; 稲垣 八穂広*; 出光 一哉*; 秋山 大輔*; 永井 崇之; 岡本 芳浩
Journal of Nuclear Materials, 556, p.153189_1 - 153189_9, 2021/12
被引用回数:0 パーセンタイル:16.97(Materials Science, Multidisciplinary)純Ar及びAr-10%H雰囲気1973Kで8時間焼結させた(1-x)UO-xLnO (Ln=Gd or Er; x= 0 to 0.4)試料の結晶構造変化を評価した。UOに対してLnOを添加した場合の構造への影響を、X線回折(XRD)及びX線吸収微細構造(XAFS)法によって調べた。UOにLnOを添加していくと、40mol%LnO組成まで、UO-LnO固溶体の格子定数が減少していった。これらの試料の格子定数の値は、化学量論比(U,Ln)Oの固溶体とほぼ同じであったことから、試料中のO/M比は2.00に近い状態にあるとみられる。U原子L吸収端のXANES解析は、試料中のUの酸化数に関して、4価に加えて、より高い5価あるいは6価の生成を示した。また、EXAFS解析から、U-OとGd-Oの原子間距離はxの増加とともに減少したが、Er-Oの原子間距離は単調に減少しないことがわかった。
有馬 立身*; 出光 一哉*; 稲垣 八穂広*; 河村 雄行*; 舘 幸男; 四辻 健治
Progress in Nuclear Energy, 92, p.286 - 297, 2016/09
被引用回数:10 パーセンタイル:68.73(Nuclear Science & Technology)ウラニルイオン(UO)の拡散・吸着挙動は、放射性廃棄物処分の性能評価において重要である。溶液中のUO, K, CO, Cl, HOの拡散挙動が分子動力学計算によって評価された。UOの拡散係数が最小であり、HOの自己拡散係数の26%であった。高濃度の炭酸イオンを含む溶液中では、UOCOやUO(CO)の炭酸錯体として存在することが確認された。モンモリロナイト及びイライトと水溶液が共存する系におけるUOやKの吸着・拡散挙動が分子動力学計算によって評価された。分配係数(Kd)は粘土鉱物の層電荷とともに増加し、UOのKdはKのKdよりも小さいと評価された。さらに、2次元方向での拡散係数は、吸着層では比較的小さく、高い層電荷をもつイライトでは極めて小さな値を示した。
松本 卓; 有馬 立身*; 稲垣 八穂広*; 出光 一哉*; 加藤 正人; 森本 恭一; 砂押 剛雄*
Journal of Nuclear Science and Technology, 52(10), p.1296 - 1302, 2015/10
被引用回数:5 パーセンタイル:46.16(Nuclear Science & Technology)(PuAm)Oの酸素ポテンシャルを1473K, 1773K及び1873Kにおいて気相平衡法により測定した。O/M=1.96以上ではAmが還元、O/M=1.96以下ではPuが還元されることを確認した。
前田 敏克; 渡辺 幸一; 大森 弘幸*; 坂巻 景子; 稲垣 八穂広*; 出光 一哉*
原子力バックエンド研究(CD-ROM), 21(2), p.63 - 74, 2014/12
地層処分場で使用されるセメント系材料を起因とするCaイオンや鉄製オーバーパックの共存がガラス固化体の溶解挙動に及ぼす影響を調べるため、Caイオンを含む溶液中や鉄が共存する条件下での模擬ガラス固化体の浸出試験を実施した。その結果、Caイオン共存下ではガラス固化体の溶解が抑制され、鉄共存下では溶解が促進されることがわかった。鉄共存下では、鉄ケイ酸塩の生成に伴いガラス固化体の主成分であるシリカが変質することによって、ガラス固化体の溶解が促進される可能性があると推察された。
Gin, S.*; Abdelouas, A.*; Criscenti, L.*; Ebert, W.*; Ferrand, K.*; Geisler, T.*; Harrison, M.*; 稲垣 八穂広*; 三ツ井 誠一郎; Mueller, K. T.*; et al.
Materials Today, 16(6), p.243 - 248, 2013/06
被引用回数:353 パーセンタイル:99.17(Materials Science, Multidisciplinary)ガラスの長期溶解速度の支配機構に関する共通認識を得るため、使用済燃料の再処理に伴い発生する高レベル廃棄物の閉じ込め材料としてホウケイ酸ガラスを採用している国々が科学的協力を強化することとなった。共通認識の獲得は、性能評価及び地層処分の安全性実証に利用される信頼性の高い予測モデルの開発に向けて最も重要な課題である。この協力構想には、材料科学分野の最新ツールを利用して基礎又は応用研究を行っている多数の研究機関が参加している。本論文では、この協力構想に参画している6か国におけるガラス固化に関する経緯、現在の政策、地層処分計画を紹介し、ガラスの長期挙動に関する共通及び各国のニーズを示す。また、この協力構想の提案及びこれまでに得られた成果を概括する。
稲垣 八穂広*; 牧垣 光; 出光 一哉*; 有馬 立身*; 三ツ井 誠一郎; 野下 健司*
Journal of Nuclear Science and Technology, 49(4), p.438 - 449, 2012/04
被引用回数:18 パーセンタイル:79.66(Nuclear Science & Technology)マイクロチャンネル流水溶解試験法(MCFT法)を用いて、模擬ガラス固化体の初期溶解速度()のpH依存性,温度依存性を評価した。その結果、25Cにおいてはシングルパスフロースルー法(SPFT法)などによる既往の結果と同様にV字型のpH依存性を示すことがわかった。しかしながら、70, 90CにおいてはpHが中性の条件でが一定となるU字型のpH依存性を示し、SPFT法等と異なる結果となった。また、90Cにおいては、pHが8から11の範囲でSPFT法と較べてが大きく、pH依存性の傾きも大きいことがわかった。温度依存性についてはどのpHにおいてもアレニウス則に従うが、pHの増加に伴ってみかけの活性化エネルギーが増加するという結果となり、溶解メカニズムがpHによって変化することが示唆された。
平野 史生; 佐藤 正知*; 小崎 完*; 稲垣 八穂広*; 岩崎 智彦*; 大江 俊昭*; 加藤 和之*; 北山 一美*; 長崎 晋也*; 新堀 雄一*
Journal of Nuclear Science and Technology, 49(3), p.310 - 319, 2012/03
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)軽水炉から取り出したMOX使用済燃料を再処理した後に発生するハルエンドピース廃棄体について、地層処分に対する廃棄体の発熱の影響を検討した。MOX使用済燃料の発熱率と、その再処理後に生じるハルエンドピース廃棄体の発熱率は、MOX燃料を軽水炉に装荷する前の履歴に依存して変化する。ここでの履歴とは、再処理してプルトニウムを取り出す前のウラン燃料の燃焼度,冷却期間、及び再処理後に製造されたMOX燃料の貯蔵期間を指す。これらMOX使用済燃料の再処理に伴い発生するハルエンドピース廃棄体の発熱率は、使用済ウラン燃料を長期に渡り冷却した後に(例えば50年間)再処理し、MOX燃料を製造する場合等においても、燃焼度45GWd/tのウラン燃料の再処理で発生するハルエンドピース廃棄体と比較すると極めて高い。こうした廃棄体をセメント固化して地層処分する場合、セメントの温度上限値を80Cとし、MOX燃料の燃焼度を45GWd/tとすると、1体の廃棄体パッケージに収納できるハルエンドピース廃棄体の量は、キャニスターの本数に換算すると0.7-1.6本となり、ウラン燃料の場合の4本と比較すると極めて少ないとの結果が得られた。
稲垣 八穂広*; 酒谷 圭一*; 山村 由貴*; 三ツ井 誠一郎; 野下 健司*; 三浦 吉幸*; 兼平 憲男*; 越智 英治*; 椋木 敦*; 千葉 保*
第7回再処理・リサイクル部会セミナーテキスト, p.136 - 137, 2011/01
これまでの静的溶解試験では、ガラス溶解に伴い反応溶液の液性が変化するため、任意の液性一定条件での測定評価が困難であった。本研究では、我が国の模擬ガラス固化体であるJAEA-P0798ガラス及びJNFL-KMOCガラスについて、新たに考案したマイクロチャンネル流水試験法を用いた任意の液性一定条件での溶解試験を行い、ガラスの本質的特性の一つである初期溶解速度(: 反応溶液中シリカ濃度がゼロの条件でのガラス溶解速度)を精密に測定し、その温度依存性,pH依存性を体系的に評価した。その結果、いずれのガラス試料についてもは温度とともに増大し、各温度においてpHに関してV字型の依存性を示すことがわかった。
稲垣 八穂広*; 三ツ井 誠一郎; 牧垣 光*; 出光 一哉*; 有馬 立身*; 馬場 恒孝; 野下 健司*
Materials Research Society Symposium Proceedings, Vol.1193, p.219 - 228, 2009/05
ガラス溶解/変質挙動の速度論的評価を行うため、マイクロリアクタを用いた新しい流水溶解試験法を開発した。この方法では、マイクロ流路(20216mm)を有するテフロン台に板状のガラス試料を設置し、シリンジポンプにより一定の流速でマイクロ流路に溶液を注入させることでガラス試料と反応させる。反応後の溶液を一定の間隔で採取、分析することで溶解/変質速度を得ることが可能となる。この方法は、装置がコンパクトで単純である、反応面積に対して反応溶液量が少ない、高感度で溶解/変質速度が測定できる、試験後試料の表面分析が容易であるなどの特徴を有する。この方法により、P0798ガラスのpH,温度,流速,時間を関数とした試験を行い、ガラス溶解/変質挙動の速度論的評価に必要なデータを取得した。
牧垣 光*; 稲垣 八穂広*; 出光 一哉*; 有馬 立身*; 三ツ井 誠一郎; 馬場 恒孝; 野下 健司*
Materials Research Society Symposium Proceedings, Vol.1193, p.307 - 314, 2009/05
新たに考案したマイクロリアクタ流水溶解試験により、模擬ガラス固化体(P0798ガラス)について任意の一定溶液,温度条件での溶解試験を行い、ガラスの初期溶解速度を測定した。試験温度を25C、溶液のpHを5.6から12の範囲としたpH依存性試験で得られたケイ素の溶解速度から求めた初期溶解速度は、フランス原子力庁(CEA)が報告しているR7T7ガラスと同様に、V字型のpH依存性を示した。また、pHを5.6、試験温度を25から90Cの範囲とした温度依存性試験による初期溶解速度からは、活性化エネルギーとして51kJ/molを得た。これはCEAが報告しているR7T7ガラスの値に比べてわずかに小さい値である。これらの結果に基づき、P0798ガラスの溶解機構を議論する。
中山 真一; 長崎 晋也*; 稲垣 八穂広*; 大江 俊昭*; 佐々木 隆之*; 佐藤 正知*; 佐藤 努*; 田中 知*; 杤山 修*; 長尾 誠也*; et al.
JAEA-Conf 2007-003, 120 Pages, 2007/03
「放射性廃棄物処分研究のためのネットワーク」は、放射性廃棄物処分のための基礎研究を促進し、また若手研究者を育成することを目的として、日本原子力研究開発機構の「連携重点研究」制度をその枠組みとして設立された研究者ネットワークである。その第1回情報交換会が、2006年8月4日、日本原子力研究開発機構の原子力科学研究所において開催された。本講演資料集は、本課題の第1回情報交換会における発表、及び討論をまとめたものである。
稲垣 八穂広*
JNC TJ8400 2004-019, 32 Pages, 2005/02
本研究(H13H16)では、処分環境におけるガラス固化体の溶解/変質とそれに伴う核種浸出の反応機構を明らかにする事によって長期浸出挙動評価の信頼性を高めることを目的とし、模擬ガラス固化体P0798を用いた各種条件における溶解/変質実験および解析を行ってきている。本年度(H16)は、ガラス溶解/変質速度のガラス粒径依存性およびガラスからのSe(セレン)の浸出挙動を評価することを目的として浸出/変質実験および解析を行った。また、これまでに得られた成果を整理し、より信頼性の高い浸出モデルへの適用について考察した。 ガラス溶解/変質速度のガラス粒径依存性については、粒径の異なる4種類のガラス試料(粒径32710m)を用いた溶解/変質実験を行い、溶解/変質速度をガラスの水和変質を基にした拡散モデル(水和変質モデル)を用いて解析評価した。その結果、いずれのガラス粒径の場合もその溶解/変質速度を同じ拡散係数の値( 10m/s(120C))を用いて良く説明できることがわかった。また、ガラス粒径(または表面積)は溶解/変質速度に大きな影響を及ぼし、核種浸出評価において重要な因子となることがわかった。Seの浸出挙動については、同上の溶解/変質実験より、Seはガラスマトリクス主要構成元素であるSiと調和的に溶解することから、その浸出速度はSiOガラスマトリクスの溶解速度に依存し、また浸出したSeは本実験条件では低溶解度固相として析出しないものと予想された。これまでに得られた成果を整理では、昨年度までの研究結果を再評価し、水和変質モデルを用いてガラス溶解/変質速度の温度依存性、ガラス粒径依存性およびベントナイト共存でのガラス溶解/変質速度をいずれも良く説明できる事を明らかにし、本モデルの長期浸出挙動評価への適応性を明らかにした。
稲垣 八穂広*; 三ツ井 誠一郎*; 牧野 仁史*; 石黒 勝彦*; 亀井 玄人*; 河村 和廣*; 前田 敏克; 上野 健一*; 馬場 恒孝*; 油井 三和*
原子力バックエンド研究, 10(1-2), p.69 - 84, 2004/03
地層処分における高レベルガラス固化体の性能評価の現状について総説した。ガラス固化体の水への溶解及び核種浸出に関する現象理解は過去20-30年で大きく進展し、現時点で保守的な性能評価は可能であると考えられる。しかしながら、評価の信頼性向上の観点からは、長期の処分期間におけるガラス溶解反応メカニズムや各国で異なる実際の処分環境の影響についての基礎科学的理解をさらに深めるとともに、それらの成果を十分に反映した性能評価モデルの構築が望まれる。これら基礎研究の進展は処分システム全体の性能評価の信頼性向上、さらには処分システムの合理性や経済性の向上にも寄与できるものと期待される。我が国におけるガラス固化体の性能評価研究は、米国,フランス等における多角的な研究と比較して十分なものとは言えず、さらなる拡充が望まれる。
稲垣 八穂広*
JNC TJ8400 2003-055, 24 Pages, 2004/02
高レベル放射性廃棄物ガラス固化体の浸出挙動に関するこれまでの研究より、ガラス固化体は地下水との反応によってゆっくりと溶解するとともに、より安定な鉱物に変質する(変質相、2次鉱物相)ことが予測される。この鉱物化反応はガラス固化体の溶解速度および核種の固定化に密接に関係し、ガラス固化体からの核種浸出挙動において重要な過程になると考えられる。しかしながら、これらの挙動は環境条件に大きく依存し、反応機構の充分な理解には至っていない。このような現象を地球化学的に充分理解、評価することは、ガラス固化体の長期性能を検証する上で重要な役割を果たすものと考えられる。 本研究(H13H15)では、処分環境におけるガラス固化体の溶解/変質とそれに伴う核種浸出の機構を定性的、定量的に明らかにし長期浸出モデルの信頼性を高めることを目的とし、模擬ガラス固化体P0798を用いた各種条件における浸出/変質実験および解析を行ってきた。本年度(H15)は、溶解/変質速度の温度依存性およびベントナイト共存下での溶解/変質挙動を評価することを目的として浸出/変質実験および解析を行い、また、これまでに得られた成果の浸出モデルへの適用について考察した。溶解/変質速度の温度依存性については、その速度をガラスの水和変質を基にした拡散方程式を用いて解析し、拡散係数として210m/s (60C)510m/s (120C)、活性化エネルギーとして52kJ/molの値を得た。ベントナイト共存下での溶解/変質挙動については、共存しない場合と同様にその速度は水和変質反応に律速され、また、浸出したCsはガラス表面析出層ではなくベントナイトにイオン交換による吸着によって固定化されることがわかった。成果の浸出モデルへの適用については、水和変質(拡散)を基にした浸出モデルを用いて長期挙動を評価し、ガラス固化体はH12レポートにおける評価よりも高い核種保持性能を持つ可能性があること、ガラス固化体の割れ後の形状、サイズが拡散係数とともに大きな影響を及ぼすことがわかった。
稲垣 八穂広*; 三ツ井 誠一郎; 牧野 仁史; 石黒 勝彦; 亀井 玄人; 河村 和廣; 前田 敏克*
JNC TN8400 2003-036, 53 Pages, 2003/12
我が国においては、実際の処分環境に適応した詳細な評価やデータ/モデルの検証といったガラス固化体の性能に関する充分な知見の構築が、地層処分の信頼性を客観的に示す上で重要な役割を果たすものと考えられ、更なる研究が必要とされている。 本稿では、ガラス固化体の性能評価に関するこれまでの研究成果を整理、検証した。また、各国の研究の現状を比較評価する事で、その信頼性向上に向けて今後我が国が取り組むべき研究課題を明らかにした。
出光 一哉*; 稲垣 八穂広*; 有馬 立身*
JNC TY8400 2003-001, 72 Pages, 2003/05
ゾルゲル法を用いたCERMET燃料・固化体製造に関して、ジルコニウム酸化物粒子の製造条件の決定およびジルコニウム酸化物と金属の共存性とういう観点から研究を行った。製造条件に関しては、内部ゲル化法の出発溶液、滴下方法について、また乾燥、仮焼について適当な条件を見いだすことにより、ZrYErCeOの酸化物粒子をx=0.00.2の範囲で作成することが可能となった。焼結条件に関しては更に最適化する必要がある。ジルコニウム酸化物と金属との反応に関しては、YSZ(安定化ジルコニア)-Zr、YSZ-Zry4およびYSZ-Siの組み合わせで、800deg.C1150deg.C、最長112日間の条件で等温加熱試験を実施した。YSZ-Zrでは、1000deg.C以上でZrに反応層およびYSZに組織変化が現れ始めた。YSZ-Zry4では、1000deg.Cの長時間加熱によりYSZに組織変化が現れ、それ以上の温度では、Zry4に反応層も形成された。YSZ-Siにおいては、1000deg.C以下では、共存性は保たれた。それ以上の温度では、YSZとSiが反応を起こし、YSZ側に反応層が形成された。
稲垣 八穂広*
JNC TJ8400 2003-014, 38 Pages, 2003/03
ガラス固化体の溶解/鉱物化とそれに伴う核種浸出の機構を定性的、定量的に明らかにし長期浸出モデルの信頼性を高めることを目的とし、模擬ガラス固化体P0798を用いて各種条件において浸出/鉱物化実験を行った。浸出/鉱物化実験は反応を加速するために主に高温のアルカリ水溶液中(NaOH、KOH、脱イオン水)で行い、反応温度、時間、Na濃度等をパラメータとした。実験後、生成された鉱物(変質)相をXRD、電子顕微鏡を用いて分析し、また、溶液中に浸出した元素量をICP-MSを用いて定量した。これらの実験、解析から以下の結論を得た。1)ガラス固化体の変質鉱物として、浸出条件により方沸石またはNa-バイデライト(スメクタイト)またはその両者が生成する。2)生成鉱物の種類、生成速度は条件によって異なり、溶液pH、Na濃度、HSiO濃度および温度が重要な因子となる。3)鉱物の生成は単純な熱力学計算のみでは正確に評価できない。4)Na-バイデライトのみが生成する条件ではガラスの溶解/変質は遅いが、方沸石の生成する条件ではガラスの溶解/変質が加速される。5)Na-バイデライトのみが生成する条件ではガラスの溶解量は時間の平方根に比例して増加し、何らかの拡散過程に律速される。6)ガラス固化体から浸出したCsの多くは、生成鉱物へ固定化され、その浸出量は小さい。方沸石にはその構成元素であるNaとの置換により、Na-バイデライトにはイオン交換による吸着により固定化されると考えられる。
夏 暁彬; 石寺 孝充; 有馬 立身*; 稲垣 八穂広*
Conference of the European Clay Group Association (EUROCLAY2003), p.290 - 291, 2003/00
環境条件下ベントナイト中炭素鋼の腐食および腐食生成物に及ぼすNpのベントナイト中の拡散を調べた。還元条件下炭素鋼無酸素腐食が発生し、強い還元環境を保つ、Npの移行を遅らせることが明らかになった。
稲垣 八穂広*
JNC TJ8400 2002-052, 42 Pages, 2002/02
高レベル放射性廃棄物ガラス固化体の浸出に関するこれまでの多くの研究より、ガラス固化体は地下水との反応によってゆっくりと溶解するとともに、より安定な鉱物に変質する(変質相、2次鉱物相)ことが予測される。この鉱物化反応はガラス固化体の溶解速度および核種の固定化に密接に関係し、ガラス固化体からの核種浸出挙動において重要な過程になると考えられる。最近の研究では、ある条件浸出試験においてガラス固化体から方沸石(ゼオライト)が生成し溶液中の溶存シリカ(H4SiO4)を消費することでガラス固化体の溶解が加速される事が報告されている。一方、一部の核種は生成鉱物中に吸着、析出等によって固定化され浸出が遅延されることも考えられる。従って、ガラス固化体の鉱物化挙動は、長期浸出挙動を検証する上で重要な役割を果たすものと考えられる。 本研究では、ガラス固化体の溶解/鉱物化とそれに伴う核種浸出の機構を定性的、定量的に明らかにすることを目的とし、模擬ガラス固化体P0798を用いて浸出/鉱物化実験を行った。浸出/鉱物化実験は反応を加速するために主に高温のNaOH水溶液中で行い、反応温度、時間、NaOH濃度等をパラメタとした。実験後、生成された鉱物(変質)相をXRDを用いて分析し、また、溶液中に浸出した元素量をICP-MSを用いて定量した。これらの実験、解析から以下の結論を得た。1) ガラス固化体の変質鉱物として、浸出条件により方沸石またはNa-バイデライト(スメクタイト)またはその両者が生成する。2)変質相はSiを主成分とする非晶質相を含む。3)溶液pHに加え、溶液中のNa、K濃度が鉱物生成に大きな影響を及ぼす。4)方沸石生成によりガラス固化体の溶解が加速される。5)Csの多くはガラス変質相中に固定化されその浸出量は小さい。これはNa-バイデライトへの吸着または非晶質相およびポルーサイト中への取込みによるものと考えられる。