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論文

Kondo effect with Wilson fermions

石川 力*; 中山 勝政*; 鈴木 渓

Physical Review D, 104(9), p.094515_1 - 094515_11, 2021/11

 被引用回数:4 パーセンタイル:37.94(Astronomy & Astrophysics)

「ウィルソン・フェルミオン」と呼ばれる格子上のフェルミ粒子に対する近藤効果を記述する模型を構築し、様々な物理現象の予言・解明を行った。模型として、軽いウィルソン・フェルミオンと重いフェルミオンとの4点相互作用を含むカイラルGross-Neveu模型に対する平均場アプローチを用いた。結果として、ゼロ質量のウィルソン・フェルミオンからなる有限密度媒質において近藤効果が実現可能であることを示し、それに伴う近藤凝縮と軽いフェルミオン対の凝縮(スカラー凝縮)との共存相が存在可能であることを示した。このとき、スカラー凝縮が消える臨界的な化学ポテンシャルの値は近藤効果によってシフトする。さらに、負質量を持つウィルソン・フェルミオンにおいては、パリティ対称性が自発的に破れた相(Aoki phase)が生じることが知られているが、Aoki phaseが生じるパラメータ領域近傍で近藤効果も増幅されることを示した。本研究の発見は、ディラック半金属,トポロジカル絶縁体などの物質や、将来的な格子シミュレーションにおける不純物の役割を明らかにするために役立つことが期待される。

論文

Lattice-fermionic Casimir effect and topological insulators

石川 力*; 中山 勝政*; 鈴木 渓

Physical Review Research (Internet), 3(2), p.023201_1 - 023201_23, 2021/06

カシミール効果は、何らかの粒子のゼロ点エネルギーが2枚の平行平板の存在によって歪められることによって生じる物理現象である。格子上の自由度においては、エネルギーと運動量の分散関係はブリルアンゾーンの範囲で周期性を持つため、それに対応してカシミール効果も変化するはずである。本研究では、ナイーブ・フェルミオン,ウィルソン・フェルミオン,(メビウス・ドメインウォール・フェルミオン定式化に基づく)オーバーラップ・フェルミオンなどの格子フェルミオン系におけるカシミール効果の性質を理論的に調べた。特に、$$1+1$$, $$2+1$$, $$3+1$$次元において周期境界条件または反周期境界条件を持つ系について系統的な解析を行った。中でも、ナイーブ・フェルミオン,負質量を持つウィルソン・フェルミオン,domain-wall heightが大きい場合のオーバーラップ・フェルミオンなどの系において、奇数格子と偶数格子の間でカシミールエネルギーの大きさが振動する現象が見られた。この振動現象は、高運動量を持つ自由度(ダブラー)の存在に起因している。このような新奇なカシミール効果は、トポロジカル絶縁体のような物性系の実験や格子シミュレーションによって将来的に検証されることが期待される。

論文

Casimir effect for lattice fermions

石川 力*; 中山 勝政*; 鈴木 渓

Physics Letters B, 809, p.135713_1 - 135713_7, 2020/10

AA2020-0811.pdf:0.54MB

 被引用回数:10 パーセンタイル:76.76(Astronomy & Astrophysics)

本論文では、相互作用のない格子フェルミオンにおけるカシミールエネルギーの定義を世界で初めて提案する。我々はこの定義を用いることで、空間方向に周期境界条件や半周期境界条件が課された1+1次元時空におけるナイーブ・フェルミオン,ウィルソン・フェルミオン,(メビウス・ドメインウォール・フェルミオン定式化に基づく)オーバーラップ・フェルミオンに対するカシミール効果の性質を調べた。ナイーブ・フェルミオンにおいては、奇数個・偶数個の格子に対してカシミールエネルギーが交互に振動するという結果が得られた。ウィルソン・フェルミオンにおいては、格子サイズが$$N geq 3$$の領域で、連続理論のディラック粒子におけるカシミールエネルギーとよく一致する結果が得られた。この結果は、格子シミュレーションによってカシミール効果を測定する際に、ウィルソン・フェルミオンによる格子正則化を用いることで離散化誤差をよく制御できることを意味している。さらに、(メビウス・ドメインウォール・フェルミオン定式化に基づく)オーバーラップ・フェルミオンはトポロジカル絶縁体の表面モードに対応しており、様々なモデルパラメータ依存性も調べた。これらの発見は、対応する格子構造を持つ物性系や、格子上の数値シミュレーションによっても検証されることが期待される。

論文

$$D$$ mesons as a probe of Casimir effect for chiral symmetry breaking

石川 力*; 中山 勝政*; 末永 大輝*; 鈴木 渓

Physical Review D, 100(3), p.034016_1 - 034016_14, 2019/08

 被引用回数:5 パーセンタイル:31.16(Astronomy & Astrophysics)

本論文では、ゼロ温度および有限温度におけるカイラル対称性の自発的破れに対する有限体積効果を検証するために、$$D$$中間子がプローブとして役立つことを示した。まず、2+1フレーバーの構成子クォークを含む線形シグマ模型を用いることで、$$sigma$$平均場に対するCasimir効果を解析した。この解析では、反周期境界条件でカイラル対称性が回復し、周期境界条件で対称性の破れが増幅するという結果が得られた。さらに、有限温度・体積平面における$$sigma$$平均場の相図を示した。$$D$$中間子に対しては、カイラルパートナー構造に基づく有効模型を構築した。ここで、$$D$$中間子質量の体積依存性は、$$sigma$$平均場によって与えられる。$$D_s$$中間子は$$sigma_s$$平均場を含むため、$$D$$中間子と比べて体積変化に対する応答が鈍いことが判明した。高温・周期境界条件においては、$$D$$中間子の質量シフトに異常が見られることを発見し、この振る舞いは将来の格子QCDシミュレーションによる検証で役立つことが期待される。さらに、コンパクト化空間次元の数の依存性も調べた。

論文

Quantum paramagnet near spin-state transition

富安 啓輔*; 伊藤 菜緒子*; 岡崎 竜二*; 高橋 佑生*; 小野寺 貢*; 岩佐 和晃*; 野島 勉*; 青山 拓也*; 大串 研也*; 石川 喜久*; et al.

Advanced Quantum Technologies (Internet), 1(3), p.1800057_1 - 1800057_7, 2018/12

スピンクロスオーバーとしても知られるスピン状態転移は、様々な物質において重要な役割をもつ。理論的に、低スピンと高スピン状態の境界近傍では、従来とは異なる物理状態を引き起こすと予想されている。しかしながら、外場を印加せずに、基底状態としてほぼ縮退した臨界の状態を実現する系は、いまだに実験的には確認されていない。本研究は、LaCoO$$_{3}$$へのSc置換が、非磁性の低スピン状態を不安定化させ、トランスポートギャップのエンハンスメントと磁気格子膨張、Co-O距離の縮みを伴う異常な常磁性状態を生み出すことを明らかにした。これらの現象は、通常の低スピン・高スピン状態の混合状態ではよく説明できず、スピン状態転移の境界で生じる量子重ね合わせで記述することができる。

論文

Consideration on effective Pu utilization in high conversion type LWR for better transition to FBR cycle

石川 信行; 大久保 努

Proceedings of International Conference on Toward and Over the Fukushima Daiichi Accident (GLOBAL 2011) (CD-ROM), 4 Pages, 2011/12

軽水炉サイクルから高速炉サイクルへの移行を考える場合、導入期における高速炉では軽水炉排出のプルトニウムが使われるため、炉特性を考慮した炉側からの検討も必要となる。軽水炉からのプルトニウムとしては、ウラン使用済燃料からのものに加えて、MOX使用済燃料由来のプルトニウムもあり、高速炉サイクルへの移行にあたっては、軽水炉からのMOX使用済燃料も高速炉への有効なプルトニウム供給源となる。そのため、このような観点で軽水炉でのプルトニウム有効利用について検討することも重要となる。高速炉の導入に先立っての軽水炉でのプルトニウム利用を考える場合、高転換型軽水炉は良質のプルトニウムをより多く残せるため、高速炉サイクルへの移行に適したプルトニウム利用の良好なオプションとなり得るといえる。本報では高転換型軽水炉のプルトニウム有効利用性について、高速炉サイクルへの移行を視野にいれた検討結果について報告する。

報告書

高転換型革新的水冷却炉(HC-FLWR)炉心に関する研究

中野 佳洋; 深谷 裕司; 秋江 拓志; 石川 信行; 大久保 努; 内川 貞夫

JAEA-Research 2009-061, 92 Pages, 2010/03

JAEA-Research-2009-061.pdf:9.5MB

革新的水冷却炉(FLWR)を構成する二つの炉心概念、高転換型炉(HC-FLWR)と低減速軽水炉(RMWR)炉のうち、HC-FLWRについて、代表炉心設計,HC-FLWRからRMWRへの移行炉心設計,マイナーアクチニド(MA)リサイクル炉心設計,導入効果の検討を行った。代表炉心設計では、燃料棒直径1.12cm,核分裂性Pu(Puf)富化度10.75%, MOX長85.5cm,取出燃焼度52GWd/t, Puf残存比0.84の炉心を設計した。移行炉心設計では、集合体内の富化度分布調節と燃料交換パターンの工夫により、集合体内及び炉心内の出力分布を平坦化できることを明らかにした。MAリサイクル炉心設計では負のボイド反応度係数を維持しながら取出燃焼度55GWd/tが得られる炉心を設計し、MA添加がボイド反応度係数に寄与する炉物理的メカニズムを、厳密摂動論を用いて明らかにした。導入効果の検討に関しては、本研究で得られた代表炉心設計の結果を踏まえて、より一般的な枠組みで、将来の軽水炉でのプルトニウム有効利用について考察し高転換軽水炉導入のメリットとそのポテンシャルを明らかにした。

論文

Analytical evaluation on dynamical response characteristics of reduced-moderation water reactor with tight-lattice core under natural circulation core cooling

石川 信行; 大久保 努

Annals of Nuclear Energy, 36(5), p.650 - 658, 2009/05

 被引用回数:7 パーセンタイル:45.28(Nuclear Science & Technology)

稠密な炉心構成を有する低減速軽水炉の動的応答に関する特性を明らかにするために、TRAC-BF1コードによる時間領域解析を行った。基本的な動的応答特性を明らかにすることを目的としてステップ応答に基づく評価を行った。まず、稠密構成の燃料集合体単体に関する応答特性を把握するため、集合体の入口・出口間の差圧をステップ状に変化させた場合の集合体流量応答の評価を行った。燃料集合体の設計におけるパラメータとして入口オリフィス抵抗係数,流速条件の影響を見るために集合体流量,冷却材クオリティの影響を見るために集合体熱出力の3つを代表的なパラメータとして選択して評価を行った。次いで、核的フィードバックが作用する条件下でステップ状の反応度外乱が加えられた場合の炉出力応答特性を評価した。さらに、低減速軽水炉の自然循環条件下における流量応答特性の評価を行った。以上の評価を通して、低減速軽水炉における高ボイド率,低流量の運転条件が応答特性に与える効果を検討し応答に関する基本特性を明らかにした。

論文

General consideration on effective plutonium utilization in future LWRs

石川 信行; 大久保 努

Proceedings of 2009 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP '09) (CD-ROM), p.9071_1 - 9071_8, 2009/05

軽水炉でのMOX利用について考察するため、プルトニウム有効利用性並びに経済性の観点からの評価を行い、特に、革新的水冷却炉の設計研究の範疇でもある高転換軽水炉のメリットについて言及することを目的とした検討を行った。まず、MOX軽水炉の経済性に関する相対的なポジションを明らかにするために、MOX軽水炉,ウラン軽水炉,高速増殖炉について発電コストの相互比較評価を行った。発電コスト評価においては、発電コストを決める要因である、天然ウラン価格,建設単価,燃焼度などのパラメータに関する感度評価も行った。MOX利用の経済的優位性については、プルトニウムクレジットの観点からも合わせて評価した。プルトニウム有効利用性に関しては、MOX軽水炉の代表ケースとして高転換軽水炉と高減速軽水炉について、プルトニウム多重リサイクル条件下でのプルトニウム有効利用性を排出されるプルトニウムの質(組成)の制約も考慮して評価した。さらに、高転換軽水炉についてその性能指標である転換比をパラメータとした導入可能規模の評価を行い、高転換軽水炉の有するポテンシャルを明らかにした。

論文

Superconducting MgB$$_2$$ thin film detector for neutrons

石田 武和*; 西川 正利*; 藤田 賢文*; 岡安 悟; 片桐 政樹*; 佐藤 和郎*; 四谷 任*; 島影 久志*; 三木 茂人*; Wang, Z.*; et al.

Journal of Low Temperature Physics, 151(3-4), p.1074 - 1079, 2008/05

 被引用回数:36 パーセンタイル:78.05(Physics, Applied)

本論文では、ボロン同位体(質量数10)を増量した超伝導MgB$$_2$$中性子検出器は比較的高い温度で操作可能であることを示す。基本動作原理は、ボロン同位体が中性子をよく吸収し、核反応を起こすことで、超伝導転移近傍で大きな電気抵抗変化が瞬間的に起こることであり、実験用の原子炉から射出される冷中性子が高感度で検出可能となる。出力となる発生電位差については、デジタルオシロスコープを用いて低ノイズの増幅装置を用いることで十分に検出可能であることが分かった。また、詳細な上記核反応により起こる超伝導非平衡ダイナミクスについては、時間依存のギンツブルク・ランダウ方程式のシミュレーションをスーパーコンピュータ上で実施することにより追跡可能であり、観測事実とよく符号することが分かっている。

論文

Design and scenario studies on FLWR for effective use of Pu

岩村 公道; 石川 信行; 大久保 努

Proceedings of 4th Asian Specialist Meeting on Future Small-Sized LWR Development, p.11_1 - 11_9, 2007/11

軽水炉技術に立脚し、将来の燃料サイクルの環境に柔軟に対応したプルトニウム有効利用を実現可能な革新的水冷却炉の概念を構築した。この概念の特徴は、現行軽水炉からの技術的ギャップの比較的小さい高転換型炉心から同一炉心構成、かつ、プラント構成の下で増殖型炉心への発展が可能なことである。本報では、革新的水冷却炉の炉心設計とその導入シナリオの検討結果について述べる。

報告書

革新的水冷却炉研究会(第9回)に関する報告書; 2006年3月1日,航空会館,東京都港区

石川 信行; 小林 登; 大久保 努; 内川 貞夫

JAEA-Review 2006-020, 102 Pages, 2006/07

JAEA-Review-2006-020.pdf:11.72MB

「革新的水冷却炉研究会」は、軽水炉によるプルトニウムリサイクルを目指して原子力機構が研究開発を進めている革新的水冷却炉に関して、大学,電力会社,原子力メーカー及び研究機関等の研究者と情報交換を行って今後の研究に資することを目的に実施しているものである。本研究会は、平成10年3月に開催された第1回会議以来、毎年開催されており、第9回となる今回は、平成18年3月1日に航空会館で行われ、電力会社, 大学, 研究機関, メーカー等から64名の参加があった。原子力機構における原子力基礎工学研究と産業界との連携、革新的水冷却炉研究開発の状況とその成果、実用化戦略調査研究フェーズ2最終評価についての報告と併せて、超臨界圧炉の研究開発(東京大学)、次世代原子炉開発を巡る国内外の動向(エネルギー総合工学研究所)についての外部研究機関からの講演が行われた。本報告書は研究会における講演の概要を取りまとめたものである。

論文

Proposal of simplified model of radionuclide release from fuel under severe accident conditions considering pressure effect

日高 昭秀; 工藤 保; 石神 努; 石川 淳; 更田 豊志

Journal of Nuclear Science and Technology, 41(12), p.1192 - 1203, 2004/12

 被引用回数:6 パーセンタイル:40.72(Nuclear Science & Technology)

原研では、放射性物質の放出機構解明とソースターム高精度予測を目的として、シビアアクシデント条件下における燃料からの放射性物質放出を調べるVEGA実験を行っている。そのうち、圧力影響を調べた実験において、1.0MPaでは0.1MPaに比べCs放出が約30%減少することを観測した。この現象は、結晶粒内拡散に加え開気孔中ガス拡散を考慮した2段階拡散モデルにより説明できることを明らかにした。しかしながら、このモデルは計算時間がかかり、確率論的安全評価等で使用する際は現実的でない。このため、2段階拡散モデルに基づき、燃料表面における開気孔中のガス拡散流束の圧力依存性1/$$sqrt{P}$$を、放出率速度係数を与える従来のCORSOR-Mに乗じる簡易モデルを導出した。さらに、この簡易モデルを原研のソースタームコードTHALES-2に組み込んで、BWRのTQUXシーケンスにおけるCsI放出を調べた所、格納容器が早期に破損する場合は、環境中放出割合がかえって増加する場合があることを明らかにした。今後、ソースターム計算において1/$$sqrt{P}$$ CORSOR-Mモデルの使用を提案する。

報告書

高速増殖炉サイクルの実用化戦略調査研究フェーズII中間報告; 原子炉プラントシステム技術検討書

此村 守; 小川 隆; 岡野 靖; 山口 浩之; 村上 勤; 高木 直行; 西口 洋平; 杉野 和輝; 永沼 正行; 菱田 正彦; et al.

JNC TN9400 2004-035, 2071 Pages, 2004/06

JNC-TN9400-2004-035.pdf:76.42MB

ナトリウム冷却炉、鉛ビスマス冷却炉、ヘリウムガス冷却炉及び水冷却炉について、革新技術を導入し炉型の特徴を活かした炉システム概念を構築し、その概念の成立の見通しを得るための検討を行うとともに、設計要求への適合性を評価した。その結果、2015年頃に高速増殖炉技術を実用化するためには、現状の知見で課題とされた項目で画期的な技術革新がないかぎり、ナトリウムを冷却材して選択することが合理的であることが明らかとなった。

報告書

受動的安全性を具備した低減速軽水炉に関する技術開発(受託研究)

岩村 公道; 大久保 努; 秋江 拓志; 久語 輝彦; 与能本 泰介; 呉田 昌俊; 石川 信行; 長家 康展; 新谷 文将; 岡嶋 成晃; et al.

JAERI-Research 2004-008, 383 Pages, 2004/06

JAERI-Research-2004-008.pdf:21.49MB

本報告書は、日本原子力研究所,日本原子力発電,日立製作所,東京工業大学が財団法人エネルギー総合工学研究所からの委託を受けて平成12$$sim$$14年度に実施した革新的実用原子力技術開発提案公募事業「受動的安全性を具備した低減速軽水炉に関する技術開発」の成果をまとめたものである。本提案公募事業では、エネルギーの長期安定供給を確保するとともに、コスト競争力の強化,プルトニウムの有効利用,使用済燃料蓄積量の低減など、原子力発電及び核燃料サイクルが直面する課題の解決、及び安全性・経済性にかかわる技術の一層の向上を図るため、既に実用化している軽水炉技術を最大限に活用し、中性子の減速を抑制して転換比を上げることにより燃料の増殖,高燃焼度・長期サイクル運転,プルトニウムリサイクルが可能となる低減速軽水炉の開発を実施した。 炉心設計,プラントシステム設計とともに、熱流動成立性,炉物理的成立性,燃料の安全性,燃料サイクルの検討を実施し、実用化へ向けた成立性の見通しを得た。

論文

Excitation and decay of the isovector spin-flip giant monopole resonance via the $$^{208}$$Pb($$^{3}$$He,${it tp}$) reaction at 410 MeV

Zegers, R. G. T.*; Abend, H.*; 秋宗 秀俊*; Van den Berg, A. M.*; 藤村 寿子*; 藤田 浩彦*; 藤田 佳孝*; 藤原 守; Gal$`e$s, S.*; 原 圭吾*; et al.

Nuclear Physics A, 731, p.121 - 128, 2004/02

 被引用回数:11 パーセンタイル:56.88(Physics, Nuclear)

$$^{208}$$Biのアイソベクトル型スピン反転巨大単極子共鳴が$$^{208}$$Pb($$^{3}$$He,${it tp}$)反応を用いて励起され、そこから陽子崩壊が測定された。60$$pm$$5%の和則を尽す、単極子巨大共鳴が測定された。共鳴の中心エネルギーは37MeVであり、その中は14Mevであった。陽子崩壊分岐比は52$$pm$$12%であり、残留状態として$$^{207}$$Pbの深部空孔状態に陽子崩壊が起こっていることがわかった。

論文

Beam-palarization asymmetries for the $$p$$($$overrightarrow{gamma}$$,$$K$$$$^{+}$$)$$Lambda$$ and $$p$$($$overrightarrow{gamma}$$,$$K$$$$^{+}$$)$$Sigma$$$$^{0}$$ reactions for $$E$$$$_{gamma}$$=1.5-2.4 GeV

Zegers, R. G. T.*; 住浜 水季*; Ahn, D. S.*; Ahn, J. K.*; 秋宗 秀俊*; 浅野 芳裕; Chang, W. C.*; Dat$'e$, S.*; 江尻 宏泰*; 藤村 寿子*; et al.

Physical Review Letters, 91(9), p.092001_1 - 092001_4, 2003/08

 被引用回数:128 パーセンタイル:94.9(Physics, Multidisciplinary)

$$E$$$$_{gamma}$$=1.5-2.4GeVで$$p$$($$overrightarrow{gamma}$$,$$K$$$$^{+}$$)$$Lambda$$,$$p$$($$overrightarrow{gamma}$$,$$K$$$$^{+}$$)$$Sigma$$$$^{0}$$反応に対するビーム偏極非対称が初めて測定された。この結果は未決定のハドロン共鳴や反応機構解明に用いられる。

論文

Evidence for a narrow $$S$$ = +1 Baryon resonance in photoproduction from the neutron

中野 貴志*; Ahn, D. S.*; Ahn, J. K.*; 秋宗 秀俊*; 浅野 芳裕; Chang, W. C.*; 伊達 伸*; 江尻 宏泰*; 藤村 寿子*; 藤原 守; et al.

Physical Review Letters, 91(1), p.012002_1 - 012002_4, 2003/07

 被引用回数:1006 パーセンタイル:99.86(Physics, Multidisciplinary)

$$K^{+}$$$$K^{-}$$の両粒子を前方で測定することにより、$$^{12}$$Cを標的にした$$gamma$$n $$rightarrow$$ $$K^{+}$$$$K^{-}$$n光反応を研究した。1.54GeV/C$$^{2}$$に25MeV/C$$^{2}$$以下の幅の鋭いバリオン共鳴ピークを観測した。この共鳴ピークのストレンジネス($$S$$)は+1であった。この状態は5つのクォーク($$uudd bar{s}$$)が$$K^{+}$$と中性子に崩壊した状態であると解釈される。

論文

Excitation and decay of the Isovector giant monopole resonances via the $$^{208}$$Pb($$^{3}$$He,${it tp}$) reaction at 410 MeV

Zegers, R. G. T.; Abend, H.*; 秋宗 秀俊*; Van den Berg, A. M.*; 藤村 寿子*; 藤田 浩彦*; 藤田 佳孝*; 藤原 守; Gal$`e$s, S.*; 原 圭吾*; et al.

Physical Review Letters, 90(20), p.202501_1 - 202501_4, 2003/05

 被引用回数:49 パーセンタイル:85.01(Physics, Multidisciplinary)

410MeVでの$$^{208}$$Pb($$^{3}$$He,${it tp}$)反応を用いてアイソベクトル型巨大単極子共鳴の励起と崩壊モードを研究した。$$^{208}$$Biのこの共鳴は60$$pm$$5%の和則を尽し、29MeV$$sim$$51MeVに存在することが初めてわかった。共鳴の中心エネルギーは37$$pm$$1MeVで、その幅は14$$pm$$3MeVと決定した。陽子崩壊の分岐比は52$$pm$$12%であった。

報告書

低減速スペクトル炉開発のための稠密格子体系PWR圧力条件での限界熱流束実験

新谷 文将; 中塚 亨; 頼経 勉; 呉田 昌俊; 吉田 啓之; 石川 信行; 佐藤 隆; 渡辺 博典; 大久保 努; 岩村 公道; et al.

JAERI-Research 2002-018, 37 Pages, 2002/10

JAERI-Research-2002-018.pdf:2.62MB

燃料棒間ギャップ幅が1mm程度の稠密炉心を有する低減速スペクトル炉の成立性評価上重要な限界熱流束評価用基礎データの取得と限界熱流束評価手法の適用性の検討のため、7本バンドル,ギャップ幅1.5,1.0及び0.6mm,PWR圧力条件での基礎実験を実施した。実験の結果、質量流速及びサブクール度が大きいほど、質量流束が2,000kg/m$$^{2}$$/s程度より小さな領域ではギャップ幅が広いほど限界熱流束は大きくなることがわかった。また、高クオリティ域でのCHFの発生等の実験結果から、液膜ドライアウト型のCHFの可能性が示唆された。KfK相関式を組み込んだサブチャンネル解析コードCOBRA-IV-Iを実験解析に適用した結果、解析で得られる限界熱流束は実験値より10%から60%低い値であった。このことから、本解析手法は、対象とした体系に対して大きな余裕をもって限界熱流束を評価できることがわかった。

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