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論文

Correlative imaging of live biological cells with a soft X-ray microscope and a fluorescence microscope

加道 雅孝; 岸本 牧; 保 智己*; 安田 恵子*; 青山 雅人*; 刀祢 重信*; 篠原 邦夫*

AIP Conference Proceedings 1696, p.020019_1 - 020019_4, 2016/01

 被引用回数:3 パーセンタイル:85.61(Microscopy)

軟X線顕微鏡は生きている細胞の細胞内小器官を観察するための非常に強力なツールであり、これまで細胞の内部構造を観察するための多くの研究開発が行われてきた。しかし、細胞内構造は非常に複雑で、軟X線顕微鏡で取得した細胞の軟X線顕微鏡像において細胞内小器官を特定することは困難であった。我々は、同一細胞を軟X線顕微鏡と蛍光顕微鏡により同時に観察するハイブリッドイメージング法を提案した。細胞にあらかじめ蛍光標識を施すことにより蛍光顕微鏡により細胞内小器官の位置を正確に特定することができ、蛍光顕微鏡によって得られた細胞内小器官の位置情報を用いて軟X線顕微鏡で取得した細胞の軟X線顕微鏡像において細胞内構造を正確に特定可能となる。軟X線顕微鏡は蛍光顕微鏡よりはるかに高い空間分解能を持つため、正確に特定された細胞内小器官の詳細な構造の解析が可能である。ハイブリッドイメージング法により生きている細胞の観察を行った。その結果、生きている細胞内のミトコンドリアの詳細な構造が確認できた。

論文

高強度電磁エネルギーの生体・医療応用

加道 雅孝; 勝木 淳*

レーザー研究, 42(1), p.40 - 44, 2014/01

MHz帯の高電界の非加熱作用として、1MHz以下では細胞膜に、それ以上では細胞内に生体ストレスが与えられることを示した。10MHz以上で細胞内に入る強電界は、核酸,タンパク質や細胞内小器官に強いストレスとなると予想されるが、5kV/cm程度の電界では顕著な細胞応答が見られていない。現在、パルス幅数ナノ秒の伝送線路系パルスパワー装置を用いて100kV/cmを超える高電界を細胞に印加する試験が進められており、細胞内に光が当たり始めている。高輝度で単パルスという特徴を持つレーザープラズマ軟X線源とX線感光材上に細胞を直接培養する密着型軟X線顕微鏡を組み合わせたレーザープラズマ軟X線顕微鏡を開発し、生きている細胞の細胞内構造の詳細な観察を実現した。さらに、蛍光顕微鏡と組み合わせたハイブリッド顕微法は、これまで軟X線顕微鏡の課題とされていた細胞内構造の正確な特定を可能とし、生命現象の観察への活用を広げた。アポトーシスを起こした細胞核の観察に利用した結果、アポトーシスによる細胞核の構造変化の詳細を明らかにした。

論文

In situ observation of cellular organelles with a contact X-ray microscope

加道 雅孝; 岸本 牧; 保 智己*; 安田 恵子*; 篠原 邦夫*

Journal of Physics; Conference Series, 463, p.012056_1 - 012056_4, 2013/10

 被引用回数:14 パーセンタイル:96.93(Microscopy)

高輝度レーザープラズマ軟X線源と密着型顕微法を組合せたレーザープラズマ軟X線顕微鏡を開発し、細胞内小器官のその場観察を実施した。高強度で高品質なレーザーを金と窒化シリコンの二層構造極薄膜ターゲットに照射することにより高効率なプラズマの加熱を実現し、生きている細胞の瞬時観察に必要とされる一立体角辺り1.3$$times$$10$$^{15}$$個の軟X線フォトンを発生することに成功した。光学顕微鏡による明視野観察を可能とするために透明ガラス基板上に成膜したPMMAフォトレジスト上に細胞を直接培養した。光学顕微鏡と軟X線顕微鏡の両方の顕微鏡による撮像を行うことにより、取得した細胞の軟X線顕微鏡像と蛍光顕微鏡像の直接比較を実現した。その結果、軟X線顕微鏡で取得したミトコンドリアや細胞骨格等の細胞内小器官を正確に特定することが可能となり、これらの細胞内小器官の詳細な構造の解析に成功した。

論文

Imaging of fine structures of cellular organelles in hydrated biological cells by a soft X-ray microscope combined with a fluorescence microscope

加道 雅孝; 岸本 牧; 保 智己*; 安田 恵子*; 青山 雅人*; 篠原 邦夫*

Proceedings of SPIE, Vol.8849, p.88490C_1 - 88490C_7, 2013/09

 被引用回数:1 パーセンタイル:55.77(Optics)

これまでに、高輝度レーザープラズマ軟X線源と密着型顕微法を組合せたレーザープラズマ軟X線顕微鏡を開発し、生きている細胞の細胞内構造を100nm以下の高い空間分解能でその場観察することに成功している。さらに、同一の細胞を軟X線顕微鏡と蛍光顕微鏡により同時に観察し、直接比較することにより、軟X線顕微鏡によって取得した細胞内構造を正確に特定する手法を提案した。細胞をあらかじめ、マイトトラッカー,ファロイジン, DAPI等の蛍光色素によって蛍光標識を施し、蛍光顕微鏡で観察することにより、ミトコンドリア,アクチンフィラメント,クロマチン等の位置を正確に把握することが可能である。蛍光顕微鏡の空間分解能は数100nm程度に制限されるが、軟X線顕微鏡は100nm以下の高い空間分解能を持つため、蛍光顕微鏡で位置を把握した細胞内小器官の詳細な構造の観察が可能となった。特に、ミトコンドリアの観察では、蛍光顕微鏡では解像しきれなかったミトコンドリアのかたまりが軟X線顕微鏡では十分解像され、個々のミトコンドリアの構造も観察できることがわかった。

論文

レーザープラズマ軟X線顕微鏡で生きた細胞の内部を観る

加道 雅孝

Isotope News, (700), p.8 - 11, 2012/08

軟X線顕微鏡は、放射線を照射された細胞内の構造変化の観察による放射線影響の解明等に役立つことが期待できるが、これまでの研究では軟X線輝度の不足により、培養液中の細胞の撮像に数秒から数分の長時間露光が必要とされ、軟X線顕微鏡に本来期待されてきた生きた細胞の内部構造の"その場観察"は実現されなかった。高強度レーザーを金の極薄膜ターゲットに集光することによって発生させた高輝度軟X線源とX線感光材上に細胞を直接培養し、X線の減衰の原因となるX線光学素子を用いないで細胞にX線を直接照射する密着型軟X線顕微鏡を組合せることにより、培養中の生きている細胞の細胞内小器官の詳細な構造を高解像度で観察できるレーザープラズマ軟X線顕微鏡を開発した。マウスの精巣ライディッヒ細胞の観察を行った結果、細胞核周辺を取り巻く網目状のミトコンドリアの構造や細胞核内のクロマチン構造の観察に成功した。

論文

Development of single shot soft X-ray contact microscopy system for nano-scale dynamics measurement of living biological specimen

岸本 牧; 加道 雅孝; 石野 雅彦; 保 智己*; 安田 恵子*; 篠原 邦夫*

AIP Conference Proceedings 1465, p.43 - 47, 2012/07

 被引用回数:9 パーセンタイル:94.44(Physics, Applied)

水中の生きた生体細胞内ナノメートルスケール構造を観測するためのピコ秒シングルショット接触型X線顕微鏡システムの開発を行っている。この顕微システムは、プラズマ軟X線源用の大強度赤外ポンプレーザーシステムとX線顕微鏡チャンバより構成されている。ポンプレーザーは、光パラメトリック法を採用して非常にコントラストの良いレーザーパルスを発生することが可能であり、高効率で水の窓軟X線を発生することができる。X線顕微鏡チャンバは、真空チャンバ,集光レンズ,薄膜ターゲットとその駆動系,真空対応試料ホルダーより構成される。ポンプレーザーパルスは集光レンズによって薄膜ターゲット上に集光され、レーザー誘起プラズマが生成する。プラズマで発生した水の窓軟X線は、試料ホルダーにセットされたPMMAフォトレジスト基板上の生物試料を照射する。軟X線照射後にフォトレジスト基板は現像処理され、フォトレジスト上に記録された生体細胞のX線透過イメージをAFMを用いて読み出す。われわれは開発した軟X線顕微鏡を用いて水中のマウスのライディッヒ細胞のX線像を取得し、この顕微鏡システムが約100nmの空間分解能を持つことを実証した。

論文

Observation of organelle by a laser plasma X-ray microscope

加道 雅孝; 岸本 牧; 石野 雅彦; 保 智己*; 安田 恵子*; 篠原 邦夫*

AIP Conference Proceedings 1465, p.246 - 250, 2012/07

 被引用回数:5 パーセンタイル:84.86(Physics, Applied)

生体の主要な構成要素である炭素に吸収されやすく、周囲の水にはほとんど吸収されないという特徴を持つ高輝度軟X線源と組合せた密着型軟X線顕微鏡は、自然環境下にある水を含んだ生物試料を無染色で直接観察することが可能である。しかし、反面、軟X線顕微鏡はこれまで観察できなかった生きた細胞内の構造を観察できるという新しい観察技術であるため、学術的な応用のためにはX線像で取得された構造を正確に特定することが非常に重要である。われわれは、同一の細胞のX線顕微鏡像と蛍光顕微鏡像を直接比較し、蛍光顕微鏡で観察された構造をもとにX線顕微鏡で得られた構造を特定するという新しい手法を提案した。その結果、X線顕微鏡によりミトコンドリアの構造の観察に成功した。

論文

Source development and novel applications of laser-driven plasma X-ray lasers in JAEA

河内 哲哉; 長谷川 登; 錦野 将元; 石野 雅彦; 今園 孝志; 大場 俊幸; 海堀 岳史; 岸本 牧; 越智 義浩; 田中 桃子; et al.

X-Ray Lasers 2010; Springer Proceedings in Physics, Vol.136, p.15 - 24, 2011/12

本講演では、原子力機構におけるレーザー駆動X線レーザーの光源開発及び利用研究に関する最新の成果を報告する。利用研究の対象は物質科学,レーザー加工,X線イメージング,生体細胞の放射線損傷等と多岐に渡っている。物質科学への応用に関しては、強誘電体の相転移直上での格子揺らぎの時間相関を初めて観測した。レーザー加工に関しては、短パルスレーザー照射時の試料表面電子融解現象をX線レーザー干渉計で観察した。軟X線回折イメージングに関しては、静止したサンプルの微細構造の観察結果とともに、将来的なポンププローブ観察への計画を紹介する。また、X線レーザーの集光性能を利用した細胞損傷効果の基礎実験では、DNAの2本鎖切断の観察結果とKeV領域のインコヒーレントX線照射の場合との比較を議論する。

論文

Development of the X-ray interferometer and the method of spatial and temporal synchronization of XRL and optical pulse

長谷川 登; 越智 義浩; 河内 哲哉; 寺川 康太*; 富田 卓朗*; 山本 稔; 錦野 将元; 大場 俊幸; 海堀 岳史; 今園 孝志; et al.

X-Ray Lasers 2010; Springer Proceedings in Physics, Vol.136, p.353 - 358, 2011/12

レーザー照射によるプリアブレーション過程の解明は、非熱的加工及び微細加工等の応用に対して重要である。われわれが開発したプラズマ軟X線レーザーは物質表面の微細構造の観測に適した短い波長(13.9nm)とダイナミクスの観測に適した短いパルス幅(7ps)を有する。本研究では、ナノスケールのダイナミクスを観測するために、軟X線レーザーを用いた干渉計の開発を行うとともに、軟X線レーザーと他のレーザーとの空間及び時間同期に関する研究を行った。ダブルロイズ反射鏡を用いることにより、深さ方向1nmの分解能を持つ干渉計の開発に成功した。空間同期に関しては、軟X線に感度を有するシンチレーターを用いることにより、50micron以下の精度でのアライメントを実現した。また時間同期に関しては、薄膜ターゲットを利用したプラズマゲートによるX線レーザーと他のレーザーとの時間同期に関する基礎実験を行ったので、これを報告する。

論文

Observation of organelles in Leydig cells by contact soft X-ray microscopy with a laser plasma X-ray source

加道 雅孝; 石野 雅彦; 保 智己*; 安田 恵子*; 岸本 牧; 錦野 将元; 金城 康人*; 篠原 邦夫*

AIP Conference Proceedings 1365, p.391 - 394, 2011/09

 被引用回数:7 パーセンタイル:89.93(Microscopy)

密着型軟X線顕微鏡によりウェットな状態の生きた細胞のシングルショット撮像を実施し、これまでに明らかにされなかった免疫細胞の触手構造の撮像に成功している。軟X線顕微鏡は、これまでに可視化されなかった構造を観察することができるが、実用化のためには軟X線顕微鏡像の中の構造を具体的に特定することが必要である。われわれは、共焦点レーザー顕微鏡と軟X線顕微鏡で同一の細胞の撮像を実施した。共焦点レーザー顕微鏡によって得られた細胞内器官の蛍光顕微鏡像と軟X線顕微鏡によって得られた軟X線顕微鏡像を直接比較することにより、軟X線顕微鏡像の中のアクチンフィラメント等の細胞内器官の特定に成功した。さらに、軟X線顕微鏡の特長を活かすことにより、細胞内器官のより詳細な構造の観察に成功した。

論文

Development of a specimen holder combined with ultra thin film laser plasma X-ray source for compact contact-type soft X-ray microscope to observe hydrated living biologocal cells

石野 雅彦; 加道 雅孝; 篠原 邦夫*; 山本 容正*; 平井 到*; 岸本 牧; 錦野 将元; 長谷川 登; 保 智己*; 安田 恵子*; et al.

Proceedings of SPIE Europe Optics + Optoelectronics 2011, Vol.8139, p.81390R_1 - 81390R_8, 2011/09

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Optics)

金の極薄膜ターゲットは強力な「水の窓」領域の軟X線を発生することから、軟X線顕微鏡のプラズマX線光源として適している。薄膜ターゲット背面からの発光を用いることにより、光源と試料間の距離を短縮することが可能となり、結果として試料を照射する光量を増加させることができる。光源と試料ホルダを組合せることにより、簡便な顕微鏡を設計することも可能となる。また、試料ホルダと光源以外のいかなる光学素子も必要としないので、光量減少の原因となる要素を排除することもできる。われわれは金薄膜ターゲットを組み込んだ細胞用試料ホルダの開発を行い、これを用いて生きた細胞のX線像を撮影することに成功した。本研究で開発した光源一体型試料ホルダは、実験室サイズのコンパクト軟X線顕微鏡を開発するうえで、中心要素となると期待されている。

論文

Flash imaging of fine structures of cellular organelles by contact X-ray microscopy with a high intensity laser plasma X-ray source

加道 雅孝; 石野 雅彦; 岸本 牧; 保 智己*; 安田 恵子*; 金城 康人*; 篠原 邦夫*

Proceedings of SPIE Europe Optics + Optoelectronics 2011, Vol.8139, p.81390O_1 - 81390O_7, 2011/09

レーザープラズマ軟X線源は、高輝度で短パルスという特徴を持ち、軟X線顕微鏡の生物応用に適している。軟X線顕微鏡は生きたままの生物試料の撮像が可能で、これまでに幾つかの実験結果が報告されている。しかし、それらの研究では細胞表面構造の撮像は実現されているが、高輝度軟X線源が必要とされる生きた細胞の細胞内器官の詳細構造の撮像に成功した例はない。われわれは、高輝度軟X線源と密着型軟X線顕微鏡を組合せることにより生きた細胞の細胞内器官の詳細構造の撮像に成功した。軟X線顕微鏡で得られた細胞内器官を同定するために同一細胞を蛍光顕微鏡と軟X線顕微鏡で観察し、直接比較することを考案した。軟X線顕微鏡像と蛍光顕微鏡像を比較することにより、軟X線像の中のアクチンフィラメントやミトコンドリアなどの細胞内器官を正確に特定し、それらの詳細な構造を観察することを可能とした。

論文

Observation of actin filaments in Leydig cells with a contact-type soft X-ray microscope with laser plasma X-ray source

加道 雅孝; 石野 雅彦; 保 智己*; 安田 恵子*; 岸本 牧; 錦野 将元; 金城 康人*; 篠原 邦夫*

電気学会論文誌,C, 130(10), p.1774 - 1778, 2010/10

レーザープラズマ軟X線源を用いた密着型軟X線顕微鏡によりネズミの精巣ライディッヒ細胞のアクチンフィラメントが観察された。ライディッヒ細胞は、パラホルムアルデヒドで固定し、ファロイジンで染色した後、軟X線顕微鏡による観察の前に共焦点レーザー顕微鏡で観察を行った。共焦点レーザー顕微鏡と軟X線顕微鏡で得られた像を直接比較した結果、アクチンフィラメントの位置だけでなく、形においても良い一致が見られた。その結果、実績のある共焦点レーザー顕微鏡像との比較により、軟X線顕微鏡像の中のアクチンフィラメントが明瞭に同定されるとともに、共焦点レーザー顕微鏡に比べてより詳細な構造情報を得ることに成功した。

論文

Observations of the intense soft X-ray emissions from ultra thin Au films irradiated with high contrast laser pulses

石野 雅彦; 加道 雅孝; 錦野 将元; 篠原 邦夫*; 保 智己*; 安田 恵子*; 長谷川 登; 岸本 牧; 大場 俊幸; 河内 哲哉

Proceedings of SPIE, Vol.7589, p.75891B_1 - 75891B_8, 2010/02

 被引用回数:2 パーセンタイル:72.8(Engineering, Biomedical)

酸素と炭素のK殻吸収端に挟まれた「水の窓」と呼ばれる軟X線を利用する軟X線顕微鏡は、水溶液中の生きた細胞を高い空間分解能で観察する技術であり、細胞構造や構造変化に伴う機能発現の解明に役立つ手段として期待されている。生きた細胞を100nm以下の空間分解能で観察するためには、試料上で10$$^{5}$$個/$$mu$$m$$^{2}$$を越える光量のX線が必要となることから、短パルスX線光源には非常に高強度のレーザープラズマX線源が求められる。そのため、レーザー光からX線への変換効率が高い光源の開発やX線光源を試料に近づけるなどの工夫が必要となる。高強度短パルスX線光源の開発を目的として、極薄膜ターゲットを用いたレーザープラズマX線源の特性評価を行った。ターゲットとして窒化シリコン膜上に数十nmから数百nmの膜厚を持つ金を成膜した薄膜ターゲットを用意し、Nd:glassレーザーを金の薄膜に集光照射することにより発生する軟X線を裏面から計測した。その結果、発光強度とスペクトル分布に膜厚依存性が確認できた。測定から、金薄膜により入射レーザーのエネルギーが消費され、レーザーが高い効率で軟X線に変換されていることを示唆する結果が得られた。

論文

A Novel technique for monitoring the reproducibility of laser tape-target interactions using an X-ray pinhole camera

小倉 浩一; 福見 敦*; Li, Z.*; 織茂 聡; 匂坂 明人; 西内 満美子; 加道 雅孝; 森 道昭; 余語 覚文; 林 由紀雄; et al.

Journal of the Vacuum Society of Japan, 52(10), p.570 - 574, 2009/10

高強度レーザーで生成される相対論的プラズマを正確に制御するためには、レーザープラズマ生成用ターゲットの位置を正確に制御する必要がある。このためには集光されるレーザー光のレーリー長より小さな精度でレーザーショットごとにプラズマの発生する位置をモニターする必要がある。ここでは、X線ピンホールカメラを用いてレーリー長より十分小さい約20ミクロンの精度でプラズマの位置を観測できる技術を開発した。

論文

Generation of stable and low-divergence 10-MeV quasimonoenergetic electron bunch using argon gas jet

森 道昭; 近藤 公伯; 水田 好雄*; 神門 正城; 小瀧 秀行; 西内 満美子; 加道 雅孝; Pirozhkov, A. S.; 小倉 浩一; 杉山 博則*; et al.

Physical Review Special Topics; Accelerators and Beams, 12(8), p.082801_1 - 082801_5, 2009/08

 被引用回数:23 パーセンタイル:77.92(Physics, Nuclear)

4TWレーザーを用いて、セルフインジェクション領域において生成される、準単色電子の安定性と発散角を調べた。アルゴンターゲットにおいて、ヘリウムの最適値の1/3以下の2.4mradのポインティング安定性と10.6mradの発散角を見いだした。このときの電子ビームのエネルギーピークは、アルゴン,ヘリウムそれぞれで8.5$$pm$$0.7MeV及び24.8$$pm$$3.6MeVであった。これらの実験結果は、同じ照射条件にもかかわらず、異なるターゲット材質を用いたことによって生じるレーザー伝搬の違いを示すものである。

論文

Experimental and computational characterization of hydrodynamic expansion of a preformed plasma from thin-foil target for laser-driven proton acceleration

匂坂 明人; 長友 英夫*; 大道 博行; Pirozhkov, A. S.; 小倉 浩一; 織茂 聡; 森 道昭; 西内 満美子; 余語 覚文; 加道 雅孝

Journal of Plasma Physics, 75(5), p.609 - 617, 2009/06

 被引用回数:5 パーセンタイル:20.31(Physics, Fluids & Plasmas)

レーザー駆動陽子発生でのプリプラズマの電子密度分布を評価するため、高強度チタンサファイアレーザーのプリパルスやASEによって生成される薄膜ターゲットからのプリプラズマを、2倍高調波のプローブ光によって計測した。さらに、メインパルス前のASEの時間幅を変え、ターゲット表面のプリプラズマサイズを減らすことで、高エネルギー陽子が得られた。また2次元流体コードによるシミュレーションを行った結果、レーザー入射側の低電子密度領域($$sim$$4$$times$$10$$^{19}$$ cm$$^{-3}$$)において、実験結果に近づくことがわかった。

論文

Characterization of an intense laser-produced preformed plasma for proton generation

匂坂 明人; 大道 博行; 小倉 浩一; 織茂 聡; 林 由紀雄; 森 道昭; 西内 満美子; 余語 覚文; 加道 雅孝; 福見 敦*; et al.

Journal of the Korean Physical Society, 51(1), p.442 - 446, 2007/07

 被引用回数:1 パーセンタイル:10.86(Physics, Multidisciplinary)

原子力機構で進めている高出力レーザーを用いた電子,イオンの発生研究を中心にレーザー駆動加速器の現状をレビューする。またその現状を踏まえた今後の利用研究の展望について報告する。

論文

High quality laser-produced proton beam generation by phase rotation

野田 章*; 中村 衆*; 岩下 芳久*; 白井 敏之*; 頓宮 拓*; 想田 光*; 大道 博行; 森 道昭; 加道 雅孝; 匂坂 明人; et al.

International Journal of Modern Physics B, 21(3&4), p.319 - 330, 2007/02

レーザーイオン源は癌治療用の加速器になる可能性を持つ。今回、レーザーの光学調整,プレパルス調整,ターゲット調整,レーザーパルス幅などを行い、レーザー駆動プロトン加速のスペクトルTOF測定をプラスチックシンチレーターを使って行った。プロトンの最大エネルギーは900keV(チタンターゲット3マイクロメートル厚)と600keV(チタンターゲット3マイクロメートル厚)であった。また、生成されたレーザー駆動プロトンのスオエクトルはマクスウェルボルツマン分布をしており、これにFR電場(レーザーとシンクロナイズされた)をかけることによって最初の位相回転に成功した。

論文

Characterization of preformed plasmas using a multi-dimensional hydrodynamic simulation code in the study of high-intensity laser-plasma interactions

匂坂 明人; 内海 隆行*; 大道 博行; 小倉 浩一; 織茂 聡; 高井 満美子; 林 由紀雄; 森 道昭; 余語 覚文; 加道 雅孝; et al.

Journal of Plasma Physics, 72(6), p.1281 - 1284, 2006/12

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Physics, Fluids & Plasmas)

高強度レーザーと物質との相互作用により、高エネルギー粒子(イオン,電子)やX線が生成される。ここで発生した高エネルギー粒子等は、さまざまな応用が提案されテーブルトップの放射線源として注目されている。このような高強度レーザーと物質との相互作用の物理過程を調べるうえで、レーザーのプリパルスによって生成されるプリプラズマを評価しておく必要がある。本研究では、高強度レーザーを金属ターゲットに照射した時のプラズマ密度プロファイルを干渉計測により測定し、測定結果を多次元流体シミュレーションコードによる計算と比較した。実験は、チタンサファイアレーザー(中心波長800nm,パルス幅50fs)を集光用のポンプ光と計測用のプローブ光に分け、ポンプ光をアルミターゲットに照射し、発生するプリプラズマをプローブ光の干渉計測によって測定した。ポンプ光の集光強度は$$sim$$5$$times$$10$$^{16}$$W/cm$$^{2}$$であり、干渉縞はバイプリズムを用いてレーザービームの波面を傾けることによって生成した。ポンプ光とプローブ光の時間差を調整することにより、メインパルスの約10ps前からプリプラズマの測定を行った。測定結果を多次元流体シミュレーションコードによる計算と比較し、プリパルスとの関連性を調べた。

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