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石川 正男; 西谷 健夫; 草間 義紀; 助川 篤彦; 武智 学; 篠原 孝司; Krasilnikov, V. A.*; Kaschuck, Y.*; 笹尾 真実子*; 磯部 光孝*; et al.
Plasma and Fusion Research (Internet), 2, p.019_1 - 019_11, 2007/05
燃焼プラズマでは、核融合反応により発生した高エネルギーの粒子による自己加熱がプラズマの全加熱パワーの大半を担う。したがって、この高エネルギー粒子の閉じ込め特性、また不安定性の励起やそれとの相互作用を調べることは燃焼プラズマの維持において非常に重要な課題である。JT-60ではこのような高エネルギー粒子のプラズマ中での振る舞いを調べるために、中性子発生分布計測,高速中性粒子計測の開発を行ってきた。中性子発生分布計測の開発では、中性子と線との弁別が可能なスチルベン中性子検出器を導入するとともに、散乱中性子の影響を中性子輸送コードであるMCNPを用いて評価することで、中性子の発生分布を計測している。また、高速中性粒子計測の開発においては、中性粒子スペクトロメータとして多くの利点を有するダイヤモンド検出器を導入し、中性子や線などのノイズを低減させるための放射線シールドを設置することで、有意な中性粒子計測を行っている。これらの計測を用いて行った、負イオン源中性粒子ビーム入射を利用したアルヴェン固有モード(AE)実験では、ALEと呼ばれる大振幅のバーストモードが発生したとき、モードとの共鳴条件を満たす高エネルギーイオンの径方向輸送を初めて測定し、世界のAEによる高エネルギーイオンの輸送研究をリードしている。
草間 義紀; 石川 正男; 武智 学; 西谷 健夫; 森岡 篤彦; 笹尾 真実子*; 磯部 光孝*; Krasilnikov, A.*; Kaschuck, Y.*
Proceedings of Plasma Science Symposium 2005/22nd Symposium on Plasma Processing (PSS-2005/SPP-22), p.395 - 396, 2005/00
JT-60の重水素放電による中性子/線発生環境下において、天然ダイアモンド検出器を用いた高エネルギー中性粒子の測定に成功した。中性子及び線のノイズを低減するため、ダイアモンド検出器をポリエチレンと鉛で覆った。そのシールドは期待通りの性能を示した。負イオン源中性粒子ビーム入射(NNBI)で生成される高エネルギーイオンによってトロイダル・アルヴェン固有モード(TAE)が励起された際に、高エネルギーイオンの輸送を示唆する中性粒子束の急激な上昇を観測した。中性粒子の上昇が観測されたエネルギー範囲は、高エネルギーイオンとTAEとの共鳴的な相互作用で予測されるエネルギー範囲と一致した。
石川 正男; 草間 義紀; 武智 学; 西谷 健夫; 森岡 篤彦; 笹尾 真実子*; 磯部 光孝*; Krasilnikov, A.*; Kaschuck, Y. A.*
Review of Scientific Instruments, 75(10), p.3643 - 3645, 2004/10
被引用回数:6 パーセンタイル:35.7(Instruments & Instrumentation)JT-60Uにおいて天然ダイヤモンド検出器(NDD)を用いた高速中性粒子計測を開始した。NDDは非常にコンパクトかつ高エネルギー分解能,操作性の容易さなど多くの特長を併せ持つ。現在、NDDをJT-60Uトカマクの接線ポートに設置し、接線NBI、特にNNBIによって生成される高エネルギーイオンの振る舞いを、荷電交換された高速中性粒子を測定することで調べている。しかし、NDDは中性子及び線等にも感度を持つ。特に、JT-60Uの重水素プラズマ実験では、DD中性子が中性粒子計測の大きなノイズ源となる。そこで、放射線シールド(ポリエチレン厚25cm, 鉛厚10cm)を検出器の周りに設置することでノイズ源を減少させている。これまで、NBI時に、これまで得られなかった入射エネルギーに対応した中性粒子の連続エネルギー分布を得るとともに、鋸歯状振動やアルフベン固有モード等の不安定性発生時の中性粒子束の増加を観測している。NDDの重水素プラズマにおける中性粒子エネルギー分析器としての性能を示すとともに、高エネルギーイオンの挙動を調べるうえでの有用性を示した。
石川 正男; 篠原 孝司; 武智 学; 松永 剛; 草間 義紀; Krasilnikov, A.*; Kaschuck, Y.*; 磯部 光孝*; 西谷 健夫; 森岡 篤彦; et al.
no journal, ,
JT-60の弱磁気シアプラズマでは、負イオン源中性粒子ビーム(NNB)入射中に、安全係数の最小値(q)の減少とともに、周波数掃引を伴ったMHD不安定性が励起し、その後周波数は一定になる不安定性が確認されている。これらの不安定性に対して、前者はReversed-Shear-induced Alfvn Eigenmode (RSAE)、後者はTroidicity-induced AE(TAE)として説明することができ、RSAE, TAEの励起機構に関しての研究が進められてきた。特にRSAEからTAEへの遷移中がもっとも不安定な状態であると予想されていた。しかしながら、これまではそれらの不安定性が高エネルギーイオンの閉じ込めにどのように影響を与えるかは実験的に観測されていなかった。本研究では、RSAE, TAE発生中の中性子発生量を、輸送コード(OFMC)を用いて不安定性がないとした時に計算される中性子発生量と比較することで、初めて不安定性発生中の高エネルギーイオンの閉じ込め劣化を示した。さらに、RSAEからTAEへの遷移中に高エネルギーイオンの閉じ込め劣化がもっとも大きくなることを評価した。