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小嶋 拓治; 柏崎 茂*; Zhang, Y.*
Applied Radiation and Isotopes, 48(7), p.965 - 968, 1997/07
放射線プロセスで大量に使用するルーチン線量計の開発を目的として、低価格で均一な素子の大量製造が可能な射出成形法を用いて、ポリスチレンで成形したアラニン/ESR線量計の素子を製造した。加工レベルの高線量域におけるガンマ線に対する線量応答特性、精密度、1kGy照射時における照射中の温度依存性等主要な線量計特性を調べた。0.1-100kGyの線量範囲における線量応答の精密度は素子の重量による補正の有無によらず、68%信頼度で2%以内であった。線量1kGyでは、545Cの照射温度で応答は+0.25%/Cの係数をもつ依存性を示した。また0.1100kGyでは、照射後のESR応答は、25C及び湿度40%で少なくとも2ヶ月間は1%以下の減衰しかなく安定であった。
小嶋 拓治; 柏崎 茂*; Zhang, Y.*
Applied Radiation and Isotopes, 48(7), p.965 - 968, 1997/00
被引用回数:5 パーセンタイル:42.9(Chemistry, Inorganic & Nuclear)放射線プロセス用実用線量計の開発を目的として、安価で大量製造が可能な射出成形法を用いたアラニン-ポリスチレン線量計素子について、プロセス線量レベルのガンマ線線量応答特性、精度、1kGyにおける照射中の温度の影響などの基本的な線量計特性を調べた。この結果、重量補正の有無によらず、0.1~100kGyの範囲で2%(68%信頼度)の精度が得られることがわかった。また1kGyにおける線量応答は、照射温度が5~45Cの範囲で+0.25%/C(25C基準)の係数をもつ温度依存性をもつこと、0.1~100kGyの範囲では照射後の線量応答は25C湿度40%の保存条件下では、少なくとも2ヶ月間は1%以下の減衰しかないことが明らかとなった。
春山 保幸; 橘 宏行; 小嶋 拓治; 岡本 次郎*; 柏崎 茂*; 松山 茂樹*; 柳生 秀樹*
Radioisotopes, 44(8), p.507 - 513, 1995/08
原子力施設等の放射線場で用いられている機器部品や電線被覆材等の耐放射線性の評価および余寿命の予測に必要な線量測定のため、アラニン/ESR線量計の低線量率、長時間照射下の特性を明らかにした。線量率0.45Gy/h、1.97Gy/hで総線量a/kGy、1kGyを25Cから80Cの異なる温度で照射した模擬環境下で、アラニン線量計の有効性を調べた。また、照射中及び照射後の温度を変えて線量応答の安定性も明らかにした。アラニン線量計の線量応答は、0.45Gy/h、2000hの低線量率・長時間照射下においても、60C程度までであればその線量応答値は1kGyまで線量に直線的に比例し増加した。この線量率及び照射温度範囲では、補正なしで積算線量測定が可能であることが明らかとなった。線量応答値は照射中の温度に依存し、線量率の0.45及び1.97Gy/hで総線量0.1kGy及び1kGyでは、温度係数0.1%/Cの直線関係を示した。
柏崎 茂*; 松山 茂樹*; 柳生 秀樹*; 原 秀元*; 小嶋 拓治
JAERI-Conf 95-003, 0, p.270 - 274, 1995/03
アラニン/ESR(電子スピン共鳴)線量測定法は優れた大線量測定法として知られているが、取扱いが複雑で高価な読み取り装置を用いるため、放射線プロセスへの応用が進まなかった。しかし、均一形状かつ均質なアラニン線量計素子アミノグレイ=の大量製造法が開発され、ESR装置の分析パラメータ、複雑な調整手順及び価格を低減することが可能となった。この線量計素子専用に機能を単一化したワンタッチのリーダの開発を行った。従来試料交換の度に不可欠であった自動周波数制御(AFC)のON/OFFの省略など調整・測定手順の単純化を追求した。このリーダにより、1~100kGyの線量範囲を1%(1)以内で、かつ約10秒で読み取ることができる。装置の大きさは30cm立方体程度で重さは約14kgと小型軽量である。このリーダにより、アラニン/ESR線量測定法が放射線プロセスにおいて応用される引き金となることが期待される。
小嶋 拓治; 柏崎 茂*; 橘 宏行; 田中 隆一; M.F.Desrosiers*; W.L.Mclaughlin*
Applied Radiation and Isotopes, 46(12), p.1407 - 1411, 1995/00
被引用回数:16 パーセンタイル:80.83(Chemistry, Inorganic & Nuclear)異なった成形方法(プレス及び押出し)で製造した異なる形状(異なる長さのロッド及びフィルム状)のアラニン-ポリマー線量計の電子スピン共鳴(ESR)測定における素子の方向依存性を明らかにした。ESR空洞共振器内の磁場に直角な垂直軸を中心に線量計素子を回転し、異なる方向におけるESR信号強度を22Cで測定した。ロッド状素子では、プレス及び押出しのいずれの成形方法についても、また長さが異なっても方向依存性は無視できた。円盤状に切り出した押出し成形で製造したフィルム状素子をESR空洞共振器内で水平(磁場に平行)に置いた測定では、アラニン結晶の配向性によると考えられる顕著な方向依存性がみられた。しかしながら、垂直(共振器中心軸に平行)に置く方法により、フィルム状素子の方向依存性を解消できることを明らかにした。
小嶋 拓治; 春山 保幸; S.Sudiro*; R.L.Tobing*; 柏崎 茂*
Radioisotopes, 42(11), p.607 - 613, 1993/11
飛程の短い放射線を対象とした厚さ200m程度のフィルム状アラニン線量計素子について、アラニン結晶の細粒化の方法、バインダーに適するポリエチレン(PE)種、成形方法等が素子の物理的特性及び線量応答特性に与える影響を調べた。この結果、(1)再結晶により得られたアラニンとメルトインデックス(MI)の高いPEの混合物のプレス成形、及び(2)機械的粉砕で得られたアラニンと比較的MIの低いPEの混合物の押出し成形により、厚さ150-200mのフィルム状素子が成形できた。方法(1)では、より薄いフィルムが製造できること、また方法(2)では、1-100kGyの線量範囲における同一バッチ間の線量応答の精度が2%(95%信頼度限界)以内であることが明らかとなった。
小嶋 拓治; H.L.A.Ranjith*; 春山 保幸; 柏崎 茂*; 田中 隆一
Applied Radiation and Isotopes, 44(1-2), p.41 - 45, 1993/00
被引用回数:12 パーセンタイル:74.52(Chemistry, Inorganic & Nuclear)現在ガンマ線の線量測定法として最も信頼性あるアラニン/ESR線量測定法を電子線・重粒子線へも応用拡大を図るため、ポリエチレンをバインダーとした厚さ200mのフィルム状アラニン線量計素子の開発及びその読取りに用いるESR測定法の確立を行った。素子成形法の改良により均質な素子の再現性ある製造を可能とし、また、ESR測定における素子の方向依存性を素子セッティングの改良によって回避し高精度な読取り法を確立した。このフィルム状アラニン素子/ESR線量測定法により測定可能線量範囲は50Gy-100kGy、電子線等に有効な1kGy-100kGyの範囲が1%(10)の精度で測定可能となった。また数MeVの電子線深部線量測定に十分な空間分解能をもっており、Coガンマ線による線量評価値と3%で一致した。本方法は、電子線レファレンス線量計として有用であり、さらに重粒子線線量測定への応用が期待できる。
小嶋 拓治; 春山 保幸; 橘 宏行; 田中 隆一; 岡本 次郎; 八木 国光*; 田村 直幸*; 原 秀元*; 柏崎 茂*
Radiation Physics and Chemistry, 42(4-6), p.757 - 760, 1993/00
被引用回数:7 パーセンタイル:60.47(Chemistry, Physical)これまでアラニン/ESR線量測定法については、主に高精密に広い線量範囲が測定可能となる基準あるいはトランスファー線量測定を目的とした開発が行われてきた。一方、放射線滅菌を始めとする放射線プロセスの工程管理用として、簡便かつ安定性の高いルーチン用アラニン/ESR線量測定法の開発が望まれていた。本論文では、すでに開発されたアラニン線量計素子に比べて成形法を簡単化し、現在一般に使用されているプラスチック線量計よりも精密度が高い安価な素子の製造と線量計特性、及びこれと並行して開発された、通常の分光光度計に使い易さ・価格がともに匹敵する自動アラニン線量計リーダーの製造と装置特性について述べるとともに、この両者の組合わせにより、1-100kGyの線量範囲を3%以内で測定可能であることを明らかにした。
柏崎 茂*; 松山 茂樹*; 八田 敏正*; 柳生 秀樹*; 小嶋 拓治; 田中 隆一; 森田 洋右
EIM-88-124, p.61 - 67, 1988/12
近年、原子力発電や宇宙開発の発展に伴い放射線照射下で使用される材料、機器部品の信頼性評価が重要となっている。このためには、信頼性試験・実環境下試験において正確な線量評価が必要である。このような目的に使用される線量計は、精密度、線量測定範囲及び安定性の点でこれまでにない厳しい条件を満たすことが要求されている。これらの要求を満たす全く新しい線量計素子「アミノグレイ」の特性及び応用について報告する。
小嶋 拓治; 森田 洋右; 田中 隆一; 柏崎 茂*; 松山 茂樹*
Hitachi Cable Review, 0(7), p.85 - 88, 1988/08
最近の原子力施設や放射線照射施設の普及が示すように、放射線利用が着実に進展している。これに伴いより応用性に富んだ線量測定技術が要求されてきている。これらのニーズに対応して、アミノグレイが開発された。アミノグレイはアミノ酸の一種であるアラニンを主成分とする線量計で、直径3mm、長さ30mmのロッド状素子である。本論文では、アミノグレイの線量計特性を詳細に調べた結果について述べる。
小嶋 拓治; 森田 洋右; 田中 隆一; 柏崎 茂*; 松山 茂樹*
日立電線, 0(7), p.79 - 82, 1988/00
最近の原子力施設、放射線施設の普及が示すように、放射線利用分野が着実に拡大発展している。これにともない線量測定技術に対する要求が多様かつ高度のものとなってきた。これらのニーズに対応してこのたび新たに開発したアミノ酸の一種であるアラニンを用いた新しい線量計素子アミグレイについて詳細な線量計特性を調べた。