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岩田 圭弘; 伊藤 主税; 原野 英樹*; 井口 哲夫*
Journal of Nuclear Science and Technology, 51(4), p.465 - 475, 2014/04
被引用回数:5 パーセンタイル:37.17(Nuclear Science & Technology)高速炉の破損燃料位置検出(FFDL)用に開発されたレーザー共鳴イオン化質量分析計(RIMS)の性能評価を行った。RIMSでは、波長216.7nm又は249.6nmのパルスレーザー光を用いてクリプトン又はキセノンを共鳴イオン化し、飛行時間型質量分析計で同位体比を測定する。高速増殖原型炉「もんじゅ」の設計を想定した数値計算において、破損燃料集合体を99%の信頼度で識別する観点から、RIMSの要求性能を系統誤差1%以下、統計誤差を濃度7pptの核種に対して3%以下と設定した。開発したRIMSはクリプトン,キセノンともに測定時間約40分で上記の要求性能を満たしており、迅速性かつ信頼性が要求されるFFDLに適用可能であることが実証された。
青山 卓史; 石川 高史; 伊藤 主税; 岩田 圭弘; 原野 英樹*
Transactions of the American Nuclear Society, 106(1), p.611 - 613, 2012/06
レーザ共鳴イオン化質量分析法(RIMS)を用いた破損燃料位置検出(FFDL)システムの「もんじゅ」への適用性及びRIMSシステムの「もんじゅ」への設置について検討した。「もんじゅ」用FFDL条件におけるKr及びXeタグガス分析誤差を評価した結果、信頼度68%でタグガスを識別可能であり、RIMSが「もんじゅ」のFFDLに適用できることを確認した。また、設計したRIMS装置は、1次アルゴンガス系統などに接続可能であり、既存のFFDL装置と併設できる。
伊藤 主税; 岩田 圭弘; 原野 英樹*; 井口 哲夫*; 青山 卓史
Transactions of the American Nuclear Society, 102(1), p.416 - 417, 2010/06
高速炉プラントの安全性向上を目指して、レーザ共鳴イオン化質量分析法(RIMS)を用いた破損燃料位置検出技術の高感度化と信頼性向上に関する研究を進めている。本研究では、燃料ピン中に封入されたタグガスによって被覆管が破損した燃料集合体を識別するタギング法にRIMSを適用し、カバーガスAr中にわずかに存在するXe及びKrの同位体比を測定する装置を開発した。この装置を「常陽」で実施した炉内クリープ破断試験に適用して、破断した試料から放出されたタグガスを分析し、試料を同定した。さらに、「常陽」における燃料破損模擬試験にも本装置を適用して、模擬破損ピンから放出されてカバーガスに移行したFPガスの分析に成功し、FPガスの燃焼度推定による被疑破損燃料集合体の絞り込みに適用できる可能性を示した。本研究により高速炉プラントの安全性をより一層向上させ、高速増殖炉サイクルの実現に寄与していく。
大井川 宏之; 辻本 和文; 菊地 賢司; 倉田 有司; 佐々 敏信; 梅野 誠*; 西原 健司; 斎藤 滋; 水本 元治; 高野 秀機*; et al.
Proceedings of 4th International Workshop on the Utilisation and Reliability of High Power Proton Accelerators, p.325 - 334, 2005/11
原研は、マイナーアクチニド(MA)の効果的な核変換を目的とした加速器駆動未臨界システム(ADS)の研究開発を進めている。原研が提案するADSは、熱出力800MWの鉛ビスマス冷却タンク型未臨界炉でMAとプルトニウムを混合した窒化物燃料を装荷する。鉛ビスマスは入射陽子ビームによる核破砕反応で中性子を発生させるターゲットとしても使用される。本研究では、ビーム窓周辺の設計に焦点を絞ったADSの成立性について検討した。ホットスポット燃料ピンの冷却性確保のために、ターゲット領域とダクトレス燃料集合体の間に隔壁を設けた設計とした。また、ビーム窓の冷却を効果的に行うように、流調ノズルを設けた。熱流動解析の結果、最大ビーム出力30MW時においても、ビーム窓の外表面最高温度を摂氏500度以下に抑制できることがわかった。外圧とビーム窓内の温度分布の結果生じる応力も、許容制限値以下となった。
佐々 敏信; 梅野 誠*; 水林 博*; 森 恵次郎*; 二川 正敏; 斎藤 滋; 甲斐 哲也; 中井 公一*; 雑候 章*; 笠原 芳幸*; et al.
JAERI-Tech 2005-021, 114 Pages, 2005/03
日本原子力研究所では、加速器駆動核変換システム(ADS)にかかわる技術の研究開発を進めるため、大強度陽子加速器施設J-PARC計画の下で核変換実験施設の建設を検討している。核変換実験施設は、ADSの未臨界炉心に関する物理的特性の実験的研究を行う核変換物理実験施設と、ADSを設計するための材料データベース構築及び核破砕ターゲットの工学的特性の試験を行うADSターゲット試験施設から構成される。本報告は、ADSターゲット試験施設について、施設の目標,実用ADSと本実験施設との関連について述べ、台車搭載型核破砕ターゲットを採用した実験施設の検討結果についてまとめたものである。
Zegers, R. G. T.*; 住浜 水季*; Ahn, D. S.*; Ahn, J. K.*; 秋宗 秀俊*; 浅野 芳裕; Chang, W. C.*; Dat, S.*; 江尻 宏泰*; 藤村 寿子*; et al.
Physical Review Letters, 91(9), p.092001_1 - 092001_4, 2003/08
被引用回数:128 パーセンタイル:94.91(Physics, Multidisciplinary)=1.5-2.4GeVで(,),(,)反応に対するビーム偏極非対称が初めて測定された。この結果は未決定のハドロン共鳴や反応機構解明に用いられる。
中野 貴志*; Ahn, D. S.*; Ahn, J. K.*; 秋宗 秀俊*; 浅野 芳裕; Chang, W. C.*; 伊達 伸*; 江尻 宏泰*; 藤村 寿子*; 藤原 守; et al.
Physical Review Letters, 91(1), p.012002_1 - 012002_4, 2003/07
被引用回数:1003 パーセンタイル:99.86(Physics, Multidisciplinary)との両粒子を前方で測定することにより、Cを標的にしたn n光反応を研究した。1.54GeV/Cに25MeV/C以下の幅の鋭いバリオン共鳴ピークを観測した。この共鳴ピークのストレンジネス()は+1であった。この状態は5つのクォーク()がと中性子に崩壊した状態であると解釈される。
岩田 秀規*; 持木 幸一*; 村田 裕*; 日塔 光一*; 田村 俊幸*; 小林 久夫*; 松林 政仁
第3回放射線による非破壊評価シンポジウム講演論文集, p.142 - 147, 1999/11
中性子ラジオグラフィと線ラジオグラフィは互いに相補の情報を与える非破壊検査技術である。このため両ラジオグラフィを同一試料に同時に適用することができれば、非破壊検査の効率化が期待できる。本件では、カリフォルニウム線源場においてカラーフィルム撮影にて性能が確認された中性子照射により赤色発光、線照射による緑色発光する二色発光コンバータを使用した。線源としては、中性子強度が高いJRR-3熱中性子ラジオグラフィ装置を用い、冷却型CCDカメラと光学フィルタを組み合わせて鉛、アクリル樹脂、カドミウム、ボロン、ポリエチレン等から構成される模擬サンプルの撮影を行った。その結果、高n/r比の中性子ビームゆえに中性子強度の調整が必要であったが、本手法により模擬サンプルの特徴が中性子及び線のラジオグラフィ画像として得られた。
岩田 圭弘; 伊藤 主税; 原野 英樹*; 青山 卓史
no journal, ,
レーザ共鳴イオン化質量分析法(RIMS)による高速炉タグガス分析について、「もんじゅ」の破損燃料位置検出システム(FFDL)で要求されるpptレベルのKr検出感度を向上させるため、Arに由来するバックグラウンドの低減方策を検討した。主な課題はレーザ光の散乱に由来する光電子によるイオン化で生じるAr二量体イオン()のへの干渉である。Ar由来の非共鳴イオンの抑制を目的として、生成イオンを検出器に引き出す電極に対して、(1)スリット型電極孔の採用,(2)ポリカーボネート絶縁体板を用いた電極カバーの2点を考案した。前者はKr共鳴イオンが生成されるレーザ光路に沿ったスリット型の電極孔形状によりS/N比を改善する手法であり、従来の電極との比較測定によりの信号が約1/3に低減し、検出限界に対応する信号のゆらぎを解析系の回路ノイズ程度まで軽減できた。今後は絶縁体による電極カバーの効果測定に加えて、回路系のノイズ低減策を検討し、高速炉FFDL技術の高度化を目指す。
青山 卓史; 伊藤 主税; 荒木 義雄; 内藤 裕之; 岩田 圭弘; 岡崎 幸基*; 原野 英樹*; 渡辺 賢一*; 井口 哲夫*; 竹川 暢之*; et al.
no journal, ,
高速炉プラントの安全性向上のため、レーザ共鳴イオン化質量分析法を用いたナトリウム漏えい検知技術の開発を進めている。これまでに微量Na分析装置を製作し、それを用いたエアロゾル捕集効率の評価,検出感度の評価を実施してきた。Naを用いた試験では、高感度化が可能な1光子励起+電場イオン化機構を採用するなどイオン信号増加を図り、集積時間180秒で濃度42pptのNaエアロゾルの検出に成功した。Naの検出下限値を評価した結果、2.7pptとの結果が得られ、目標値1ppbに対して約400倍高感度であることを確認した。一方、集積板に付着したNaの計測に寄与する割合が低いため、集積板からの放出率を向上させる必要があることがわかった。今後は、Na検出試験によりその検出性能を評価し、本研究を総括する予定である。
岩田 圭弘; 伊藤 主税; 原野 英樹*; 青山 卓史
no journal, ,
タギング法を用いた高速炉の破損燃料位置検出手法の開発に向けて、Arカバーガス中にppt程度含まれるKr及びXeの同位体比分析を行っている。現状の分析精度は測定時間1000秒に対して約10%であり、統計誤差が主要因であるため、分析精度の向上を目的としたレーザー光学系の改良による共鳴イオン化効率の改善策を検討している。具体的には、(1)Kr分析用のレーザーシステムで使用している和周波発生にパターンの均一なYAGレーザーを利用する、(2)共鳴波長の紫外光を凹面ミラーにより反射させて再利用する、の2点に着目した光学系の改良について現状を発表する。
青山 卓史; 伊藤 主税; 内藤 裕之; 岩田 圭弘; 原野 英樹*; 岡崎 幸基*; 荒木 義雄*; 渡辺 賢一*; 井口 哲夫*; 竹川 暢之*; et al.
no journal, ,
平成17年度から平成21年度まで実施した文部科学省原子力システム研究開発事業(公募研究)「レーザを用いた超高感度分析技術による高速炉のプラント安全性向上に関する研究」の成果を報告する。本研究は、レーザ共鳴イオン化質量分析法(RIMS)を用いたNa漏えい検知技術を開発するものであり、エアロゾル分析技術とRIMSを組合せたナトリウム漏えい検知用RIMS装置を設計・製作した。Naエアロゾルを発生させてその検出性能を評価し、目標感度より3桁高感度である検出下限値0.1pptを達成した。レーザ励起ブレークダウン分光法でNa信号の変化が検出された後、RIMSでその信号推移を監視することで、より早期のプラント対応が可能となり、高速炉プラントの安全性確保に対する有効性が確認できた。
岩田 圭弘; 原野 英樹*; 伊藤 主税; 青山 卓史
no journal, ,
高速炉の破損燃料位置検出への適用を目的として、レーザー共鳴イオン化質量分析法(RIMS)を用いたAr中に濃度ppt程度含まれるKr, Xeの同位体比分析を行っている。RIMSは選択的なイオン化によりバックグラウンドを大幅に低減できる特徴を有するが、共鳴波長が200nm台と短波長であるKr, Xeの分析においては、レーザー光の真空中での反射・散乱に起因する光電子がAr及びArをイオン化する現象が観測されている。発表では、光電子イオン化が光電効果に関連していることに着目し、準安定状態を経由したイオン化スキームにおいて準安定状態からのイオン化に長波長のレーザーを時間差で照射するシステムを提案し、有効性について議論する。
岩田 圭弘; 伊藤 主税; 原野 英樹*; 青山 卓史
no journal, ,
高速炉の破損燃料位置検出に適用するレーザ共鳴イオン化質量分析法(RIMS)の分析精度向上を目的として、パターンの均一なYAGレーザーを利用した和周波発生(SFG)改良、及び紫外光の往復利用の2点に着目したレーザー光学系を開発した。Kr分析に用いる波長217nmの紫外光に対して、光学系の改良によりKrの共鳴イオン化効率が各々約3倍、約1.5倍に改善した。本研究は、文部科学省原子力基礎基盤戦略研究イニシアティブにより実施された「RIMSを用いた高精度な燃料タグガス分析のためのレーザー光学系の開発」の成果である。
岩田 圭弘; 原野 英樹*; 伊藤 主税; 青山 卓史
no journal, ,
高速炉の破損燃料位置検出に適用するレーザー共鳴イオン化質量分析計の性能向上を目的として、(1)スリット型電極孔によるAr, Arイオンの低減,(2)パターンの均一なYAGレーザーを利用した和周波発生の改良による紫外光出力の改善,(3)紫外光の往復利用による共鳴イオン化効率の改善、の3点について発表する。また、同重体干渉の防止を目的としたKrの時間差イオン化手法を提案し、有効性について議論する。
岩田 圭弘; 原野 英樹*; 伊藤 主税; 青山 卓史
no journal, ,
高速炉の破損燃料位置検出への適用を目的として、レーザー共鳴イオン化質量分析法(RIMS)を用いたArガス中に極低濃度含まれるKr, Xeの同位体比分析を行っている。Ar及び炭化水素等の不純物イオンによるKr, Xe核種への同重体干渉を防止するため、準安定状態を経由した時間差イオン化の手法を検討している。発表では、時間差に伴うKr, Xe原子の拡散について評価し、時間差イオン化の有効性について議論する。
岩田 圭弘; 伊藤 主税; 青山 卓史; 原野 英樹*
no journal, ,
高速炉の破損燃料位置検出(FFDL)に適用するレーザ共鳴イオン化質量分析法(RIMS)の分析精度を向上するにあたり、クリプトン分析用の紫外光生成に用いる和周波発生の効率に着目してレーザ光学系を改良した。改良によりKrのイオン化効率を約7倍に改善し、濃度7pptの核種に対して1時間の測定で分析誤差を3-4%程度まで低減した。高速増殖原型炉「もんじゅ」の設計を想定した場合に、改良したRIMS分析計が破損燃料の同定に十分な信頼性を有していると考えられる。
伊藤 主税; 岩田 圭弘; 青山 卓史; 原野 英樹*; 渡辺 賢一*; 井口 哲夫*
no journal, ,
高速実験炉「常陽」では、高速炉の燃料破損診断技術の高度化を目指して、レーザー共鳴イオン化質量分析法(RIMS)を用いたタグガスやFPガスの同位体分析技術を開発している。Arカバーガス中に極微量存在するXe, Krの同位体分析にRIMSを適用するにあたっては、KrとArの同重体干渉を抑制することが最大の課題であり、Arイオンの発生原因となるレーザ光の散乱・反射光の抑制、イオン光学系の改良によるイオン化率向上、Arの非共鳴イオン化に対して時間差をあけてKrをイオン化する方法等の技術開発を進めている。開発したRIMSは、「常陽」の炉内クリープ破断試験で実用化したほか、タグガスの組成変化やFPガスの同位体分析により破損した燃料の照射時間が推定できる可能性を見いだし、高速炉の燃料破損診断に有用なツールとなるポテンシャルを示した。
岩田 圭弘; 伊藤 主税; 原野 英樹*; 青山 卓史
no journal, ,
高速炉の微小ナトリウム漏えい検知及び破損燃料位置検出への適用を目的として、レーザー共鳴イオン化質量分析法を用いた極微量ナトリウム検出及び極低濃度クリプトン,キセノン同位体比分析を行っている。微小ナトリウム漏えい検知への適用においては、ナトリウムエアロゾルのサンプリング時間100秒の条件下でNaの検出限界(3)が0.1pptと漏えい検知に十分な感度を有することが実証された。破損燃料位置検出への適用においては、高速増殖原型炉「もんじゅ」の仕様を想定して、同位体比分析誤差は測定時間約1時間で数%程度であり、破損燃料集合体の同定に十分な分析精度を有することが実証された。
岩田 圭弘; 伊藤 主税; 原野 英樹*; 青山 卓史
no journal, ,
高速炉の破損燃料位置検出(FFDL)に適用するレーザ共鳴イオン化質量分析法(RIMS)のKr, Xe同位体比分析精度を向上するにあたり、Xe分析に新たに紫外光を2周させるレーザ光学系を適用した。現状の統計誤差はKr, Xeともに核種濃度7ppt, 1時間の測定で2-3%程度と要求性能(4%以下と設定)を満たしており、同位体シフト等に起因する系統誤差については光パラメトリック発振(OPO)波長を記録することで近似的に補正可能と考えられる。