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中村 いずみ*; 大谷 章仁*; 奥田 幸彦; 渡壁 智祥; 滝藤 聖崇; 奥田 貴大; 嶋津 龍弥*; 酒井 理哉*; 渋谷 忠弘*; 白鳥 正樹*
第10回構造物の安全性・信頼性に関する国内シンポジウム(JCOSSAR2023)講演論文集(インターネット), p.143 - 149, 2023/10
原子力発電施設における配管系の耐震設計では、設計対象を弾性はり要素でモデル化し、弾性解析に基づく保守的な応力評価を実施している。一方、これまでに実施された多数の実験結果から、配管系は設計の想定を超えるような地震入力下では弾塑性挙動を示し、破損に至るまでには大きな裕度を有していると認識されている。このような状況を踏まえ、適切な保守性と合理性を有する耐震評価のため、弾塑性応答挙動を考慮した新たな耐震設計・評価手法の構築を目指し、2019年に日本機械学会より発電用原子力設備規格設計・建設規格の事例規格が発刊された。初版発刊後は事例規格の継続的な改善のために議論と検討を進め、2022年には疲労評価に用いるサイクルカウント法等に修正を加えた改訂版の発刊が決定した。また、次期改訂に向け、配管支持構造物の弾塑性評価を規格に取り入れる議論が進められている。本稿では、2022年の事例規格における主要な改訂内容、改訂の背景、次期改訂に向けた取り組み状況及び今後の課題について紹介する。
寺澤 知潮; 松永 和也*; 林 直輝*; 伊藤 孝寛*; 田中 慎一郎*; 保田 諭; 朝岡 秀人
Vacuum and Surface Science, 66(9), p.525 - 530, 2023/09
Au(001)表面は擬一次元周期性を持つHex-Au(001)に再構成することから、この表面にグラフェンを成長させると、その周期性がグラフェンの電子構造を変化させると予測された。特に、グラフェンとAuの軌道混成により、グラフェンにバンドギャップやスピン偏極が導入されると考えられていた。本研究では、Hex-Au(001)表面上のグラフェンの角度分解光電子分光と密度汎関数理論計算の結果を報告する。グラフェンのDiracコーンとAu 6sp軌道の交点に0.2eVのバンドギャップが観測され、バンドギャップ形成の起源がグラフェンのDiracコーンとAu 6sp軌道の混成であることが示された。この軌道混成の機構について考察し、グラフェンのDiracコーンへのスピン注入を予想した。
斉藤 拓巳*; 元川 竜平; 大窪 貴洋*; 三浦 大輔*; 熊田 高之
Environmental Science & Technology, 57(26), p.9802 - 9810, 2023/07
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Engineering, Environmental)Aggregation of humic acids (HAs) were studied by small-angle neutron and X-ray scattering techniques. The combination of these techniques enables us to examine aggregation structures of heterogeneous HA particles. Two HAs with distinctive compositions were examined; a commercial HA (PAHA) and a HA extracted from deep sedimentary groundwater (HHA). While macroscopic coagulation tests showed that these HAs were stable in solutions except for HHA at pH 6, small-angle neutron scattering (SANS) and X-ray scattering (SAXS) revealed that they formed aggregates with the sizes exceeding sub-micrometer length scale. The SAXS curves of PAHA remarkably varied with pD, whereas the SANS curves did not. With the help of theoretical fittings, it was revealed that PAHA aggregates consisted of two domains: poorly hydrated cores and well-hydrated proton-rich shells. The cores are (dis)aggregated with pD inside the aggregates of the shell. The SANS and SAXS curves of HHA resemble each other, and their intensities at low q increased with a decrease of pD, indicating the formation of homogeneous aggregates. This study revealed that distinctive aggregation behaviors exist in humic substances with heterogeneous structures like PAHA, which is invaluable for their roles in the fate of contaminants or nutrients in aqueous environments.
永井 佑哉; 周治 愛之; 川崎 猛; 會田 貴洋; 木村 泰久; 根本 靖範*; 小沼 武司*; 冨山 昇*; 平野 耕司*; 薄井 康弘*; et al.
JAEA-Technology 2022-039, 117 Pages, 2023/06
日本原子力研究開発機構は多くの原子力施設を保有しているが、その多くで老朽化・高経年化への対応、東日本大震災及び福島第一原子力発電所の事故を受けた耐震化や新規制基準への対応が求められ、多額の予算を要する状況である。このため、役割を終えた原子力施設についても根本的なリスク低減及び維持管理費用の削減のために施設の廃止措置を進めることが望ましいが、廃止措置及び発生する放射性廃棄物の処理処分に必要な施設の整備・維持管理にも多額の費用が必要となる。この状況を踏まえ、原子力機構では(1)継続利用する施設を絞り込む「施設の集約化・重点化」、(2)新規制基準・耐震化対応、高経年化対策、リスク低減対策等の「施設の安全確保」及び(3)廃止措置、廃棄物の処理処分といった「バックエンド対策」を3つの柱とした「施設中長期計画」を策定した。本計画において、プルトニウム燃料第二開発室は廃止施設として位置付けられており、施設内に設置された設備の解体撤去を進めている。今回の解体撤去対象は、焙焼還元炉、ペレット粉砕設備、これらを包蔵するグローブボックスNo.W-9及びW-9と隣々接の工程室内に設置されているグローブボックスNo.D-1とを連結するトンネル形状のグローブボックスNo.F-1の一部であり、許認可等による約4年の作業中断期間を含めて平成26年2月から令和2年2月の約6年間をかけて作業を実施した。本報告書では、本解体撤去における作業実績、解体撤去を通して得られた知見をまとめたものである
根本 隆弘; 荒川 了紀; 川上 悟; 長住 達; 横山 佳祐; 渡部 雅; 大西 貴士; 川本 大樹; 古澤 孝之; 猪井 宏幸; et al.
JAEA-Technology 2023-005, 33 Pages, 2023/05
HTTR (High Temperature engineering Test Reactor) RS-14サイクルの原子炉出力降下において、ヘリウムガス循環機のフィルタ差圧が上昇傾向となった。この原因を調査するため、1次ヘリウム純化設備のガス循環機の分解点検等を実施した結果、ガス循環機内のシリコンオイルミストがチャコールフィルタの性能低下で捕集できなくなり、1次系統に混入したためと推定された。今後は、フィルタ交換を実施するとともに、さらなる調査を進め、再発防止対策を策定する予定である。
下村 浩一郎*; 幸田 章宏*; Pant, A. D.*; 名取 寛顕*; 藤森 寛*; 梅垣 いづみ*; 中村 惇平*; 反保 元伸*; 河村 成肇*; 手島 菜月*; et al.
Journal of Physics; Conference Series, 2462, p.012033_1 - 012033_5, 2023/03
被引用回数:0 パーセンタイル:0.2(Physics, Applied)At J-PARC MUSE, since the SR2017 conference and up to FY2022, there have been several new developments at the facility, including the completion of a new experimental area S2 at the surface muon beamline S-line and the first muon beam extraction to the H1 area in the H-line, mainly to carry out high-statistics fundamental physics experiments. Several new studies are also underway, such as applying negative muon non-destructive elemental analysis to the analysis of samples returned from the asteroid Ryugu in the D2 area of the D-line. This paper reports on the latest status of MUSE.
Li, W.*; 山田 真也*; 橋本 直; 奥村 拓馬*; 早川 亮大*; 新田 清文*; 関澤 央輝*; 菅 大暉*; 宇留賀 朋哉*; 一戸 悠人*; et al.
Analytica Chimica Acta, 1240, p.340755_1 - 340755_9, 2023/02
被引用回数:2 パーセンタイル:31.9(Chemistry, Analytical)希土類元素は放射性元素であるアクチノイドのアナログ元素としてしばしば利用される。セリウム(Ce)は希土類元素の中でも+3価と+4価の両方をとり得る特別な元素である。環境試料中のCeの+3価と+4価の比を調べる手段としてX線吸収端近傍構造(XANES)が有力であったが、チタン濃度が高いと蛍光X線の干渉のために測定ができないという問題があった。本研究では、L吸収端だけでなくL吸収端を調べ、さらに新しい検出器であるtransition-edge sensor (TES)を利用することでこれまでは測定が難しかった試料も測定可能にした。この結果は様々な環境試料に応用可能である。
寺澤 知潮; 松永 和也*; 林 直輝*; 伊藤 孝寛*; 田中 慎一郎*; 保田 諭; 朝岡 秀人
Physical Review Materials (Internet), 7(1), p.014002_1 - 014002_10, 2023/01
被引用回数:3 パーセンタイル:72.03(Materials Science, Multidisciplinary)金(001)表面は、六角形の表面と正方形のバルク格子からなる複雑な再構成構造[Hex-Au(001)]を示し、擬一次元的な波状表面を形成している。この表面上にグラフェンを成長させると、波状表面の周期性がグラフェンの電子構造を変化させ、バンドギャップや新しいディラックポイントを形成することが予測された。さらに、グラフェン-金界面はバンド混成によるバンドギャップ生成やスピン注入の可能性が期待される。ここでは、Hex-Au(001)表面上のグラフェンについて、角度分解光電子分光と密度汎関数計算を行った結果を報告する。元のグラフェンとレプリカのグラフェンのバンドの交点はバンドギャップを示さず、一次元ポテンシャルが小さすぎて電子構造を変更できないことが示唆された。グラフェンバンドとAu バンドの交点では0.2eVのバンドギャップが観測され、グラフェンバンドとAu バンドの混成を利用してバンドギャップが生成していることが示された。また、グラフェンとAu の混成により、グラフェンへのスピン注入が起こることが予想される。
藤山 浩樹*; 高橋 博樹; 岡部 晃大; 伊藤 雄一*; 畠山 衆一郎; 鈴木 隆洋*; 大津 聡*; 山川 龍人*
Proceedings of 19th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.529 - 531, 2023/01
J-PARC加速器のコリメータやワイヤースキャナモニタの機械駆動には、ステッピングモータが使用されている。これらの駆動装置ハードウェアは、J-PARC建設当初から使用されているものが多く経年劣化対策が必要となっている。そこで、2017年ごろからモーターや制御系の更新を進めることとなった。ところが、RCS H0コリメータのステッピングモータを現行品に更新したところ、誤動作が生じた。これは、モータードライバから発生するノイズにより、駆動部制御系がLS(リミットスイッチ)の状態を正しく認識できず、動作に支障が生じたものであった。確認のため、新旧のステッピングモータから発生するノイズを簡易テスト環境で測定したところ、明らかに現行品の方が大きいことが明らかとなった。そこで対策として、1本の多芯ケーブルに束ねられたステッピングモータの配線を、電源系とLS信号系に分離したところ、ノイズレベルが1/10程度になり、正常な動作を取り戻すことができた。本件では、RCS H0コリメータ駆動部のノイズ対策について報告する。
山本 風海; 金正 倫計; 林 直樹; Saha, P. K.; 田村 文彦; 山本 昌亘; 谷 教夫; 高柳 智弘; 神谷 潤一郎; 菖蒲田 義博; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 59(9), p.1174 - 1205, 2022/09
被引用回数:6 パーセンタイル:84.97(Nuclear Science & Technology)J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)は、最大1MWの大強度ビームを25Hzという早い繰り返しで中性子実験及び下流の主リングシンクロトロンに供給することを目的に設計された。2007年の加速器調整運転開始以降、RCSではビーム試験を通じて加速器の設計性能が満たされているかの確認を進め、必要に応じてより安定に運転するための改善を行ってきた。その結果として、近年RCSは1MWのビーム出力で連続運転を行うことが可能となり、共用運転に向けた最後の課題の抽出と対策の検討が進められている。本論文ではRCSの設計方針と実際の性能、および改善点について議論する。
高橋 博樹; 鈴木 隆洋*; 石山 達也*; 伊藤 雄一*
Proceedings of 18th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.914 - 917, 2021/10
異常が発生した際にビームを速やかに停止する機械保護システム(MPS)は、ビームロスによる損傷と機器の放射化を最小限に抑えるために不可欠である。既存のMPSモジュールはJ-PARC稼働初期から使用されているため、経年化対策として、新MPSモジュールの設計・製作および更新を2018年より開始した。本件では、新MPSモジュールのうち、MPS信号の集約モジュール、及び、信号を長距離伝送するE/Oモジュールの仕様、及び、動作確認試験の結果について述べる。
栃尾 大輔; 長住 達; 猪井 宏幸; 濱本 真平; 小野 正人; 小林 正一; 上坂 貴洋; 渡辺 周二; 齋藤 賢司
JAEA-Technology 2021-014, 80 Pages, 2021/09
2011年3月の東京電力福島第一原子力発電所事故を受けて制定された新規制基準対応としてHTTRの内部溢水に係る対策及び影響評価を実施した。影響評価にあたっては、高温ガス炉の特徴を考慮し、機器・配管の想定破損による溢水、火災の拡大防止のために設置される系統からの放水による溢水及び地震に伴う機器・配管の破損による溢水を想定し、それぞれに対して没水、被水、蒸気による溢水の影響評価を行った。また、放射性物質を含む液体の管理区域外への溢水についても影響評価を行った。この結果、HTTRで発生した溢水は、対策をとることによって原子炉施設の安全機能に影響を及ぼさないことを確認した。
鈴木 慎太郎*; 田久保 耕*; 久我 健太郎*; 髭本 亘; 伊藤 孝; 冨田 崇弘*; 志村 恭通*; 松本 洋介*; Bareille, C.*; 和達 大樹*; et al.
Physical Review Research (Internet), 3(2), p.023140_1 - 023140_12, 2021/05
本論文では常圧において転移温度が20Kに達するYb化合物の発見について報告している。価数揺動物質-YbAlBのAlサイトをMnに置換することで、反強磁性転移温度が極めて高くなるだけでなく、重い電子状態から近藤半導体に近い抵抗の大きな金属状態へと変わることが見出された。
長尾 郁弥; 新里 忠史; 佐々木 祥人; 伊藤 聡美; 渡辺 貴善; 土肥 輝美; 中西 貴宏; 佐久間 一幸; 萩原 大樹; 舟木 泰智; et al.
JAEA-Research 2020-007, 249 Pages, 2020/10
2011年3月11日に発生した太平洋三陸沖を震源とするマグニチュード9.0の東北地方太平洋沖地震とそれに伴って発生した津波により、東京電力(現東京電力ホールディングス)福島第一原子力発電所の事故が発生し、その結果、環境中へ大量の放射性物質が放出された。この事故により放出された放射性核種は、その大部分が森林に沈着している。これに対し、面積が広大であり大量の除去土壌などが生じる、多面的な森林の機能が損なわれる可能性があるなどの問題があり、生活圏近傍を除き、汚染された森林の具体的な除染計画はない。そのため、未除染の森林から放射性セシウムが流出し、既に除染された生活圏に流入することで空間線量率が上がってしまうのではないか(外部被ばくに関する懸念)、森林から河川に流出した放射性セシウムが農林水産物に取り込まれることで被ばくするのではないか、規制基準値を超えて出荷できないのではないか(内部被ばくに関する懸念)などの懸念があり、避難住民の帰還や産業再開の妨げとなる可能性があった。日本原子力研究開発機構では、環境中に放出された放射性物質、特に放射性セシウムの移動挙動に関する「長期環境動態研究」を2012年11月より実施している。この目的は、自治体の施策立案を科学的側面から補助する、住民の環境安全に関する不安を低減し、帰還や産業再開を促進するといった点にある。本報告書は、原子力機構が福島県で実施した環境動態研究におけるこれまでの研究成果について取りまとめたものである。
乗松 航*; 松田 啓太*; 寺澤 知潮; 高田 奈央*; 増森 淳史*; 伊藤 圭太*; 小田 晃司*; 伊藤 孝寛*; 遠藤 彰*; 舟橋 良次*; et al.
Nanotechnology, 31(14), p.145711_1 - 145711_7, 2020/04
被引用回数:6 パーセンタイル:38.95(Nanoscience & Nanotechnology)炭化珪素(SiC)基板上にエピタキシャル成長した炭化ホウ素(BC)薄膜の熱分解によって、ホウ素をドープしたエピタキシャルグラフェンが成長することを示した。SiC上のBCとBC上のグラフェンの界面は、一定の方位関係を持ち、ダングリングボンドのない安定した構造を局所的に持っていた。BCの最初の炭素層はバッファー層として機能し、その上にグラフェンが積層していた。BC上のグラフェンは、ホウ素が高濃度にドープされており、正孔濃度は210 - 210 cmの広い範囲で制御できた。高濃度にホウ素をドープしたグラフェンはスピングラス挙動を示し、これはスピンフラストレーションシステムにおける局所的な反強磁性秩序の存在を示唆している。炭化物の熱分解は、さまざまな用途向けの新しいの機能エピタキシャルグラフェンをウェーハスケールで得るための技術であると期待できる。
須江 祐貴*; 四塚 麻衣*; 二ツ川 健太*; 長谷川 和男; 飯嶋 徹*; 飯沼 裕美*; 居波 賢二*; 石田 勝彦*; 河村 成肇*; 北村 遼; et al.
Physical Review Accelerators and Beams (Internet), 23(2), p.022804_1 - 022804_7, 2020/02
被引用回数:2 パーセンタイル:25.94(Physics, Nuclear)低エネルギー、低インテンシティーミューオンビームのビーム進行方向のバンチ幅を測定するための破壊的モニターを開発した。このバンチ幅モニター(BWM)は、1つずつのミューオンを高い分解能で測定するためにマイクロチャンネルプレートを用いている。それに加え、タイミングウオークを抑制するために、コンスタントフラクションディスクリミネータ回路を用いている。時間分解能は精密パルスレーザーを用いて65psと測定された。この分解能は、J-PARC E34実験で要求される性能を満たしている。我々は、このBWMを用いて、高周波四重極リニアックによって加速された負ミューオニウムイオンのバンチ幅を測定した。バンチ幅5411nsと測定することに成功した。
奥平 琢也; 清水 裕彦*; 北口 雅暁*; 広田 克也*; Haddock, C. C.*; 伊藤 維久也*; 山本 知樹*; 遠藤 駿典*; 石崎 貢平*; 佐藤 匠*; et al.
EPJ Web of Conferences, 219, p.09001_1 - 09001_6, 2019/12
原子核が熱外中性子を共鳴吸収する反応において、弱い相互作用起因のパリティ対称性の破れが核子間相互作用の最大10倍増幅される現象が観測されている。この反応では時間反転対称性の破れにも同様の増幅効果があることが理論的に予言されており、全く新しい手法で未知の時間反転対称性の破れを世界最高感度で探索できる可能性がある。しかし、その増幅率は全ての核種で未知であり、この手法がもつ可能性を具体的に議論できていなかった。本研究ではJ-PARC, MLF, BL04のGe検出器群を用いて、La(n,)反応の角度分布測定を行い、世界で初めてLaで時間反転対称性の破れの増幅率を求めることに成功した。この結果を用いて、実験に必要な測定時間を見積もると、偏極率40%のLa核偏極技術、偏極率70%, 79atm・cmのHe Spin Filterを用意すれば、1.4日の測定で世界最高感度で時間反転対称性の破れ探索実験が可能であることが判明した。現在原子力機構では高性能なHe Spin Filterの開発を行なっており、本発表では線の角度分布測定の結果、及び共用ビームラインに適用するためのHe Spin Filterの開発の現状について発表する。
長尾 郁弥; 新里 忠史; 佐々木 祥人; 伊藤 聡美; 渡辺 貴善; 土肥 輝美; 中西 貴宏; 佐久間 一幸; 萩原 大樹; 舟木 泰智; et al.
JAEA-Research 2019-002, 235 Pages, 2019/08
2011年3月11日に発生した太平洋三陸沖を震源とするマグニチュード9.0の東北地方太平洋沖地震とそれに伴って発生した津波により、東京電力福島第一原子力発電所の事故が発生し、その結果、環境中へ大量の放射性物質が放出され、その大部分が森林に沈着している。これに対し、面積が広大であり大量の除去土壌等が生じる、多面的な森林の機能が損なわれる可能性があるなどの問題があり、生活圏近傍を除き、汚染された森林の具体的な除染計画はない。そのため、未除染の森林から放射性セシウムが流出し、既に除染された生活圏に流入することに対する懸念があり、避難住民の帰還や産業再開の妨げとなる可能性があった。原子力機構では、環境中に放出された放射性物質、特に放射性セシウムの移動挙動に関する「長期環境動態研究」を2012年11月より実施している。この目的は、自治体の施策立案を科学的側面から補助する、住民の環境安全に関する不安を低減し、帰還や産業再開を促進するといった点にある。本報告書は、原子力機構が福島県で実施した環境動態研究におけるこれまでの研究成果について取りまとめたものである。
須江 祐貴*; 飯嶋 徹*; 居波 賢二*; 四塚 麻衣*; 飯沼 裕美*; 中沢 雄河*; 大谷 将士*; 河村 成肇*; 下村 浩一郎*; 二ツ川 健太*; et al.
Proceedings of 16th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.55 - 60, 2019/07
本論文では、RFQによって89keVまで加速されたミューオンのバンチ長測定について述べる。ミューオンの性質の詳細測定のための、4種類の加速構造を持つリニアックがJ-PARCにおいて開発中である。2017年に、RFQを用いたミューオン加速の実証と横方向プロファイル測定が行われた。次の課題は、次段の加速器のアクセプタンスとビーム整合するために必要な縦方向のビームモニタである。このために、マイクロチャンネルプレートを用いた新しい縦方向ビームモニタを開発中である。このモニタは加速周波数324MHzの1%に相当する時間分解能である30から40psを目標にしている。2018年10月に、RFQによって89keVまで加速された負ミューオニウムイオンのバンチ長測定に成功した。測定されたバンチ長は、0.540.13nsであった。
齊藤 結花*; 常磐 拳志郎*; 近藤 崇博*; Bao, J.*; 寺澤 知潮; 乗松 航*; 楠 美智子*
AIP Advances (Internet), 9(6), p.065314_1 - 065314_6, 2019/06
被引用回数:4 パーセンタイル:16.07(Nanoscience & Nanotechnology)Longitudinal strains in epitaxial monolayer graphene (EMG) grown on SiC substrates were evaluated by -polarization Raman microscopy. Due to the covalent bonds formed at the interface between graphene and the substrate, strong compressive strains were loaded on the EMG, which were sensitively detected by Raman spectroscopy. Our polarization Raman microscope was specially designed for evaluating the longitudinal (-polarization) strain, as well as the lateral (-polarization). -polarization Raman microscopy revealed the relationship between the fluctuation of the local strains and the sample morphology in the SiC-graphene through submicron spatial resolution mapping. The amount of strain estimated through Raman shift and its spatial inhomogeneity have critical influence on the mobility of electrons, which are essential for future device applications of EMG.